http://www.asyura2.com/13/senkyo154/msg/233.html
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今秋の臨時国会での「特定秘密保護法案」(秘密保全法)成立に向け、安倍政権がその動きを活発化させている。
今回の「特定秘密保護法案」については、以下の西日本新聞記事でも指摘されているように、通常、1ヶ月程度の期間をかけて行なうべき「パブコメ」をたった2週間で終了するという、”おざなり”極まりない取り扱いがなされているが、これは政府が「”儀式的”なパブコメをもって国民の声に耳を傾けた」という”既成事実づくり”のためであることは自明であろう。
(いずれにしてもパブコメなどは単なる国民の”ガス抜き”のための、見せ掛けの政治パフォーマンスの道具でしかないのがその実情である)
では、何故、安部晋三らはこの国民の知る権利を奪う”暗黒法案”たる秘密保全法の成立を急ぐのであろうか?
それを理解するためには、安倍政権が隷属する「米戦争屋」について触れる必要があるであろう。
これまで本ブログにてコメントしてきたとおり、安倍政権はオバマら米政府が排除しつつある「米戦争屋」(米戦争マフィア)に隷属する売国政権である。
その「米戦争屋」が日本に対して要求している具体的内容については、昨年8月に提示された「第3次アーミテージ・ナイレポート」をみれば明らかである。
「そんなレポートなど、アメリカの元高官が書いた、”戯言”レベルのものじゃないのか?」との指摘もあるやも知れないが、「第3次アーミテージ・ナイレポート」の日本語訳が「海上自衛隊幹部学校」のHP上に堂々と掲載されているという事実を考えると、退役した一高官レベルが書いた”戯言”でないことがわかるであろう。
否、以下に記した「日本への提言」を読めば、”戯言”どころか、今の安倍政権の推し進める政策そのまんまであるということがお解りいただけることであろう。
○第3次アーミテージ・ナイレポート
「海上自衛隊幹部学校」公式HP
http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/topics-column/col-033.html
〜前略〜
・日本への提言(9項目)
(1)原子力発電の慎重な再開が日本にとって正しくかつ責任ある第一歩である。原発の再稼動は、温室効果ガスを2020年までに25%削減するという日本の国際公約5を実現する唯一の策であり、円高傾向の最中での燃料費高騰によって、エネルギーに依存している企業の国外流出を防ぐ懸命な方策でもある。福島の教訓をもとに、東京は安全な原子炉の設計や健全な規制を促進する上でリーダー的役割を果たすべきである。
(2)日本は、海賊対処、ペルシャ湾の船舶交通の保護、シーレーンの保護、さらにイランの核開発プログラムのような地域の平和への脅威に対する多国間での努力に、積極的かつ継続的に関与すべきである。
(3)環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加に加え、経済・エネルギー・安全保障包括的協定(CEESA)など、より野心的かつ包括的な(枠組み)交渉への参加も考慮すべきである。
(4)日本は、韓国との関係を複雑にしている「歴史問題」を直視すべきである。日本は長期的戦略見通しに基づき、韓国との繋がりについて考察し、不当な政治声明を出さないようにするべきである。また、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)や物品役務相互提供協定(ACSA)の締結に向けた協議を継続し、日米韓3か国の軍事的関与を継続すべきである。
(5)日本は、インド、オーストラリア、フィリピンや台湾等の民主主義のパートナーとともに、地域フォーラムへの関与を継続すべきである。
(6)新しい役割と任務に鑑み、日本は自国の防衛と、米国と共同で行う地域の防衛を含め、自身に課せられた責任に対する範囲を拡大すべきである。同盟には、より強固で、均等に配分された、相互運用性のある情報・監視・偵察(ISR)能力と活動が、日本の領域を超えて必要となる。平時(peacetime)、緊張(tension)、危機(crisis)、戦時(war)といった安全保障上の段階を通じて、米軍と自衛隊の全面的な協力を認めることは、日本の責任ある権限の一部である。
(7)イランがホルムズ海峡を封鎖する意図もしくは兆候を最初に言葉で示した際には、日本は単独で掃海艇を同海峡に派遣すべきである。また、日本は「航行の自由」を確立するため、米国との共同による南シナ海における監視活動にあたるべきである。
(8)日本は、日米2国間の、あるいは日本が保有する国家機密の保全にかかる、防衛省の法律に基づく能力の向上を図るべきである。
(9)国連平和維持活動(PKO)へのさらなる参加のため、日本は自国PKO要員が、文民の他、他国のPKO要員、さらに要すれば部隊を防護することができるよう、法的権限の範囲を拡大すべきである。
〜後略〜
いかがであろうか?
