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2013/9/24 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
安倍首相が来年4月の消費税率引き上げを決めたと、朝日新聞が先週末に1面トップで報じた。正式表明は10月1日だそうだが、まず間違いのない線なのだろう。
絶望的な展開だ。増税分を価格に転嫁できず、自腹を切らされる零細事業や自営業が次々に廃業・倒産に追い込まれていく塗炭だけではない。これほどまでの嘘と詐術がまかり通る社会とは、いったい何なのだ。
今月17日、参議院議員会館で消費税増税に反対する緊急記者会見が行われた。出席者は醍醐聰・東京大学名誉教授(財務会計)、鶴田廣巳・関西大学教授(財政学、日本租税理論学会理事長)、植草一秀氏(政治経済学者)と私。国会で増税の目的とされた“社会保障の充実”などもはや影も形もなく、逆に自助努力や公共事業への流用が当然視されている実態をはじめ、消費税増税に関わる深刻な、しかし一般にはまともに伝えられていない諸問題をつまびらかにした。
私が特に訴えたのは、この税制の「弱者のわずかな富をまとめて大企業や富裕層に移転させる」卑劣きわまりない本質。および財政危機キャンペーンのペテン、何でもかんでも米国のサル真似の日本で、消費税の税率だけは福祉国家スウェーデンが引き合いに出されるデタラメ等々だ。4人の話を真摯に聞いてもらえさえすれば、消費税増税の真の意味を必ずわかっていただけたに違いない。
だが、集まった報道陣はたったの10人。財務省の記者クラブからは3社のみで、しかも記事にはならなかった。のぞき見だけして帰っていった、記者モドキの使い走りもいた。ネットテレビ「IWJ」が中継してくれていなければ、会見の行為自体がなかったことにされていた。
一方で、先月下旬に政府が重ねた「集中点検会合」。ごく一部の例外を除いて、招かれた“有識者”らはお定まりの意見陳述に終始した。増税に多少の批判があるらしい人も、すでに全否定済みの「社会保障の充実を前提に」容認してしまうのだから、お話にもならない。
そもそも消費税の仕組みを承知している人、自分の頭で考えようとしている人が皆無に近かった。彼らの圧倒的多数はただ体制内部の情勢を読み、それに合わせるしか能のない処世術の権化だ。こんな連中が“エリート”を気取り、実際に支配的な立場に君臨しているのだから恐れ入る。
日本はサルの列島だ。もはや国家の名にも値しない。単なる収奪システムに成り果てた。
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