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安倍首相が怒った読売「消費税率引き上げ意向」報道(プレジデント) 
http://www.asyura2.com/13/senkyo154/msg/425.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 9 月 30 日 14:46:33: AtMSjtXKW4rJY
 

他紙に先駆けた読売の一報により、消費税8%への流れが。ただ、安倍首相の決断じたいを促したわけではなさそうだ。(PANA=写真)


http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130930-00010735-president-bus_all&p=1
プレジデント 9月30日(月)13時15分配信


 10月1日、安倍首相が消費税率引き上げ問題で結論を出す。首相に近い複数の人物によると、9月18日現在、「首相が消費税率引き上げを表明することは間違いない」(首相周辺)とのこと。消費税は予定通り、来年4月に引き上げられることになる。

 だが、首相は最初から引き上げを決めていたわけではない。

 「あんなのはデタラメだ! 」

 安倍首相が声を荒らげたのは9月12日夜。内閣記者会加盟のマスコミ各社キャップとの記者懇談でのことだ。

 同日、読売新聞が朝刊の一面トップで「消費税率、来年4月に8% 首相、意向固める」と大々的に報じていた。首相はその報道を全否定する一方、その日の夕刊で、読売報道を追認する形で後追いした他紙の名を挙げ報道内容を否定した。首相周辺が当時の首相の心理を解説する。

 「様々な経済指標が上向きだったため、首相も消費税引き上げやむなしという方向に傾いていたが、まだ引き上げを決断していたわけではなかった。にもかかわらず、増税を悲願とする財務省とまるで謀ったかのように、新聞各紙が外堀を埋めるようなやり方で次々に“首相増税の意向”と報じた。報道が先行し、首相はカリカリしていました」

 当時の読売報道を見ると、「意向を固めた」とあるだけで「首相がこう言ったという具体的発言は皆無だった」(首相周辺)。首相の女房役の菅義偉官房長官は読売報道を「何だ、あれは!  あんなこと決めてない」と批判した。

 実は、この報道に先立つ9月10日、首相は読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長らと都内のホテルで会食している。複数の全国紙政治部幹部によると「この席で、渡辺氏が首相に来年4月から8%に税率を引き上げるよう求めたという情報が流れている」という。一方、これに対し「首相は消費税について特にこれといった発言はしなかったが、すでに腹を決めている感じもした」と、会合の様子を知る政界関係者は話す。

 消費税率についての渡辺氏の考えはこれまでコロコロ変わってきた。渡辺氏は昨年暮れまで、14年4月と15年10月に予定通り消費税率を引き上げ、社会保障・税の一体改革を進めるべきだと主張していた。

■ナベツネさんを財務省が説得? 

 ところが今年夏になると、前言を翻し「デフレ脱却前の増税は景気腰折れの恐れがある」「来年4月予定の8%増税は先送りすべき」と主張し始めた。増税を1年先送りにして再来年10月に一気に10%に引き上げるという主張だった。読売のドンと呼ばれる渡辺氏の意向に従い、読売新聞の社論も増税推進から先送りに変更。「8%見送りはデフレ脱却を最優先した結果」(読売8月31日社説)と書き、先送りを進言した。

 だがドンと首相の会食後、読売の報道は昨年までの増税推進に先祖返りしたようだ。他紙に先駆け、税率引き上げで「首相が意向固める」と読売が報じたことで一気に増税の流れができた。ライバル紙の編集幹部が「読売の編集幹部が“トップの意向がコロコロ変わるので説明に困っている”と嘆いていました。一説では、財務省がナベツネさんを説得したのではないかと言われています」と前置きして語る。

 「ナベツネさんの主張で一貫しているのは“公共財である新聞は消費税率引き上げの対象外にすべきだ”という点だけ。こんな虫のいい主張が国民に受け入れられるはずがないけれど」

 首相の動静欄をチェックすると、渡辺氏は今年に入り少なくとも5回、首相と懇談している。政界に大きな影響力を持つ渡辺氏に、首相も多大の配慮を払ってきたのは確かだ。

 しかし、首相が消費税引き上げを決断したのは、メディアを気にしたからというわけではなさそうだ。首相のブレーンの1人が言う。

 「元々、首相は消費税率引き上げに消極的だ。1997年の消費税率引き上げがアジア通貨危機と重なり、景気後退、税収減につながった教訓もある。アベノミクスがデフレ脱却を目指して成果を挙げているだけに、増税で経済に冷水を浴びせたくはなかった」

 が、一方では「税率の2段階引き上げは法律で決定ずみ。増税延期には新たな法律を成立させねばならない。ただでさえ臨時国会の会期は短く、とても無理」(首相周辺)というのが実情。そこで首相は、増税の一方で大型の景気対策を行い、景気の腰折れをできるだけ避ける道を選んだ、ということのようだ。

PANA=写真


 

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コメント
 
01. 2013年9月30日 15:06:04 : eqbZo2eIKY
でも明日増税を言うんでしょ。国民からしたら大した問題ではない。

02. JohnMung 2013年9月30日 18:11:19 : SfgJT2I6DyMEc : qTnFnNkmTk

 謀略朝鮮カルト「統一教会」とズブズブの安倍晋三は、’90年代初頭に脱税した相続税3億円、20年超の延滞分を加えて、約10億円を即刻国庫に納付し、国民に謝罪した上で、内閣総辞職・議員辞職せよ!