今、安倍政権が実行している内容そのまんまであることがお解りであろう。
「原子力政策推進」の継続、「TPP参加」は勿論、特に「集団的自衛権」の行使容認については事細かにこれを強く要求すると共に、日米2国間あるいは日本が保有する国家機密の保全にかかる法整備、即ち、「秘密保全法案」の成立についても明言されていることが読み取れるであろう。
早い話、「改革断行内閣」と称された小泉政権が「年次改革要望書」丸呑みであったのと同様に、安倍政権は「アーミテージ・ナイレポート」丸呑み内閣だということである。
そして、本日、秘密保全法に関連して、耳を疑うようなニュースが聞こえてきた。
それは以下の毎日新聞記事にあるように、”特定秘密”とされた秘密文書が一定期間を過ぎても公に開示されることなく、保存期間が過ぎればそのまま廃棄されるというトンでもない内容である。
あの”ならず者国家”アメリカでさえ、50年経つと国家機密も公文書が公開され、その内容を見ることができるというのに、安倍政権が成立させんとしている「特定秘密保護法案」では、”特定秘密”とした秘密文書を未来永劫開示せず、闇に葬るというのであるから、 トンでもない”暗黒法案”である。
毎日新聞の記者・西山太吉(当時)が沖縄返還を巡る密約を暴こうとして冤罪とされた「西山事件」については、山崎豊子の小説「運命の人」のモデルとなったことでも有名であるが、この事件にて、後に西山太吉の潔白が証明されたのは、密約を裏付ける公文書が米国にて発見されたためである。
今回、安倍政権が成立を目論む「特定秘密保護法案」は、「西山事件」にて密約文書をもみ消した外務省の”愚行”を合法化するものであり、そんな世の中になれば何が起きるかは自明であろう。
そう、完全無欠の「秘密警察国家」である。
「特定秘密保護法案」が成立すれば、例えばフクシマ原発の現状について詮索すること自体が「国防」の観点で”特定秘密”とされる恐れがあり、そうなればフクシマにて何が起きているかは何一つわからず、それを語ることすらできない世の中になるのである。
即ち、「防衛」「外交」「安全脅威活動の防止」「テロ活動防止」を名目に、国民に知られてはマズイ情報を恣意的に隠蔽することが可能となり、”情報統制”と”思想弾圧”が支配する「暗黒国家」(ディストピア)が現実のものとなるということである。
そうなれば、ネット上での自由な言論も当然に大きく制約され、弾圧を受けることであろう。
ひとたび、「有事」となれば、多くのサイトが検閲・閉鎖に追い込まれ、この道はいつか来た道、第2次大戦時下さながらの世の中が再現されることであろう。
(転載開始)
◆秘密保護法案 取り繕いでは済まされぬ
9月23日10時36分 西日本新聞朝刊
何とか体裁を取り繕おうとしているだけではないのか−。国の機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する「特定秘密保護法案」づくりを急ぐ安倍晋三政権の姿からは、そんな疑念を拭えない。
秋の臨時国会への提出を目指すが、国民には「知る権利」や「報道の自由」を侵害しないかとの懸念が根強くある。
与党の公明党が国民の権利を侵害しないことを条文で明確化するよう求めており、政府はこうした権利や自由を尊重する規定を明記する方針だという。
しかし、条文の書きようによっては、知る権利などの担保が危うくなる可能性は否定できない。規定追加などで済ませるのではなく、法案提出そのものを再考すべきである。
法案を担当する森雅子少子化担当相は「国民の知る権利や報道の自由をしっかり保護しながら、国民の理解をいただいて成立させたい」と、早期成立を目指す考えを示している。
とはいえ、国民的な議論をするための政府の取り組みは不十分ではないか。
法案の概要を示して国民の意見を募るパブリックコメントを政府は今月3日から17日まで15日間実施した。一般の意見公募は1カ月程度行うことが多い。重大な懸念がある法案にもかかわらず、短期間しか実施しなかったことに、識者から「明らかに恣意(しい)的だ」との批判が出たことは当然だろう。
短期間にもかかわらず、1万件を超える意見が寄せられたという。国民が法案の行方を注視していることの表れだ。
