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2013-09-29 08:08:57
リチャード・アーミテージ氏が「日本外交に望む」と題する論考を本日9月29日の読売新聞(朝刊)に寄せました。その中で「日中衝突の危険」に対する強い懸念を表明しました。そのうえで、「経済・安保両面での協力促進」を呼びかけました。
アーミテージ氏はご存じの通り、ジャパンハンドラーズの中心メンバーとされています。日本の防衛問題ばかりでなく経済政策やマスメディアのあり方まで幅広く方向付けに強い影響力を発揮してきました。その「日本操りグループ」の有力メンバーが寄せた論考は、いわばアメリカからの”指示書”の意味合いを持ちます。
”指示書”は、今回に関する限り一部を除いて極めてまともと受け取れる内容をちりばめています。論考は、まず日本と中国・韓国との間に先鋭化してきている緊張関係に真剣な懸念を表明。アメリカは「いま、日本と中国がドンパチやり始めるような事態になれば、非常に困る。ともかく、今は緊張を和らげることが最重要」と、率直に述べています。
緊張緩和のために、「将来を見据えた関係改善」を進め、衝突回避のために、「経済・安保両面での協力促進」を強く勧めています。具体的には、「日本外交の自滅点を減らす」ことを挙げ、例として靖国神社参拝を政治問題にさせてしまうことは、「普通なら簡単に無視されるはずの中国側の物語を有効にしている。日本は中国に自滅点を献上するようなものだ」と指摘しています。つまり、靖国参拝などにこだわるな、という意味合いです。
尖閣諸島の領有権問題については、「領有権の共有は難しいが、資源は違う」という観点を上げました。「最近、日本と台湾が結んだ漁業協定だ、その例証である。日台双方は、業魚資源の共有のため、領有権を切り離して交渉した」と指摘。「日中の『両勝ち』を創り出し得る例だ。こうした実務的な手段を積み重ねるべきだ」という”ウイン・ウインの勧め”です。
さらに国防問題にも踏み込んで、「政治指導者は脇に回り、国防部門に、協力の可能性を充分に探究させるべきだ」とも強調しました。中国側も、大規模な都市計画や経済開発で、日本の投資が果たし得る役割を、もっと評価し強調するべきだ、と中国側の姿勢にも言及しています。
「日本が、人権と自由の地球規模の擁護者の役割を継続、強化すれば、長期的に見て、東アジア全域で名声を勝ち得るだろう。この名声は、米国などが韓国で日本を擁護する際の助けになる」とも。
ただ、こうも述べています。「これは全く起きて欲しくないことだが」と前置きしつつ、「衝突の可能性に備えた、太平洋における有事対応計画に、もっと力を入れるべきである」と。つまり、「国防をより強化せよ」という”指示”です。また、「集団的自衛権に関する憲法解釈の見直しなどの国家目標を促進する」ことを、自明の事実と考えている記述もあります。
今回のアメリカからの”指示”は、「当面、中韓両国とは事を起こすな。早急に国防費を増額して軍備を強化し、集団的自衛権については解釈改憲で行け」ということになります。
こうした”圧力”を受けつつ、安倍首相はどのように近隣諸国と関係改善を図ることができるでしょうか。結局、アメリカさまのおっしゃる通り、「御意、御意」と盲従を続けるのでしょうか。
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