 阿修羅閲覧者のみなさん

 脱税してこそ泥みたいに頬被りして逃げ回る安倍晋三とペテン詐欺集団でファシズム礼賛・戦争の党の自民党、そして安倍自公売国政権は、99%の日本国民よりも1%の日米既得権益亡者(シロアリ)の利権擁護・増大を謀る国民の敵・売国奴であることを ↓ で確認しましょう。

 ”企業を優先「解雇特区」 働く人への影響は”
 朝日新聞デジタル 9月30日(月)8時2分配信
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130930-00000008-asahi-pol

 「解雇特区」導入を巡り政府内でも意見が対立している
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130930-00000008-asahi-pol.view-000

 【山本知弘】安倍政権が構想する「国家戦略特区」で、従業員を解雇しやすくしたり、労働時間の規制をなくしたりする特区の導入が検討されている。政府は今秋の臨時国会に関連法案を出したい計画だ。特区をつくるねらいは何か。働き手にどんな影響があるのか。

■ベンチャー・外資の進出促す

 特区は安倍政権がかかげる成長戦略の柱の一つ。企業に「不便」な規制をゆるめ、もうけやすい環境を整える。政府は5月、国家戦略特区ワーキンググループ(WG)をつくり、自治体や企業にも提案を募って、雇用や医療、農業、教育などの特区を検討してきた。

 うち雇用では、(1)入社時に結んだ条件に沿えば解雇できる(2)一定の年収があれば労働時間を規制しない(3)有期契約で5年超働いても、無期契約になれるルールを適用しなくていい――の3点だ。働き手を守る労働契約法や労働基準法に特例を認める。

 (1)と(2)の特例は、開業後5年以内の企業の事業所に適用。外国人労働者の比率が3割以上の事業所では(3)の特例も使える。ベンチャーの起業や、海外企業の進出を促すためだという。

 背景にあるのが、「いまの解雇のルールがわかりにくい」という考えだ。いまは、やむを得ない事情がないと、企業は自由に解雇できない。解雇は働き手にとって不利益が大きいためだ。裁判で解雇の是非を争うと、裁判所の総合的な判断にゆだねられる。

■「遅刻したら解雇」も可能に

 一方、特区では、企業と働き手があらかじめ結んだ約束を優先させる。例えば「遅刻をすれば解雇」と約束し、実際に遅刻したら解雇できる。解雇のルールを明確にすれば、新産業の育成や海外企業の活動がすすむという考えからだ。だが、強い立場の企業が、弱い労働者に不利な条件を強要して雇用が不安定になるおそれがある。
.朝日新聞社

 ”「解雇しやすい特区」って何?/木暮太一のやさしいニュース解説”
 THE PAGE 9月30日(月)11時25分配信
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130930-00000003-wordleaf-bus_all
 
 [表] 「解雇しやすい特区」案のポイント(THE PAGE)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130930-00000003-wordleaf-bus_all.view-000

政府は、この秋の臨時国会に「解雇しやすい特区」の法案を提出する方向で検討に入りました。この「解雇しやすい特区」とは、一体何なのでしょうか? 誰が対象で、どんな影響があるのでしょうか?

―――「解雇しやすいってことは、社員をクビにしやすいってことだよね?」

最終的にはそういうことです。ただ、社長が自由気ままに社員をクビにできるわけではありません。また、「特区」なので、全国を対象にしているわけではありません。政府が検討している案(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/kadaibetu/dai1/siryou5.pdf)を見てみましょう。

―――「なんで今こんな特区を作ろうとしているの?」

政府は「新しく会社ができないこと」「外国からの投資が少ないこと(※この場合の「投資」とは、外国企業が日本に進出する、という意味です)」を問題視していいます。この状況を解決するために、“雇用制度上の特例措置を講ずる”=従業員を解雇する基準を緩やかにする、を検討しているのです。

―――「どこの地域が対象なの?」

東京、大阪、愛知の三大都市圏などを特区に指定するようです。まずは都心部からということですね。

―――「その地域の全員が対象なの?」

いえ、そうではありません。この特区内において
・できてから5年以内の企業の事業所
・外国人労働者の比率が30%以上の事業所
とあります。全員ではないんですね。
.「ずっと期間限定で雇う」が可能に
―――「ふーん。で、どんな内容が検討されているの?」

政府が考えている新ルールは大きく考えて3つです。
最初のルールは「ずっと“期間限定社員”を可能にする」です。

現在、1年契約、2年契約など期間限定で社員を雇うことが認められています。仕事がある時期(年)だけ限定で社員を増やすことができると言うことですね。そしてその期間が終わったら「今までお疲れさまでした。ではさようなら」といって、雇用契約が終わります。しかし、契約期間を更新などして、5年を超えた場合、労働者から“申込み”があれば正社員にしなければいけません。

特区では、その決まりをなくし、ずっと“期間限定”で雇うことを可能にするのです。

―――「なんで5年たったら正社員にするの?」

“期間限定社員”は、経営者に有利、労働者には不利な契約だからです。経営者は、景気がよくて仕事がある時に社員をたくさん雇ってたくさん仕事をさせたいです。でも、景気が悪くなったら社員の人件費が負担になるので人を減らしたいです。だから期間限定の社員はとても都合がいいのです。

ただ、労働者から見れば、景気が悪くなったら切られるわけで、生活が不安定になりかねません。そこで5年を超えたら「実質正社員だよね?」ということで、労働者が希望すれば「無期雇用(終身雇用)」に切り替えなければいけないのです。

ただ、この「5年ルール」があることで、企業は経営がしづらくなります。またより重要な問題として、このルールがあることで、5年経つ前に(経営者にとって条件が悪くなる前に)契約を終了させられる労働者が続出するのです。

