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株式日記と経済展望
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「組織風土」改革こそが東電には必要なことであり、それを実現させ
本当の再生をするにはもはや「破綻処理」以外にあり得ない
2013年9月28日 土曜日
◆JR北海道、カネボウ、東電…腐敗した組織風土はいかにして正すべきか 9月27日 大関暁夫
http://blogos.com/article/70738/
カネボウの白斑問題、JR北海道の路線異常放置問題のあおりで、「組織風土」腐敗の問題が俄かにクローズアップされています。All Aboutさんではその辺の理論的な考察は書いたのですが、カネボウやJR北海道が第三者機関やメディアから「組織風土を根本的に叩き直すべき」と言われたところで果たしてできるのか、今の両社の対応を見る限りにおいては、難しいと言わざるを得ないと思っています。
◆「カネボウ、JR北海道に見る「組織風土」腐敗の7S解析」
http://allabout.co.jp/gm/gc/429654/
上記出典にも書いたように、マッキンゼーが提唱したフレームワーク「組織の7S」を使って解析すると、「組織風土」の正常化に向けては、まず組織の核となる「価値観」が明確に確立され、さらにその「価値観」を組織の構成員が共有し、同時に「価値観」に裏打ちされた「制度」がしっかりと構築されることが必要十分条件になると考えられます。
しかしながら、過去の「組織風土」腐敗によって不祥事を引き起こしたりあるいは業績不振で絶望的な状況に追い込まれた企業は、一部の例外を除いてほとんどがこの必要十分条件を満たすことなく、反省の終息を迎えているように思われます。すなわち、彼らは「再発防止」というお題目の下、「制度」の再構築に終始しその形式整備完了とともに、外野の批判的目もやわらぐことで、「組織風土」改革にまで至らずに終わってしまうのです。
「組織風土」腐敗による不祥事企業にまず必要なことは、その「組織風土」を根底から正すための軸となる「価値観」の再構築でこそあり、この「価値観」は組織のトップが導きだすべきものであればこそ、トップの交代は不可欠なものと思うのです。トップの引責辞任については「辞めればそれで済むのか」という批判がつきまとうのも現実ですが、私はこうした組織の新たな軸となるべき「価値観」再構築の観点からは絶対に必要なことであると考えます。
「価値観」の再構築作業は既存の組織内における常識にとらわれては全く意味をなしませんから、基本は核となる人物の外部登用や幹部構成員の刷新などが大前提となるでしょう。多くの不祥事発生企業で「組織風土」改革が進まない原因は、トップが引責辞任しても心太式に次席が持ち上がり運営大勢にほとんど変化なしというケースが大半だからなのだと思っています。
日航の再建がなぜ短期間にあれだけうまく行ったのか、それは破綻処理による経営陣の刷新と稲盛和夫氏と言うカリスマの外部からの登用により、新たな「価値観」を生みだすことができたからに他なりません。日航の再建を「銀行の債権放棄があったから」とする向きもあり、たしかに財務という物理面では否定しませんが、生き物である組織の風土が腐ったままであったなら決して今のような再生には至らなかったであろうと思うのです。
稲盛氏は、新たな「価値観」お題目に終わらせないために、その浸透を根気強く管理者に対して直接説き続けることで実現したのでした。「価値観」が生きた社員精神に反映され、新たな制度にも活かされたがために、日航は以前とは全く別の「組織風土」をもった組織として蘇ったのです。
東京電力を見てください。福島第一の事故以前と事故以降で、何が変わりましたか。私は利用者に迷惑をかけ続け、隠ぺい体質の下自己の論理でしかものを考えられない「組織風土」は何ひとつ改まっていないと思っています。原因は、トップは交代したもののその「価値観」には何の変化も見て取ることが出来ない、いや広瀬社長は個人的には新たな「価値観」を提示しているのかもしれませんが、社員の間には恐らく何も浸透していないし浸透努力もなされていないと思えます。
やっていることは、経費削減等をお題目に掲げ魂の抜けた「制度」の改革のみ。そこに「価値観」の底支えは微塵も感じられず、「人材」への影響も皆無。結局、東電の問題がこのような状況下の国有化東電として進められても、根本的な問題の解決にはならないでしょう。私がしつこく「東電は破綻処理すべき」との主張を続けているのも、「組織風土」改革こそが東電には必要なことであり、それを実現させ本当の再生をするにはもはや破綻処理以外にあり得ないと思うからなのです。
