http://www.asyura2.com/13/senkyo154/msg/170.html
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アマゾンは日本市場で大きな売上実績を誇りながら、販売主体としては消費税から“無縁”でいられる特異な事業者である。
今なお勘違いしている人もいるようだが、付加価値税である消費税制度は、“アマゾン商法”に対しては課税できない仕組みになっている。
ざっと言えば、個々の商品の仕入・販売について課される税ではなく、諸経費を含む営業実態を踏まえて課される税だからである。
「恒久的施設」(PE)の認定がどうのという以前に、日本の課税当局が米国にあるアマゾン本社に対する税務調査をしない限り、課税対象金額を算定することすらできない。
日本で1兆円の売上があるからといって、その5%の500億円を徴税するというわけにいかないのは当然だとしても、1兆円の売上とそれに応じた6千億円の仕入があることがわかるからといって、荒利の4千億円の5%である200億円をみなしで徴税するというわけにもいかないのである。
せいぜい、現状のように、日本にあるアマゾンの子会社の“請負”業務で生じる付加価値に課税するしかない。
消費税は、その名称から受ける印象とは違い、「営業利益+人件費」(但し減価償却費の扱いが異なる)に課される“法人税”である。
※ 二つ目の転載記事に、「出版業界9団体が連携して9月中に、海外から電子書籍を配信する事業者に対して、公平に消費税を課す要望書を政府の税制調査会に提出する」とあるが、小売売上税ではない付加価値税である消費税をアマゾン本社に適用することは“無理”なのである。
アマゾンが再販制度で販売価格が維持されている新刊書籍を販売しても、他の書籍販売事業者とのあいだで“価格競争”になることはない。(新刊書籍の廉価販売をすれば違法)
アマゾンにとっての書籍は、サービス面で他者との差別化を図ることで売上シェアを高め、利益の増大を実現する商品という位置付けになる。
書籍販売で得た荒利(付加価値)に消費税が課されないのだから、同じ仕入率であっても、その分他の事業者より儲けが大きくなる。
来年4月の消費税増税は延期になると考えているが、想定されているような10%や20%といった消費税税率になれば、同じ市場(日本)で、消費税が課される事業者と消費税と“無縁”の事業者が競争するという“不公正”度はとんでもないレベルになる。
新しくネット販売を始めるとされる医薬品は、今なお再販指定商品である新刊書籍と違い、97年に再販指定商品を解除されている。それゆえ、医薬品について、アマゾンは“価格競争”を仕掛けることもできる。
アマゾンは医薬品販売で得た荒利にも消費税が課されないから、消費税税率が高くなればなるほど、アマゾン的事業者に顧客が流れていくだろう。
アマゾンが本気で医薬品販売でシェアを高めようと考えるのなら、新刊書籍などで得た利益を医薬品の“価格競争”に投じることもできる。
消費税という“国家詐欺”の税制におさらばすることが、日本経済の再生を確実する道である。
[参照投稿]
「国税局と追徴課税でもめているアマゾン(Amazon.co.jp)は消費税の申告・納付をしているのか?」
http://www.asyura2.com/12/senkyo131/msg/745.html
「ネット配信、消費増税なら外国勢有利 各社、募る不公平感 「国外取引」も課税求める」
http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/165.html
「海外配信問題:国内広告主への消費税課税の意味と論理:課税≠税負担増加の消費税構造:広告主への“利益供与”の可能性」
http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/312.html
「海外配信問題:音楽&電子書籍配信で国外事業者に消費税課税の意味と論理:海外事業者の“利益増大”に資するだけの政策」
http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/318.html
