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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131009-00000005-sasahi-pol
AERA 2013年10月14日号
今夏の参院選、首相側近である衛藤晟一候補は高松市で得票がゼロだった。市民は開票中に数百票が消えたと疑う。こんな重大事を放置していいのか。
高松市に住む自営業、亀山巧さん(63)は最初、新聞の間違いだろうと気にも留めなかった。7月の参院選で比例代表への1票を自民党の衛藤晟一(せいいち)候補(大分県出身)に投じたが、地元紙には高松市内の衛藤氏の得票が「0」と書かれていたのだ。
念のため、8月の後半になって高松市選挙管理委員会に問い合わせてみた。すると、やはり衛藤氏の高松市内の得票は、ゼロではないか。驚いて仲間の支持者3人に相談し、投票用紙を再点検するよう、8月30日付で市選管に抗議文を提出した。
ところが、市選管は抗議を一蹴した。再点検するには、選挙期日から30日以内に、市選管を相手取り、所轄の高等裁判所(この場合は東京高裁)に提訴する必要があるという。
間違いなく「えとうせいいち」と書いて投票箱に入れた票が消え、亀山さんは、「ゼロが正式記録として残る。それは衛藤さんに投票した一人として許せない」と、憤る。結果的に衛藤氏は、自民党の比例代表候補で10番目に多い20万4404票を集めて当選した。高松市での無得票は当落に影響を与えなかったが、公設秘書は残念がる。「支持者の票が無為になった」
なぜこんな怪現象が起きたのか。市選管の説明をもとに、開票作業をたどってみる。
市内には71カ所の投票所がある。7月21日の投開票日には、すべての投票箱が市香川総合体育館に集められ、午後9時過ぎに開票が始まった。投票箱は一斉に開かれ、投票用紙は開披台にのせられた。市職員らが用紙を集め、6台の投票用紙読み取り分類機にかけた。この機械は平仮名、漢字に関係なく、候補者名を幅広く認識できる。ここで票が消えることは考えにくい。
次に投票用紙は、枚数を数える計数機にかけられた。市選管側は「衛藤候補の票がゼロになったのは、この計数の段階だった」(選挙課の岡弘哲(ひろのり)課長補佐)とみている。高松市民が疑いの目を向けているのも、この辺の動きだ。
もし票を誰かが抜き取れば、投票者数と計数結果が合わなくなるが、今度の場合、この差は6票しかない。そうなると有力になるのは、計数機にかける際、他の比例代表候補の票に衛藤氏の票が紛れ込んだという説だ。
故意か過失かは分からない。故意だとしたら何のためなのか。衛藤氏を落選させるためなのか。それとも、応援する候補の得票を増やすためなのか。高松市民の間で様々な噂(うわさ)が飛び交うが、真相は藪(やぶ)の中だ。
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