―――「あ、なるほど……。」

クビにするルールを契約で決める
特区のルールの2番目は、「クビにするルールを事前に契約で決める」という内容です。
現在は、企業が正社員を雇うと、よほどのことがない限り解雇することができません。しかも、クビにするルールはグレーゾーンの部分が大きく、「仕事をしない社員」も解雇するのは難しいです。このルールを雇う時の契約書で明確にしましょうということです。

これに関しては、多くの反対意見があります。職に就きたい弱者(労働者)に対して、「1分でも遅刻したらクビ、1回でもノルマを達成しなかったらクビ」など悪条件を突き付ける経営者が出てくるとも限らない、そしてそれを「契約書で合意」したことになってしまうので、堂々とクビにできるようになる、ということです。

その懸念も一部あると思いますが、むしろ問題なのは、契約書にいちいち書けない細かい内容です。あらゆる項目を契約書にすることは不可能です。そのため最終的には、グレーゾーンはできるはずです。その時に、「契約書には書いてないけど、“流れ”から考えてクビにできるよね」もしくは「契約書に書いてないことは、何をやってもクビにできない」となってしまうと、かえって企業も労働者も自由度がなくなりますね。
かなり綿密に考えて制度を設計しないと、大きな混乱を招くと思います。

―――「うーん……。で、3番目は?」
.「ホワイトカラー・エグゼンプション」も
3つ目のルールは、「一定の要件(年収など)を満たす労働者には、残業を払わなくてもいいようにする」という内容です。これは以前大きな議論になった“ホワイトカラー・エグゼンプション”と呼ばれる制度案と同じ内容です。

―――「みんな残業がもらえなくなるんだっけ?」

必ずもらえなくなるわけではなく、一定の役職になったら、一定のポストに着いたら、一定の年収(800万円)を超えたらなど条件付きです。現在も、多くの会社で管理職には残業代が支払われません。それと同じイメージです。

大前提として、企業も労働者も、よりよい条件を求めて自由に決められるのがベストな社会だと思います。立場が弱い労働者の権利を守ることはもちろん大切です。しかし同時に、企業の競争力を上げて、日本経済を活性化させることも考えなければいけません。双方の歩み寄りが必要だと思います。

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木暮 太一(こぐれ・たいち)

経済ジャーナリスト、(社)教育コミュニケーション協会代表理事。相手の目線に立った伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、現在では、企業・大学などで多くの講演活動を行っている。『今までで一番やさしい経済の教科書』、『カイジ「命より重い!」お金の話』など著書36冊、累計80万部。最新刊は『伝え方の教科書』。

 ”事務局長談話 「国家戦略特区」による労働者保護ルール改悪に向けた動きに関する談話” 2013年9月20日 日本労働組合総連合会 事務局長 南雲 弘行
 http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2013/20130920_1379681103.html

1. 9月20日、政府は安倍総理出席の下で、産業競争力会議課題別会合を開催した。この中で、解雇規制や労働時間規制の緩和を国家戦略特区によってエリアごとに認める検討を行うことが明らかにされた。安倍政権は、これまでとは次元の違う国家戦略特区を創設するとして、2013年5月に国家戦略特区ワーキンググループを設置し、具体的な制度設計等の検討を行ってきたが、本日示された検討の方向性は、国民に等しく適用されるべき生存権的基本権としての労働者保護ルールの枠組みを否定する、けっして許されないものである。

2. 政府は、国家戦略特区の検討の一環として、8月から9月にかけて、民間事業者や地方公共団体を対象に、具体的な提案の募集も行ってきたところである。政府に対して寄せられた提案の中には、大阪府・大阪市による「チャレンジ特区」のように、国家戦略特区において解雇規制や労働時間規制といった労働者保護ルールを適用除外とするよう求めるものもあり、本日の政府の検討方向と文脈を同じくするものとなっている。

3. 言うまでもなく、労働時間に関するルールは、生存権を規定する憲法第25条や最低労働条件を定める憲法第27条を受けた労働基準法により定められ、また、解雇ルールは基本的な民事法規としての民法の特別法である労働契約法によって定められたものである。したがって、これらのルールは労働者保護の観点から最低限守られるべき基準・規範として、わが国のすべての労働者に等しく適用されるべきである。

4. 万一、国家戦略特区において労働者保護ルールの適用が除外されるような事態となれば、その地域では労働者が安心して働くための基盤は破壊され、不当な解雇が横行し、長時間労働によって過労死の問題が深刻化することは必至である。さらには、地域間で労働条件の切り下げ競争が引き起こされることも必至である。

5. 連合は、こうした事態は言語道断であって、断じて許すことはできない。労働者保護ルールの改悪をめざすあらゆる動きに対して、断固反対する。連合は、今後も、構成組織、地方連合会と一体となって、職場はもとより広く社会全体に訴えかけ、労働者保護ルールの改悪阻止に向けた社会的運動を全力で展開していく。

以上


03. 2013年9月30日 18:19:57 : aWLXVc9ceA
>そこで首相は、増税の一方で大型の景気対策を行い

そのお金は庶民には一円も回ってこない
そもそも増税しておいて財政の大盤振る舞いとは
やってる事がメチャメチャ


04. 2013年9月30日 18:51:32 : YxpFguEt7k
斎藤恭紀氏
「衆院選や参院選に自公民に投票した方は「社会保障や財政健全化のために増税やむなし」で付託したはず。ところが、社会保障は1%のみで、2%分が浮揚効果不明の経済対策にという健全化と正反対。自民党に投票した方は騙されたと自覚を持つべき。」
https://twitter.com/saitoyasunori/status/384563711085518848

自覚しないだろうなぁ…きっと。
アホばかりだからなぁ…きっと。


05. 2013年9月30日 18:53:46 : 2oSqGLQgEb
読売の意見

まず新聞の軽減税率適用を先に決めなさい。裏切りは許さない。


06. JohnMung 2013年9月30日 19:30:12 : SfgJT2I6DyMEc : qTnFnNkmTk

 法人税を下げ、消費税を増税するために、大手マスメディア等に集る御用学者・評論家どもは、”日本の法人税は高い”と喧伝し、そのことを前提に正当化する論述を展開しているが、ほんとにそうなのか!?