「[朝日新聞社説]「消費増税―法律通り実施すべきだ」:“増税の停止も法律通り”なのだから、詐欺師もどきの社説」
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/415.html
「法人税と消費税は本質的に同じ税で違いは課税ベースと“転嫁の公認性”:詐欺性とは別として:付記でエテ公さんに」
http://www.asyura2.com/13/senkyo153/msg/579.html
「消費者態度指数3か月連続下落」「街角景気5か月連続で悪化」でも景気回復は順調と嘯き「自民税調 法律どおり消費増税大勢」
http://www.asyura2.com/13/senkyo153/msg/615.html
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アマゾン、10月にも薬ネット販売 4000品目を即日配送
2013/9/22 2:00
インターネット通販国内最大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)は10月にも一般用医薬品(大衆薬)の販売を始める。効き目が強い「第1類」を含め、少なくとも4000品目を超える薬を扱う見通し。即日配送などを生かし消費者に迅速に届ける。月に4800万人が利用する同社は各分野で価格競争を先導してきた。薬の価格が割安になれば、政府が成長戦略で解禁を表明した薬ネット販売が普及する契機になりそうだ。
アマゾンは厚労省が月内にも薬のネット販売の新ルール案をまとめるのを受け参入する。まず自社サイトに出店するテナント企業が扱うかたちで販売を開始。現在、厚労省の検討会で協議中の課題をクリアする準備が整い次第、書籍などと同様にアマゾンが直接販売する方式も始める。
ビタミン剤など既に扱っている「第3類」に加え、解熱鎮痛剤「バファリンA」など8000以上の種類があり需要も大きな「第2類」の販売を本格化。さらに効き目が強く副作用リスクの高い「第1類」も幅広く扱う。胃腸薬「ガスター10」などが代表商品だ。
アマゾンは同業他社を圧倒する品ぞろえで消費者の支持を集めてきた。大衆薬でも競合を上回る4000品目を超える薬をそろえるとみられる。売れ筋商品はほぼ全て扱う見通し。
5000万品目を扱うアマゾンは自社で抱える物流網が強み。日本では即日配送で8割弱、翌日配送では9割超の地域をカバーする。大衆薬の販売でも精度の高い物流網を生かして消費者の利便性を高める。
アマゾンの参入により、大衆薬は販売価格の低下が進む可能性が高い。参入当初からドラッグストアや一部のスーパーなどの店頭価格を下回る商品が数多く売り出される見通しだ。
アマゾンのサイト全体の取扱総額は年間1兆円を超えるとみられる。多くの企業が競い合い、商品比較が容易なため、価格競争は激しくなっている。家電をはじめ多くの商品でサイトの最低価格が実店舗の店頭価格を下回る。既に家電量販店などでは対抗値下げが広がっている。
政府は6月、成長戦略に薬のネット販売の全面解禁を盛り込んだ。これを受けて専業のケンコーコムに続き、ビックカメラやイオンなど異業種が参入。ヤフーもアスクルと共同で販売を始めた。アマゾンは品ぞろえに加え、集客力と物流網で消費者を囲い込む。
大衆薬の市場規模は小売りベースで約1兆円になる。民間企業の推計によるとネット販売は今後2000億円超まで拡大する見通し。
▼大衆薬のネット販売 厚生労働省は大衆薬のインターネット販売を省令で規制してきたが、ネット販売事業者が提訴。今年1月に最高裁が省令を無効とする判決を出した。これを受けて厚労省は月内にも新ルール案をまとめる。最低1つの実店舗における対面販売を義務付けるほか、購入者が説明を受けたことを確認できる書類の保存を求める方針。今後は鎮痛剤「ロキソニンS」など例外28品目について解禁の是非を詰める。
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電子書籍、アマゾン独走
シェア急上昇、国内勢の危機感強く 消費税非課税に不公平感
