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2013/10/2 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
「熟慮したうえでの私の結論だ」――と予定通り、消費税増税を実施すると安倍首相が発表した。来年4月から消費税率は8%に引き上げられる。
これで日本経済が、再び深刻なデフレ不況に逆戻りするのは確実である。国民はあまりピンときていないようだが、消費税増税の破壊力はハンパじゃない。
そもそも、日本経済がデフレ不況に陥ったのも、97年に消費税率を3%から5%に引き上げたのが原因である。あれ以来、日本経済は15年間もデフレに苦しみつづけている。厚労省の統計によると、労働者の平均賃金は、97年度の446万円をピークに12年度は377万円へと、70万円もダウンしている。
ヤバイのは、今回の消費税増税が与える打撃は、97年の比じゃないことだ。
「97年の日本経済は、バブルは崩壊していたが、まだ体力がありました。しかし、いま日本経済は15年間もデフレ不況がつづき疲弊している。雇用は壊れ、労働者の約4割は非正規雇用です。貯蓄なし世帯は約30%に達している。消費税8%は、8兆円の大増税です。瀕死の状態なのに、8兆円もの大衆増税を実施したら、とても日本経済は耐えられない。大不況に陥るのは目に見えています」(筑波大名誉教授・小林弥六氏=経済学)
本来、増税は好景気の時に行うものだ。デフレ下で消費税増税を強行しようなんて狂気の沙汰だ。
◇デフレが悪化し自殺者が急増するぞ
消費税率が8%、10%となったら、国民生活はどうなってしまうのか。
政府の「経済諮問会議」がまとめた資料によると、消費税率が8%にアップすると、国民1人当たり年間5万円の負担増になるそうだ。4人家族だと20万円である。ただでさえモノの値段が上がり、国民はカツカツの生活を強いられているのに、20万円も国家に吸い上げられたら、立ち行かなくなる世帯が続出するだろう。
庶民の生活が苦しくなれば、モノは売れなくなり、ますますデフレは悪化していく。デフレ脱却など到底できない。
もっと苦しいのは、中小企業だ。経済ジャーナリストの荻原博子氏が言う。
「消費税率が引き上げられても、中小企業は簡単に価格に転嫁できないと思う。いま105円で売っている商品は、引きつづき105円で売るようになるのではないか。価格競争が激しいために、値上げすると売れないからです。結局、消費税アップ分は、自分で負担するしかなくなるでしょう。でも、中小企業は経営が苦しい。負担することに耐えられるのか。泣く泣く従業員の給与を下げたり、倒産に追い込まれる企業も出てくるでしょう。それがまたデフレを加速していくことになります」
もともと、消費税は滞納額が年間4000億円と、国税のなかでも飛び抜けて滞納の多い税だ。消費者から預かったはいいが、経営が苦しくて使ってしまい、払いたくても払えない中小企業の経営者は予想以上に多い。このままでは、自殺者が続出するのは間違いない。97年に消費税をアップした時も、自殺者が急増し、初めて3万人を突破してしまった。
問題の多い消費税は、アメリカだって「導入すべきじゃない」と、いまも採用を見送っている欠陥税制である。デフレ不況下で税率をアップしたら、この国は崩壊してしまう。
◇「社会保障改革」はどこに行ったのか
なのに、よくも安倍首相は、平然と消費税増税に踏み切れたものだ。しかも、右手で国民に8兆円の大衆増税を強いながら、左手では大企業の法人税を減税しようというのだから、信じられない。
そもそも消費税増税は、年金や医療を充実させるためだったはずだ。政府は「社会保障と税の一体改革」だと説明していた。ところが、安倍首相は年金をカットし、医療費の自己負担を増やすなど、社会保障を削減しようとしているのだから、だまし討ちもいいところだ。
いったい、この男は、誰のために政治を行っているのか。消費税増税を強行して景気を冷やし、庶民と中小企業を追い詰め、大企業だけを優遇している。しかも4カ月も国会を開かず、何もかも密室で決めている。
安倍首相のやっていることは、国民への挑戦と同じだ。
「衆院選と参院選で圧勝し、いよいよ安倍首相はホンネを表にし始めたのだと思う。被災地支援のための“復興特別法人税”廃止が典型です。被災者を切り捨てて、大企業の負担を軽くした。もともと“国民よりも国家”という発想の安倍首相は、国民は国家のために奉仕すべきだと本気で考えているフシがある。戦前の指導者と変わらない。恐らく、国民に消費税増税を強いても、痛みを感じていないはずです」(政治評論家・本澤二郎氏)
◇欧米だったら激しいデモが起きている
それなのに、国民は抗議の声ひとつ上げないのだから、どうかしている。
共同通信の調査では、消費税増税に「賛成46%」「反対50%」と拮抗していた。消費税率が上がれば、あらゆる生活必需品が値上がりし、生活が苦しくなるのに、なぜ沈黙しているのか。
街頭インタビューに「財政を考えると仕方ない」「社会保障のためなら仕方ない」と答えている。欧米先進国だったら、考えられないことだ。絶対に「仕方ない」などとは答えない。間違いなく「社会保障と税の一体改革はどうした!」「なぜ大企業の減税をするのか!」と、激しいデモが起きているはずである。
「財務省は“日本の借金は1000兆円もある”と、消費税増税の必要性を唱えていますが、ここまで借金を膨らませたのは、国民ではない。公共事業を大盤振る舞いしてきた歴代の自民党政権です。性懲りもなく、また“国土強靭化だ”などと公共事業をバラまこうとしている。消費税増税を迫られたら、国民は“冗談じゃない”“自民党が責任を取れ”と拒否するのが当たり前です。ところが財務省のキャンペーンを真に受けて“仕方ないか”と受け入れている。なかには、2020年の東京オリンピックで景気は良くなるだろうと、浮かれている国民までいる。これでは、安倍政権にいいようにやられ、どこまでも負担を押しつけられるだけです」(本澤二郎氏=前出)
いま消費税増税を強行するなど、ナチスばりの狂気だ。
このまま安倍首相の暴政悪政を黙認していたらどうなるか、国民はしっかりと考えないとダメだ。
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