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2013年9月29日
2013年9月8日、2020年のオリンピックが東京に決定したというニュースが飛び交った。
それから5日経ち、東京都やマスコミを中心とした連中が、五輪の東京招致に湧きかえっていた9月13日、時事通信は「特定秘密保護法案」の是非をめぐるアンケート結果として次の記事を出している。
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★秘密保全法、6割超「必要」=時事世論調査
時事通信 9月13日(金)16時7分配信
時事通信が6〜9日に行った9月の世論調査で、機密情報を漏えいした国家公務員らの罰則を強化する特定秘密保全法案について賛否を聞いたところ、「必要だと思う」と答えた人は63.4%、「必要ないと思う」は23.7%だった。
調査は全国の成人男女2000人を対象に個別面接方式で実施。「この法案には国民の知る権利や報道の自由を制限しかねないとの異論もある」と説明した上で質問した。
有効回収率は64.7%。
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この記事は、不思議なことに、出されてから2週間も経っていない9月25日ごろには削除されている。
その削除理由は分らないが、強いて考えれば、政府が9月3日から17日にかけて15日間行ったパブリックコメント募集で、8割強が反対意見を出していて、賛成が1割程度だった事実が分かったからではないだろうか。
パブリックコメントは、時事通信社のアンケート結果の賛成6割強、反対2割強と完全に逆の結果を示している。
時事通信の世論調査法が、成人男女2000名と個別に面談した結果だそうだから、データの取り方としてはかなりしっかりしていると思う。
しかし、この2000名のうち、6割5分(約1300名程度)が賛成であるとしたら、政府が公募したパブリックコメント9万件のうち、約8割(約72000名)が反対意見であることと完全に矛盾する。
答えは簡単である。
政府、あるいは時事通信社どちらかが嘘を言っているのである。
法案を通そうとして、目立たないようにこそこそと「特定秘密保護法案」の実現に邁進している政府筋が、パブリックコメントの集計結果を“圧倒的に賛成派が多かった”と発表するのなら、すっきりと筋が通る。
いかにもありそうなことだ。
だが、政府はパブリックコメントの反対意見は8割だと出していて、この集計は信用できるというべきだろう。
一方、時事通信社は、大雑把には、ほとんど7割が賛成だと言っているのだが、パブリックコメントとは真逆のアンケート結果である。
だから、時事通信社側が捏造であると考えるべきだろう。
国民の意見を代表するパブリックコメントが8割も反対意思を表しているのに、時事通信社は7割近い人間が「特定秘密保護法案に賛成」というのはいくら何でも有り得ない。
時事通信社がどうやってアンケート対象者の2000人を抽出したのか知らないが、常識的に言って、これがアトランダムな選び方だったとすれば、パーセンテージの違いは起きても、基本的にはパブリックコメントに沿う結果が出なければおかしい。
では、時事通信がなぜ嘘のアンケート結果を出したのかと言えば、明らかにフェイク報道を狙ったものとみる。
日本のマスコミが東京オリンピック決定にお祭り騒ぎになっている隙を狙い、「特定秘密保護法案」が、国民にとって有益無害な法案なんだよという印象付けのためである。
10月15日から開かれる秋の臨時国会での提出を睨み、時事通信が「バンドワゴン効果」を仕掛けたとみるのが妥当だろう。
ちなみに、バンドワゴン効果( Bandwagon Effect)とは、ある選択が多数に受け入れられている、流行しているという情報が流れることで、その選択への支持が一層強くなることを指すことをいう。
通常、政府が国民を騙すときは、マスコミと口裏を合わせて報道文脈を決めるが、今回の時事通信の“勇み足”は計算外だったようだ。
国民は時事通信のこの勇み足報道を、些細なフライングとは思わずに、米官業利権複合体とマスコミの陰険な歩調合せが実際に常態的に行われていることを示す事例として肝に銘じるべきだ。
冒頭の該当記事が、報道されてからわずか12日後に削除されたことは、単に政府発表と異なるばつの悪さからではなく、マスコミが『特定秘密保護法案』をどうしても通したい存在と密接につながっている事実が露見するからだと思われる。
時事通信の冒頭の報道は、国民を誘導するフェイク報道の典型事例として忘れてはならない事案だと思う。
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