 まずは、2つの論考をご覧になられて、よくよく考えてみましょう。

 ”日本企業の法人税等の負担は本当に重いのか? |慢性デフレと新型バブル|東洋経済” 沢利之 BLOGOS 2013年08月13日 11:03
 http://blogos.com/article/68096/

今日(8月13日)の日本株は250円ほど上昇して取引されている。まだ午前中の早い段階なので勢いが持続するかどうかは分からないが、若干の円安(97円30銭程度)と日経新聞で報じられた安倍首相が政府関係部署に法人税の実効税率の引き下げを検討するように指示したことが好感されている。

先日発表されたGDP成長率の内訳を見ると、企業の設備投資が弱かったので法人税率を引き下げて設備投資を刺激しようという狙いなのだろうか?

ところで経団連の米倉会長らがことあるごとに主張しているように「日本の法人税は国際的にみて高い」のだろうか?

財務相のホームページの「実効税率の国際比較」http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/084.htmを見ると、日本(35.64%)は米国(40.75%)についで高い。ちなみに他国の状況はフランス(33.33%)、ドイツ(29.55%)、中国(25%)、韓国(24.2%)だ。

だが法人税(法人所得税と地方税)のみを見るだけでは、企業の実質的な税負担の比較はできない。つまり社会保険料の負担程度を含めて考えないと本当の企業負担の比較はできない。

財務相の資料http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2010/zei001e.htmによると、例えば日本の自動車製造業の場合、国税11.2%、地方税11.8%、社会保険料7.4%合計30.4%となっている。アメリカは国税18.9%、地方税3.5%、社会保険料4.5%合計26.9%、ドイツは国税13.1%、地方税12.2%、社会保険料11.7%合計36.9%、フランスは国税19.3%、地方税22.3%合計41.6%だ。

このデータは色々なことを示唆している。まず税金についていうと「法定の税率」と企業が実際に支払っている税の負担率ではかなり差があるということだ。前述の財務相のデータは注釈によると「財務相がKPMG税理法人に委託して作成した資料」で法人所得課税と社会保険料負担を「税引前当期利益+社会保険料負担」を除して比率を計算している。

ところでトヨタ自動車や日産自動車の実行税負担率は30%以下だ。文藝春秋9月号「法人税を下げる前に企業長者番付の復活を」(富岡幸雄中央大学名誉教授)によると、トヨタ自動車の実行税負担率(法人税等納付額÷税引前利益)は27.1%。どうして法定の税率より実行税負担率が低いかというと「受取配当金の益金不算入」などで税法上の課税所得が低くなっているからだ。

公的医療保険が充実していない米国の場合、企業が従業員の民間保険料を負担することが多い。資料によると米国の自動車産業が負担していたと推定される民間保険料は15.4%。もしこれを企業の税・社会保険料負担比率に加えると米国の自動車産業の負担比率は5割を超えていた(2006年当時の資料でありその後米国の自動車産業は破綻等で大幅に保険料負担を減らしたが)。

なお他の産業について税・社会保険料の負担比率を見ると、情報サービス業では日本44.2%、アメリカ46.7%、ドイツ55.7%、フランス70.1%、銀行業では26.3%、アメリカ27.8%、ドイツ23.8%、フランス31.3%となっていた。

税・社会保険料の負担比率は業種ごとにばらつきが大きいが、数字を見る限りでは日本企業の負担比率は先進国に較べてむしろ低いと思われる。

私は法人税の引き下げに反対するものではないが、「日本の法人税は国際的に見て高い」という意見は余りに表面的過ぎると考えている。企業はモノやサービスを生み出し、従業員に給料を払い、国や自治体に税金と社会保険料を払うことで国民の福祉に貢献している。消費税の引き上げと同時に法人税の減税を行うなら、企業はそのメリットを社会に対してどのように還元するのか示していく必要があるだろう。

 ”日本の法人税は、本当に重いのか? 不明確な実効税率、実はアジア諸国より低い場合も” 野口 悠紀雄:早稲田大学 ファイナンス総合研究所顧問 2013年07月08日
 http://toyokeizai.net/articles/-/14560

前回、法人税率は法人の行動に影響を与えないと述べた。これは理論上の問題だが、法人負担の現状についての事実認識にも、大きな誤りが見られる。それは、「日本の法人課税の負担が、諸外国に比べて重い」というものだ。

こう言われる根拠として持ち出されるのが、「法人の実効税率」と呼ばれるものだ。これは、法人税等(日本の場合は、国税としての法人税と、地方税である住民税及び事業税の合計)の法人所得に対する比率である(地方税負担の一部が国税で損金算入されることを調整してある)。

