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2013/10/9 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
東京地検特捜部の医療法人「徳洲会」への強制捜査は、創業トップの徳田虎雄理事長(75)の退任に発展した。永田町では「まだ疑獄への入り口」ともっぱらで、徳洲会の元金庫番が政界工作の実態を記した「告白文」に登場する大物政治家たちは戦々恐々だろう。
とりわけ目を引くのが、3年前に億単位の巨額マネーが動いたとされる政界工作。詳細につづられた工作の一端に、民主党の前原誠司元外相の名前が出てくるのだ。
問題の告白文は、徳洲会の政界工作を一手に担った元専務理事兼事務総長(57)が書いたもの。彼は徳田が難病に侵されて以降、徳田の親族らと対立。今年1月末に役職を剥奪されそうになったのを機に、83ページにわたって、自分が仕掛けた政界工作の実態を書きつづったという。
特捜部も「告白文」を入手し、捜査の参考にしているといわれている。内容の真偽は不明だが、徳田と蜜月の仲の石原慎太郎をはじめ、鳩山由紀夫、菅直人の元首相2人など、複数の大物政治家の実名が登場する。
中でも詳細に記されているのが、民主党政権の誕生直後に始まった「メディカルツーリズム」の実現に向けた動きだ。
10年12月に、当時の菅政権は新成長戦略の一環として、海外から病気の治療や健康診断を目的に来日する外国人に、最長6カ月の滞在を認める「医療滞在ビザ」を新設すると発表。翌年から発給を始めた。
その結果、〈北海道の徳洲会病院などで、ロシアの僻地の難病患者を受け入れることができるようになった〉と、告発文は「成果」を強調。そして、政府決定の裏に〈前原大臣に対し、徳洲会にプラスになるだろうと高見氏が強力にメディカルツーリズムを推進すべきだと膝を付き合わせて説いたことが極めて大きく影響しています〉〈前原氏が外務大臣になった際には、メディカルツーリズム構築へ向けた医療ビザ創設への働きかけも相当強力に行いました〉と記されているのだ。
「告白文にある高見氏とは、前原氏が国交相時代に特別参与に任命した高見裕一元衆院議員のこと。前原氏とは93年に日本新党から出馬して初当選した同期で、96年の旧民主党結党にも一緒に参加した仲。1期やっただけで選挙に負け続けですが、古巣の民主党中枢とのパイプを誇示していたようです」(政界関係者)
驚愕すべきは、元金庫番主導で徳洲会がメディカルツーリズムのコンサル業務に関して、高見氏と交わしたとされる契約金額だ。告白文によると、成果と関係なく15億8000万円という異常な額の契約を結び、すでに高見氏の関連会社に計2億4140万円を支払ったというのだ。
この支払いの対価について、高見氏は「全部(仕事を)やってます。説明するまでもない」と今週発売の週刊文春に答えている。告白文の内容は真実なのか。本紙が前原誠司事務所に確認すると、「一切、関わっていません」と回答した。
捜査はこの先、どんな展開を見せるのか。
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