カネボウもJR北海道も、現時点ではトップは辞任せず、聞こえてくるのは再発防止に向けた「制度」の再構築のみ。このままでは、組織何には恐らく何の変革も起きず腐敗した「組織風土」のまま再スタートを切って、いつかまた同じような問題を引き起こし東電のように今度こそ立ち直り不能な状況に陥るように思えてなりません。
「組織風土」腐敗を指摘されている企業は、「制度」の再建だけでは根本的な解決には全く至らない。「価値観」の再構築と「人材」への浸透があり、その下での「制度」の再建がなされてはじめて、「組織風土」の腐敗を止め改めることができるのです。落ち着いて考えてみると、この問題はカネボウ、JR北海道、東電だけの課題ではなく、前後日本の発展と共に成長を続けてきた高齢日本企業共通の“老害症状”であり、多くの大手企業が自分の問題として向き合う必要があるのかもしれませんが…。
(私のコメント)
いったん腐敗した組織は頭だけ変えても組織腐敗は治らない。戦線の陸軍海軍も515事件や226事件で腐敗した組織を露呈しましたが、政権は何ら抜本的な軍改革をせずに逆に統帥権を盾に政権に対して干渉を行うようになってしまった。大本営の言う事を関東軍などの前線部隊は言う事を聞かずに戦線を拡大してしまった。
東京電力もカネボウもJR北海道も組織の腐敗が進んでおり、社長や会長だけを変えても同じ事故を繰り返す事でしょう。これはこれらの会社ばかりでなくあらゆる日本の組織の腐敗に共通する事であり、民間会社なら倒産して淘汰されていくことでしょうが、電力会社や鉄道会社は公共事業だから倒産させて廃止するわけにはいかない。
JR北海道も独立採算では無理なことは最初から分かっていたことであり、国の補助などもありましたが、安全対策を後回しにして経営の合理化だけを推し進めてきた。東京電力も同じであり、採算性を最優先して安全対策を後回しにしたから福島原発の災害が起きてしまった。民間会社である以上はそうなってしまうのだ。
東京電力にしても原発関連の不祥事が起きて、担当役員の更迭などありましたが、その為にかえって原子力に詳しい役員がいなくなってしまった。経済産業省の原子力安全保安院も原書力安全委員会も機能せず、東電は監督官庁からの改善命令を無視した。勝俣会長は聞いていないと恍けているが、だれも責任を取らないで逃げてしまった。
JR北海道にしても事故が頻発しても、社長が自殺しても何ら組織は変わることがなく、レールの保線作業の手抜きが組織的に行われてきた。採算性を重視すれば保線作業などのコストのかかる仕事は手抜きされる。高速道路でコンクリートの天井が落ちる事故も結局は安全点検が手抜きされてボルトの破断が分からなかった。死亡事故が起きて初めて総点検が行われて数百か所の異常が認められた。
民間でやれば重大事故が起きなければ安全対策は後回しにされるのはわかりきった事であり、監督官庁があっても形式的な査察が入るだけだ。安全対策に力を入れれば利益が減って赤字が増えて社長は株主などからは経営責任が追及される。戦前の軍隊でも大戦の大敗北でようやく軍は解体されましたが、このような壊滅的事態にならなければ組織の改革は無理なのだろうか。
日本のあらゆる組織が制度疲労を引き起こしており、公務員は財政赤字にもかかわらず民間の賃金の倍近くを年収で得ている。それに対して政治家は公務員の給与引き下げには手が付けられない。つまり財政が破たんして国家財政がストップするような事態にならなければ改善はできないのだろう。財務省は増税によって財政再建だと言っていますが、昔軍隊今官僚で誰も公務員の横暴を止められない。
もちろんこのような組織の腐敗などに警鐘を鳴らす人はいますが、東電の勝俣会長のように平時は聞く耳を待たない。むしろ金をばら撒くことや天下りを引き受けることで絶大な権限を持っているが、いざ大災害が起きれば知らなかったで済んでしまう。たとえ一生懸命改革に手を付けようとする社長もいるのでしょうが、人気さえ全う出来ればいいといった社長がほとんどだ。
JR北海道にしろ東電にしろ構造的問題なのですが、破綻処理を主張していますが株や社債が紙切れになることだから既得権者の反対でできない。これだけ多くの災害を起こしても会社を潰せないのだから腐敗した組織を立て直すことは無理なのだろうか? 原発災害は原爆が落ちたのに等しい災害であり、民間会社では利益優先で任せられない事は明らかだ。
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