出版業界9団体が連携して9月中に、海外から電子書籍を配信する事業者に対して、公平に消費税を課す要望書を政府の税制調査会に提出する。海外にサーバーを置く企業が配信する電子書籍には消費税が課税されないことを問題視したものだ。念頭にあるのは国内市場で圧倒的な存在感を示しつつある米アマゾン・ドット・コムだ。
品ぞろえ急増
アマゾンに対する危機感は国内の出版業界で急速に高まっている。同社が国内で運営するネット書店「キンドルストア」の売上高シェアは4割に迫る。「アマゾンファースト」。国内出版業界では最近、こんな言葉が聞かれ始めた。電子書籍を出すなら、まずアマゾンに優先供給するという意味だ。
同社の電子書店「キンドルストア」の品ぞろえは急増中だ。昨年10月のサービス開始時点での電子書籍点数は5万点にすぎなかったが、9月初めは14万点超。凸版印刷系の「ブックライブ」が20万点超、楽天の「コボイーブックストア」が16万点超だから、急速に2社に追いつきつつある。
キンドルストアに電子書籍が集まる最大の理由は、圧倒的な販売力と利便性にある。同書店で電子書籍を売る場合、アマゾンの取り分は販売価格の35%前後といわれる。一般の電子書店よりも10%程度高く、その分出版社の取り分は目減りする。だが出版社はアマゾンを選ぶ。「同社のランキング上位に入るかどうかで、売り上げが2桁違う」(出版社幹部)からだ。
販売力の背景にはキンドルストアでの販売価格の安さもありそうだ。他の電子書店に比べてキンドルストアは値引きを伴うキャンペーンの頻度が高い。「消費税を払っていない分がその原資になっているのではないか」。アマゾンは認めていないが、国内勢はそう疑っている。
利便性でも他社に勝る。キンドルストアで買い物をする際の利用者情報(アカウント)は、紙の書籍や家電などを販売する電子商取引(EC)サイトのものと同じ。既にアマゾンのECサイトを使っている利用者は、登録し直すことなく電子書店でも買い物ができる。改めて利用者名やクレジットカード番号を登録する必要がある他の電子書店よりも、キンドルストアは有利な立場にある。
アマゾンが販売する電子書籍端末「キンドル」も有力な販売チャネルだ。12年時点の電子書籍端末市場でキンドルの占めるシェアは40%弱の約18万台。同端末さえあれば、簡単な操作でキンドルストアで電子書籍が購入できる。
新たな流通網も
国内の出版社も手をこまぬいているわけではない。アマゾンに対抗する「オールジャパン体制」の電子書籍流通網を模索している。鍵を握るのが、書籍の電子化を後押しする出版デジタル機構(東京・千代田)だ。講談社や集英社、大日本印刷などが出資して昨年4月に設立した。
同機構は7月、凸版印刷傘下で電子書籍取次のビットウェイ(東京・千代田)を買収した。同社は06年に電子書籍の取次事業を始めており、12万店超の取扱数を持つ。同機構はアマゾンに限らず、どの書店にも電子書籍を配信する方針。電子書籍の取扱量の増大は出版社にとっては即、電子書籍の販売先の拡大につながる。
「強すぎるアマゾンを放置すると、米国の二の舞いになるのでは」。日本の出版関係者にはこんな思いが通底する。アマゾンは昨年6月、米国の老舗出版社アバロン・ブックスを買収して出版部門を拡充。ミステリーや文学など10あまりの出版ブランドを抱えるなど膨張が止まらない。
一方で出版社を通さない新たな流通網をつくる動きも加速させている。著者が電子書籍を直接出版できるサービス「キンドル・ダイレクト・パブリッシング(KDP)」の印税は、紙の書籍が一般に10%程度なのに対して最低35%だ。米国ではKDPからミリオンセラーが登場。紙の執筆業1年分の収入を1カ月で稼げたとする著者もいる。日本でも昨年10月に開始した。
「アマゾンとガチンコでぶつかる」(大手出版社の幹部)。その日がいよいよ近づいている。
(玉置亮太、蓬田宏樹)
[日経新聞9月13日朝刊P.2]
- 電子書籍・音楽の関税ゼロ TPPで合意へ ネット産業を育成:雇用や設備投資に貢献せず、グローバル企業が儲ける政策 あっしら 2013/9/22 15:48:06
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