2011年当時、「日本の実効税率は40.69%(国税27.89%、地方税12.80%)であり、アジア諸国(中国25%、韓国24.2%)はもとより、ヨーロッパ諸国(フランス33.33%、ドイツ29.41%、イギリス28%)より高い」と言われた。そして、こうした重い負担は、日本企業が負う「6重苦」の一つであり、国際競争力低下の大きな原因であるとされた。

こうした議論があったため、法人税率の引き下げが行われた(12年4月1日以後に開始する事業年度について、法人税率を30%から25.5%へ4.5%引き下げ。中小法人に対する軽減税率を18%から15%へ3%引き下げ)。

その結果、日本の実効税率はかなり低下した。財務省の資料によると、13年1月における日本の実効税率は、事業所が東京都にある場合、35.64%だ(国税が23.71%、地方税が11.93%)。これは、アジアやドイツ、イギリスなどと比べれば高いものの、アメリカ(40.75%)よりはかなり低く、フランスと同じくらいである。

実効税率が40%を超えるアメリカにおいて、企業の業績が順調にのびていることを考えれば、法人税負担の高さが企業活動の障害になっていないことは明らかだ。

しかも、ここで用いられている「実効税率」という指標は、国際比較を行うには不正確なものだ。その理由はつぎのとおりだ。

実効税率とは、分母に課税上の所得をとり、税法上の標準的な税率によって計算した税額を分子にとったものだ。ここには二つの問題がある。第一に、課税上の所得は、会計上の利益とは一致しない。そして、税法は国によって大きく違うため、国際比較にはなじまない。国際比較をするのであれば、国際的に統一された基準で計算される会計上の利益を分母にとるべきだ。

第二に、さまざまな特別措置によって、実際の課税額は標準的な税率による課税額とは異なる。多くの場合、少なくなる。とくに、「試験研究費税額控除」という制度があり、製造業の大企業の場合には、かなり大きな効果を発揮している。

実際の法人税の負担率はかなり低い
以上で述べた問題を考慮にいれた上で法人税負担を見るには、いくつかの方法がある。もっとも直接的な方法は、個別企業について、決算書の数字から負担率を計算することだ。表は、日産自動車についての法人税等の負担を示したものである。

表のb欄が「法人税等」(法人税と住民税及び事業税)で、cにあるのが、「法人税等調整額」と呼ばれるものだ。後者の意味は後で説明するが、まず、
税引き前利益−(法人税等+法人税等調整額)=税引き後利益
の関係が成り立つことに注意しよう。つまり、「法人税等+法人税等調整額」(表のd)が、企業会計の観点から見て、その期に支払うべき法人税等の額であるわけだ。

そこで、「法人税等+法人税等調整額」の税引き前利益に対する比率を見よう。これが会計的な観点からの税負担率と考えられる。この値をfに示す。

日産の場合は、11年3月期以降は、20%台の後半だ。つまり、財務省資料にある法人実効税率よりはかなり低くなっているのである。リーマンショックの影響で利益が大きく変動した期間以前(08年3月期以前)を見ても、30%台の前半だ。

このように現実の負担率が低くなる原因が何であるかは、決算書の数字からは明らかにはならない。法人税上益金に導入されない利益の影響が大きいと考えられる。

 表 日産自動車の法人税等負担

「法人税等調整額」とは何なのか?
ここで、「法人税等調整額」について説明しよう。

例えば、ある年度に貸倒引当金として、税法で定められた限度額を超えた額を計上したとしよう。超過分は、会計上は損金となるが、税務上は、相手が倒産して回収不可能になるまでは損金にならない。したがって、超過額に税率を掛けただけの額を法人税等として支払うことになる。これは会計上の観点から言えば、「税の前払い」だ。次年度に貸出先が倒産して回収不可能になれば、税務上損金として認められて超過額に税率を掛けただけ税金が減少する。

こうした場合、最初の年度では超過額に税率を掛けた額だけマイナスの法人税等調整額を計上し、次の年度で同額のプラスの法人税等調整額を計上する。

また、赤字会社の場合には、当期の納税額は発生しない。しかし、繰越欠損金は、通常一定期間(通常7年間)を限度として将来の課税所得と相殺することができる。このため、繰延税金資産を認識し、それに見合う額をマイナスの法人税等調整額として当期の損益計算書に計上する。それを利益と相殺させる年度でプラスの法人税等調整額を計上する。

なお、一定限度を超える交際費や寄付金についても、会計上の取り扱いは税務上の扱いと異なる。ただし、これらについて税務上は永久に損金に算入されないので、以上で見たような処理の対象とはならない。

日産の場合、法人税等調整額はほとんどの年でプラスだ。つまり、企業会計上の観点から言えば支払うべき法人税等を、将来に繰り延べていることになる。

法人税の負担を表のb(現実に支払った法人税等)で見るべきか、それともd(会計上の観点から本来その年度に支払うべきだった法人税等)で見るべきかは、客観的な答えが出ない問題である。法人税等調整額に計上できるのは一時的なものだから、本来からいえば、一定期間の間にはプラスとマイナスが打ち消し合うはずだ。そうであれば、ある程度の期間を平均して見れば、どちらで見ても同じはずである。

しかし、日産のようにプラスの数字が続くようだと、どちらの指標で見るかによって、税負担率は大きく変わる。仮に現実に支払った法人税等であるbをとって、そのaに対する比率を見れば、負担率は一部の年度を除いて20%程度となる(表のe)。これは、最初に見た実効税率とは大きく異なるものだ。「法人税の負担が低い」と言われるアジア諸国の数字(中国が25%、韓国が24.20%)よりも低い。

