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2013年10月02日
<新競技場を契機にやりたい放題>
東京五輪の開催と引き換えに確実に犠牲となるのが、「神宮の森」の景観だ。
新国立競技場の延べ床面積は29万平方メートルに及ぶ。実に東京ドームの2倍半だ。しかも、最高地点は75メートルに達する。今の競技場内で最も高い場所は聖火台で、高さ約30メートル、照明灯の頂点部でも約62メートルだ。それより13メートルも高い場所まで、新競技場はコンクリートで覆い尽くされるのだ。
これじゃあ、外苑のどこを歩いても、緑豊かな木立の上からUFOのような奇抜なデザインが顔を出す。巨大なコンクリートの壁を見上げることになる。せっかくの美観も台無し。建設費1300億円をかけて、100年近く守られてきた都心のオアシスを潰すようなものだ。
さらに景観破壊に拍車をかけるのが、今年6月に東京都が決めた都市計画だ。新競技場建設を機に「一大スポーツ拠点を創設する」と、外苑一帯の再開発に乗り出す。
「対象エリアは東京体育館や国立競技場のほか、青山通りから絵画館に向けて約300メートル、左右2列に延びるイチョウ並木も含みます。総面積は64万3000平方メートルに上ります」(東京都都市整備局)
老朽化が進む神宮球場や秩父宮ラグビー場も建て替える。神宮と秩父宮の土地を交換して場所を入れ替え、まず秩父宮を解体。新神宮を建設した後に新秩父宮に取りかかるという具体的なプランまで検討されている。
外苑一帯は東京で初めて自然美を守るために指定された「風致地区」だ。それなのに、都は再開発のため、対象地域の高さ規制を大幅緩和。15メートルから75メートルへと一気に5倍も緩めた。景観なんて、お構いなしだ。
お目当ては東京メトロ銀座線「外苑駅前」から競技場に向かう「スタジアム通り」の再整備。この地域は「ビジネス街としてのオフィス需要は高い」(みずほ証券チーフ不動産アナリストの石澤卓志氏)という。都は沿道に商業ビルをジャンジャン誘致する目算だ。
「スタジアム通り沿いには、新競技場とワンセットで17階建てのオフィスビルが新築されます。敷地内に広場を設けることで、高さ規制はさらに緩和。全高80メートルに達する予定です」(五輪招致委の関係者)
このビルには新競技場の建設用地を差し出した日本青年館のほか、競技場を管理・運営する独立行政法人「日本スポーツ振興センター」(JSC)の入居が決まっている。
JSCは文科省と財務省のOB3人が理事に名を連ねる天下り法人だ。問題のビルは新競技場の建設費、つまり税金で賄われる。神宮の森の美観をブッ壊し、ちゃっかり税金で「天下りビル」まで建てるとは……。五輪に便乗した役人のやりたい放題は続く。
(写真は日本スポーツ振興センター提供)
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