http://www.asyura2.com/13/senkyo154/msg/452.html
Tweet |
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131001/dms1310010719002-n1.htm
2013.10.01 「日本」の解き方
消費税増税については以前の本コラムで、「最終的には政局にするかどうかという政治判断だ」と書いた。事ここに至ると、経済分析をして「べき論」を唱えるよりも、それを政治的に実行できるかどうかの方が重要なのだ。
消費税増税を止めるためには、増税凍結法案などを国会で成立させなければいけない。今はねじれがないので、法案を成立させるためには、自民党内の多数をとる必要がある。その確証なしで政局にするのは、政権の自殺行為になる。下手に仕掛けると、場合によっては「安倍降ろし」の動きも出てくる。
消費税増税の見返りにバラマキ経済対策を行うという話になった。野党時代に干上がっていた自民党の議員は水を求める動物の群れのようなもので、もはやその動きは止まらない。
筆者は「べき論」からは消費税増税に反対する立場は変わらないが、「だろう論」として第3者の目から見れば消費税増税の勢いを止めるのは難しいと思っている。
安倍政権が増税を決断した場合、経済悪化を防ぐためにやるべきことは何か、景気が悪化した場合、政治家はどこまで結果責任を問われるのだろうか。
増税すると経済悪化になるのは、緊縮財政になるからだ。マクロ的にみれば、民間から吸い上げた税収分をそのまま政府支出に回せば、需給ギャップの悪化は最小限度に抑えられ、景気への悪影響は短期的には避けられる。この意味で、先日のコラムに書いたように、今検討されている5兆円の景気対策では全く不十分である。
また、この景気対策では、即効性を求めて財政政策だけが議論されているが、景気の悪化を防ぐという意味では金融政策の拡充も考えていい。ただ、金融政策の効果は2年程度たたないと発揮されないことを考えると、少なくとも来年度は財政でも下支えが必要である。
財政政策で効果が高いのは、給付付き税額控除など、最終消費者に近いところへの減税・給付金措置である。1万円の「簡素な給付金」はあまりに少なすぎる。10万円にしても予算措置は3兆円程度だが、それでも対策としては力不足だろう。政治家が景気を落ち込ませないためにやるべきことは多くある。
それでも景気が落ち込んだら、政治家はどのように責任をとるかというと、最終的には選挙である。景気が悪くなると、それまで表面化しなかった諸々の問題が顕在化して、政権運営には大きなダメージになる。
景気がよければ、多少の政治家のスキャンダルも国民の批判を浴びないが、景気が悪くなると悪循環に陥ることがしばしばだ。そうなってくると、衆院選での政権交代も現実味を帯びてくる。選挙が行われない場合も、党内外からの批判が噴出し、首相の交代という形で結果責任が問われることもしばしばある。
歴代の首相経験者は、経済がよければ政権運営は難しくないが、悪くなると大変だと述懐している。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。