このように、法人税負担をめぐる問題は、簡単ではない。少なくとも、実効税率の数字のみを用いて「6重苦の一つ」などとは言えない問題なのである。

(週刊東洋経済2013年7月6日)


07. JohnMung 2013年9月30日 19:59:33 : SfgJT2I6DyMEc : qTnFnNkmTk

 ↓ は、賛否両論を含んでいます。1%vs99%、どちらの立場かも含めて、よくよく考えてみましょう。

 ”日本の法人税はほんとうに高いのか? 法人税率は日本は高いと言われ、引き下げを求める経済団体の声は大きい。果たして本当に税率は高いのか? |NAVERまとめ” 更新日: 2013年07月21日
 http://matome.naver.jp/odai/2137429691423931301

法人税とは?
法人とは、自然人(普通の人)と同様に法律行為を含むさまざまな経済活動を行い、組織体に人格を与えたものをいいます。法人税は、この法人が得た利益(所得)に課せられる税金であります。
お気に入り詳細を見る ●法人税の計算手順

1.会社法に従った決算により、会計上の利益を求める。
2.会計上の利益から、税法に従った所得(法人税の所得)を求める。
3.法人税の所得に税率をかけて税額を求める。
4.各種税額控除を行い、法人税額を確定する。

出典法人税とは - 税金ってこうなんだ.com

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お気に入り詳細を見る 法人税率は高すぎる派
本丸の法人税率の引き下げを忘れるな  :日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56806100Q3A630C1PE8000/

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お気に入り詳細を見る 期待したいのは国税と地方税を合わせた法人実効税率の引き下げだ。日本の税率は12年度に40%強から35%強(復興増税を含めると12〜14年度は約38%)に下がったものの、国際標準といわれる25〜30%よりもまだ高い。

出典:日本経済新聞

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お気に入り詳細を見る 5%の法人税下げを、再興戦略の柱に−政府税調の田近委員 - Bloomberg

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MQ32GL6S972C01.html

[bn:PRSN=3489098] 安倍晋三 []首相の諮問機関である政府税制調査会(会長・中里実東京大学教授)の委員を務める、一橋大学大学院の[bn:URL=http://www.econ.hit-u.ac.jp/~koho/jpn/introduce/professor/PU_tajika.html] 田近栄治 []特任教授は、政府の「日本再興戦略」の焦点の1つとなっている法人実効税率の引き…

お気に入り詳細を見る 7月18日(ブルームバーグ):安倍晋三首相の諮問機関である政府税制調査会(会長・中里実東京大学教授)の委員を務める、一橋大学大学院の田近栄治特任教授は、政府の「日本再興戦略」の焦点の1つとなっている法人実効税率の引き下げについて、現行の約35%から「5%引き下げて30%」とすることが必要だとの考えを示した。

出典5%の法人税下げを、再興戦略の柱に−政府税調の田近委員 - Bloomberg

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お気に入り詳細を見る 法人税は引き下げるべきである。日本の法人税率(国地方合計)35.64%に対して、アメリカ(カリフォルニア州)40.75%、フランス33.33%、ドイツ29.55%、イギリス24.00%(2015年4月に20.00%に引き下げることが確定)、韓国24.20%、シンガポール17.00%で、日本の法人税はアメリカを除けば主要国の中でもっとも高い

出典参院選後のアベノミクス本丸 法人税を引き下げよ  WEDGE Infinity(ウェッジ)

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出典homepage2.nifty.com
各国の法人税率
 http://matome.naver.jp/odai/2137429691423931301/2137429812624533303

日本は40%を超え圧倒的に高いといわれる。
お気に入り詳細を見る 法人税率はそれほど高くない派
日本の法人税の負担は重くない|野口悠紀雄「日銀が引き金を引く日本崩壊」|ダイヤモンド・オンライン

http://diamond.jp/articles/-/37990

6月14日に政府が閣議決定した日本再興戦略の中で、今年の秋に投資減税を検討する旨が表明された。法人税減税を求める声も大きい。この前提にあるのは、「日本の法人税負担は重い」という認識だ。以下では、これが正しいか否かを検証する。

http://diamond.jp/mwimgs/8/f/570/img_8f963899c327f85f6870eeee24a4a4fb112057.jpg

お気に入り詳細を見る 阿部泰久・日本経団連経済基盤本部長は、税の専門誌『税制弘報』1月号で、法人税についてこう語っていました。「表面税率は高いけれども、いろいろな政策税制あるいは減価償却から考えたら、実はそんなに高くない」「税率は高いけれども税率を補う部分できちんと調整されている」

出典日本の法人税は高いというのは嘘 (税に関する覚え書き �) - 遥香の日記

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お気に入り詳細を見る しかし、日本のトップ大企業の利益にかかる法人課税の実際の負担率が優遇措置によって30%程度であることが試算で
わかりました。 日本経団連は現在40%の法人実効税率が高すぎるとし、減税を要求していますが、大企業が払っている
税金ははるかに低いのが実態。法人税減税の財源を消費税増税に求めるのは身勝手すぎます。

大企業は研究開発減税で大幅な恩恵を受けるほか、海外進出を進めている多国籍企業には外国税額控除などの優遇措置
があり、40%の税率は骨抜きにされています。

出典日本の消費税は低いのか? 法人税は高いのか?


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お気に入り詳細を見る 日本の法人税、本当はこんなに低いんだ! 三井物産6%、三菱電機9・5%〜なのに庶民には大増税とは!