政府が法案に新たな規定を設けるとすれば、期間の長い意見公募をあらためて実施すべきだ。その結果をしっかり分析して、法案などに反映させることが政府の仕事ではないか。
もともと問題が多い法案である。
特定秘密の対象は「防衛」「外交」「安全脅威活動の防止」「テロ活動防止」の4分野だが、その範囲が曖昧であるうえ、政府にとって都合の悪いことを伏せる情報隠しにつながる懸念もある。
報道機関の正当な取材が法案の罰則対象となる「欺き」「脅迫」「教唆」などと強引に解釈され、取材活動が制限されないとも限らない。厳罰化によって特定秘密を扱う公務員が取材に萎縮し、情報を出さなくなる恐れもある。
安倍政権は、情報管理を厳格にすることで、米国などの情報機関とのやりとりをスムーズにしたいとしている。
確かに国家間の情報の中には機密性の高いものもある。ただ、新法で規制を強めるのではなく、可能な限り公開できるものは公開し、機密情報の管理を徹底する方が現実的ではないか。それならば、国家公務員法や自衛隊法など現行法令でも対応できるはずだ。
国民にとって必要な情報を得ることができてこそ、主権者の国民は政府の方針や決定の是非を判断できる。その手段や方法をむやみに制約してはならない。
◆<特定秘密保護法案>秘密文書残らぬ恐れ
9月23日(月)7時30分 毎日新聞
安全保障に関する情報漏えい防止を目的にする「特定秘密保護法案」で、保存期間が過ぎた秘密文書がそのまま廃棄される恐れがあることが分かった。
同法案を所管する内閣官房は、保存期間満了後の文書の取扱規定を盛り込まない方針で、「秘密にしたまま」担当省庁の判断で廃棄される可能性がある。
識者からは「国の秘密になるほど重要な情報は歴史に残し、後世の検証の対象にするのは当然」と批判が上がっている。
◇保存期間後、取扱規定盛らず
法案は、政府が10月召集の臨時国会に提出する方針。
漏えいすれば「国の安全保障に著しく支障を与える恐れのある」防衛、外交、テロ活動防止など4分野の情報を閣僚らが「特定秘密」に指定し、漏らした公務員らに最長懲役10年の罰則を科す内容だ。
通常の公文書は「公文書管理法」で保管のルールが定められている。
文書の廃棄は「首相の同意が必要」と規定され、省庁は勝手に廃棄できない。
内閣官房内閣情報調査室の能化(のうけ)正樹次長は、特定秘密の文書保存・廃棄について「情報が秘密指定中は公文書管理(のルール)に移行することはない」と説明。特定秘密情報が公文書管理法の適用を受けず、省庁の判断で廃棄できる可能性を示唆した。
公文書管理のあり方に詳しいNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「特定秘密の保存ルールを決めないと、どのような情報を秘密にしたのかなど行政判断の検証が将来的にできなくなる恐れがある」と指摘している。【臺宏士、青島顕】
◇解説…検証できず構造的欠陥
2011年4月に施行された公文書管理法は、主権者である国民が公文書を主体的に利用できるようにし、行政に対しては「将来の国民に説明する責務が全うされるようにする」のが目的だ。
1972年の沖縄返還を巡り日米政府が交わした密約文書は、米国は公文書館に保管していたが、日本政府は文書の存在も認めていない。
文書開示を求めた訴訟で東京高裁は11年、政府による文書廃棄の可能性を指摘した。返還当時、公文書管理法があれば省庁任せのずさんな管理を避けられたかもしれない。
特定秘密の一部を構成する「防衛秘密」は他分野に先立ち、01年の自衛隊法改正で秘密に指定された。防衛省の訓令では、秘密指定文書は保存期間が満了すると官房長や局長らの承認を経て廃棄される。
「秘密」の必要がなくなっても国民は目にすることはできない。
特定秘密制度は、公文書管理法が定めたような国民による歴史の岐路の法的な検証ができないという、構造的「欠陥」を抱えている。【臺宏士】
(転載終了)
「第3次アーミテージ・ナイレポート」を通してみる「特定秘密保護法案」〜安倍政権の目論むディストピア〜暗黒夜考
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/b0fb6e4999a4229eb3988f7e9a96fc41
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