出典日本の法人税、本当はこんなに低いんだ! 三井物産6%、三菱電機9・5%〜なのに庶民には大増税とは!(綾瀬市議会議員上田博之) – ガジェット通信


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出典blogos.com
日本の法人税率は高いのか?(佐々木憲昭) - BLOGOS(ブロゴス)と
 http://matome.naver.jp/odai/2137429691423931301/2137429812624533703

特に大企業の法人税負担率は低いという
お気に入り詳細を見る 優遇税制?
JAL、法人税優遇措置で最高益? 自民党が優遇見直し等で揺さぶりをかける狙いとは?(1/2) | ビジネスジャーナル

http://biz-journal.jp/2013/01/post_1413.html

完全復活!?(「JAL HP」より) 日本航空(JAL)に政権交代の逆風が吹きつける。 「公的資金で再生したJALが過去最高益を上げながら、法人税を払わないこ…(1/2)

お気に入り詳細を見る 政治家はなんと言っている?
自民党は20日の総務会で、今夏の参議院選挙で掲げる公約を決めた。

経済政策では、金融緩和など「3本の矢」を推進することで、デフレからの早期脱却とともに、今後10年間の平均で名目国内総生産(GDP)成長率3%、実質2%の成長を目指すことなどを盛り込んだ。法人税の「大胆な引き下げを実行」することも明記した。

出典自民党が参院選の公約決定、法人税「大胆な引き下げ実行」| Reuters


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お気に入り詳細を見る 両論の記事を読んでの感想
高すぎるという主張は 実効税率が 40%ほどあるから他の国に比べて高いという。

高くないという主張は、実際の企業負担が、特に優遇税制などを勘案するとぐっと下がるからという。

少なくとも高すぎるという主張は、税率表しか見ておらず、実際のという視点がかけているのではないだろうか。

両案みたすなら、税率表の実効税率は下げて、優遇税制などをなくしていけば、透明な税制度になるのではないだろうか。
お気に入り詳細を見る 日本の法人税率は高いのか?

http://london3.jp/2013/07/tax/

法人税について NAVERまとめでもまとめてみました。 日本の法人税はほんとうに高いのか? http://matome.naver.jp/odai/2137429691423931301 色んな所で、正反対の主義主張が広げられています。 私はどっち派というわけではないので、客観的にその主張を見てみました。 そうすると、高いから下げろ!という論調の根拠は、日本…


08. JohnMung 2013年10月01日 05:04:50 : SfgJT2I6DyMEc : KXuoxabtnw

 阿修羅閲覧者のみなさん

 >>02>>06>>07.をご覧になられて、どう思われましたか?

 上記に貼り付けた複数の記事は、必ずしも一方向ではなく、賛否両論を併記したものもあります。

 私は、安倍晋三と自民党、そして第2次安倍自公政権がやろうとする消費税増税が、つまるところ、1%vs99%のどちらの側に立つものか、で判断することにしています。

 まず、日本は、「諸外国に比べて法人税が高い」という論調は、一面的で、かつ日本国民を誤誘導する詭弁であると思います。
 これについては、大手マスメディア等の情報操作・誘導もあって、謂わば“刷り込み”状況になっている日本国民が少なくないように思えます。

 また、すでに非正規労働者が2000万人を超える状況下で、これを助長するような「解雇特区」を設定するとは、なにをか況んやということです。
 仮に、消費税の還付金のある輸出大企業等で正規雇用者の賃金アップがみられても、消費税を転嫁されることが常態化している中小企業では、そして大企業も含めて増大している非正規雇用者に対しては、賃金のアップが期待できるとは思えません。
 このことは、最低賃金の改定が遅々として進まない状況をみるだけでも分かることです。

 ところで、9月24日NHKラジオのビジネス展望での内橋克人氏の『法人税引き下げを考える』(「いまさきもり の アンダンテ・カンタービレ」より)でも触れられていますが、安倍晋三の唱える“好循環論”(まず企業の投資で雇用が進み、企業が収益を上げて賃金が上昇する)は、これまでの実績から観て、なんの保障もありません。
 2002〜2007年の戦後最長の好景気と言われた時期においても、大企業等は内部留保を進めましたが、賃金・所得の向上には繋がっていません。

 ”最近の経済事情 ー失われた10年とその後の好景気ー 1990年から2008年までの日本経済の概略 ”
 http://www.hideki123.com/sub2jijou.htm

 ”『法人税引き下げを考える』 9/24 NHKラジオ ビジネス展望 内橋克人さんのお話” 2013年09月24日 | ラジオ番組 ―「いまさきもり の アンダンテ・カンタービレ」よりー
 http://blog.goo.ne.jp/22jpgoo/e/5d574895519aa3f238c0dcb2a581aa1a

『法人税引き下げを考える』    
9/24 NHKラジオ ビジネス展望 内橋克人さんのお話の要約です。

(MC)消費税率の引き上げについて、総理大臣の決断の時が迫ってきた。
その一方で、法人税率の引き下げについても、大筋でまとまりそうな動きになってきているが?

その通りで、来年4月の8%への消費税増税について、首相が最終の決断を下す10月1日が迫ってきた。
予定通りの増税は避けられないと思う。

ところが、ここに来て、同時に企業の法人税は減税するという、つまり、『消費税引き上げ&法人税引き下げ』というセット論が安倍首相の強い意向で強行される雲行きとなって来た。

むしろ、首相は、消費税引き上げの引き換え条件のようにして、法人税引き下げを持ち出すという、極めて強引な迫り方というふうに感じられる。

一般国民からして見ると、『消費税は引き上げておいて、法人税を下げる』ということは そう、やすやすと納得できるところではない。

安倍首相の主張をまとめてみると、次のような理路・理屈からなっている。
1.来年4月の消費税引き上げによって、せっかく回復しかけた景気に水を差す心配がある。
2.それを防ぐには企業の負担を減らして、つまり法人税を下げて企業収益を伸ばして
3.そして労働者の賃金を上げさせなければならない。
だから、そのためには企業の減税が必要であるのだ、というような理屈である。

 このように安倍首相が重視する成長戦略の政策パッケージというのは『まず企業の利益が増えるようにしさえすれば、賃金も上がる』と、つまり、消費税増税によって落ち込むかもしれない景気は、こういうやり方で 防ぐことができる、という、言ってみれば一次方程式のようなものである。
 これで国民が納得できるであろうか?と、強く問いたいところである。

 企業の業績が伸びても賃金は増えない、という構造が90年代半ば以降できあがっている。
 少し前に『いざなぎ超え景気』とはやされた時代も、実感なき景気回復と言われたように、労働者の賃金はむしろ減少して、企業は利益を内部留保や株主への配当に回した。

 このような構造は、例えば働く者を正規雇用と非正規雇用に分断して、たとえ正規雇用の給与が増えても、既に2000万人を超えた非正規雇用者の報酬をはそのまま、あるいは最低賃金もそのまま、でというような雇用の在り方が生み出したものである。

 雇用の在り方と配分方式が変わらない限り、単なる図式に終わってしまうに過ぎないだろう。
 安倍首相が前提とする『好循環論』が、循環の途中で切断されるかもしれない。
 そこに手をつけないままの、消費税引き上げそして法人税引き下げ論では、それで好循環が生まれるということは、なかなか言えるものではない。

 消費税引き上げで生まれた余力を企業に回す、ということは、これもまた、国民から企業への所得移転の手段にすぎない、と、多くの国民から、そう受け取られかねないであろう。

 (MC)法人税率の引き下げについては。これまでも経済界で長らく要求してきた経緯もあるが?

 法人税引き下げと消費税増税をセットにした経済界の主張には、長い歴史がある。
 今から6年以上前にもなるが、第一次安倍政権のもとでも、経団連をはじめ経済界が揃って政府に強く求めたものであった。
 例えば、2007年2月、当時の御手洗冨士夫経団連会長が、10%の法人実効税率の引き下げを求めた事がある。
 その際の記者会見で、その財源はどうするのか、と問われて、同氏は 、2012年までに消費税を2%、2015年までに3%引き上げればよい、と答えている。
 今行われようとしているのと、全く同じ構図である(税率の上げ幅は、ちょっと逆転しているが)。

 安倍首相が考える法人税率引き下げの理論というのは、二段階論である。

 まず第一弾として、東北大震災の復興費を負担する復興特別法人税、これは2014年度まで法人が負担するとされていたものであるが、これを、1年前倒しで廃止をする、つまり13年度末(来年3月)には前倒しで廃止をしてしまい、払わなくて良いと、してしまうということである。
 しかし個人の所得にかかる復興税は、予定通り2037年末迄、25年間そのまま続けなさい、という事である。
 これによって法人実効税率は、3.37%の減税になる(国・地方合計、東京都の場合)。
 その穴埋めを、首相は、補正予算でやる、つまり国民の税金で負担するというわけである。

 法人税減税は、14年度以降に、第二弾が続く。
 これは、設備投資を行った企業などには、法人税を軽減するというようなもので、大幅な法人実効税率の軽減(減税)が、14年度以降も続くというわけである。

 『日本の法人税は、アジアやEUの企業に比べて高すぎる』というのが経済界の主張であるが
 しかし、日本企業には様々な税制上の優遇措置があり、海外で挙げた利益を税率が低い海外で運用したりして、連結ベースでみると 15%台の負担で済ませているという実例もある。

 やはり税と社会保障の一体改革という理念に立ち戻ること、つまり消費税増税が提起された原点、にしっかりと立ち戻るということが大切である。

(MC)消費税率引き上げと、企業の法人税率はどうあるべきか?

 その場合、
1.単に法人税の視点だけでなく、企業の全体的な社会的負担という視点も重要である。
 例えば、ドイツ・フランスなどの企業は、従業員の各種社会保険料を事業主が負担する割合が大きい。

 法人所得税と社会保険料事業主負担を合計して(つまり企業の全体的負担)、これを その国の対GDP比でみると、先進国の中で日本は最低である。
 日本企業は、フランス企業の2/3以下にすぎない。
 日本企業の社会的負担の合計は、実は少ないのである。

2.また雇用の在り方、今後の方向について根本的な再検討が必要である。

 例えば今年4月、改正労働契約法が施行され、契約期間が通算5年を超えると、その有期契約の社員には、無期雇用に転換できる権利が生まれることになったわけである。

 ところがそれを嫌って、少なからぬ企業で、今突然の契約社員の雇い止めが広がっている。
 非正規雇用者の雇用環境を改善するために考え出された方策が、逆に、雇い止め・派遣切りに利用されてしまっている、というのである。
 法人税減税に限らず、今ほど、企業の社会的責任について、深くとらえ直す視点が求められている時はない。
 あるべき税の制度と、あるべき雇用の制度、これを一体的に考える社会的取り組みが今こそ欠かせない。


09. また八百長か 2013年10月01日 07:20:46 : LqfXCVyl.xkHI : A4oNMk0P8g
「消費税の増税報道がデタラメ」というなら
消費税の増税が本当だったら、辞職してほしいね

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