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2013/9/18 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
日本の大メディアが絶賛したIOC総会での最終プレゼンテーション。そのメッキがもうボロボロ、剥がれ落ちている。
安倍首相の「(汚染水)コントロール」発言は今後、国会で追及され、国際社会で監視されることになるが、滝川クリステルさんの「おもてなし」発言にも雑音が出ている。
「東京は皆さんをユニークにお迎えします。日本語で『おもてなし』と表現します。それは訪れる人を慈しみ、見返りを求めない深い意味があります」
と言って、両手を合わせたアレである。滝クリは帰国後、「海外の記者から『すばらしい日本人の精神だ』と評価された」ことを紹介、「日本人の(おもてなしの)心を認知してもらえればうれしい」と語っていたが、鼻白む。
「見返りを求めない慈しみ」とは対極にあるのが日本の五輪招致だからだ。経済効果ばかりが強調され、関連施設の建設費用はアッという間に膨れ上がり、それを増税のエクスキューズにするえげつなさ。
ま、日本人が「おもてなし」という言葉を使うときは、大概、下心がある。辞書にも「供応」の意味が書かれていて、つまり、純粋な「おもてなし」なんてないのだが、だからこそ、よけいに滝クリ発言が偽善に映る。爆笑問題の太田光なんて、「むかつくんだよ。日本にいるときはフランスが一番みたいなこと言ってさ。急に日本の心みたいなこと言い出してさ! おまえに言われたくないよ」と噛み付いていたが、要するに、お嬢ちゃんが気取ってんじゃねえぞ、ということだ。
◆ヘイトスピーチの日本人がおもてなし?
加えて、日本人はこれまで、日本を訪れる他民族にどれだけ「おもてなし」をしてきたのか。むしろ、一部民族を差別し、排斥してきたのではないか。それが今、さらにエスカレートしているのではないか。こんな疑問が浮かんでくる。
島国根性で排他的な日本人が、外国人に「おもてなし」とはちゃんちゃらおかしいのではないか。そう思ったので、新右翼の論客、一水会代表の木村三浩氏に聞いてみたら、こう言った。
「滝川さんのプレゼンテーションは、そうしたおもてなしの心を再構築して欲しいという意味でしょう。そう建設的に受け止めましたが、一部では、おもてなしとは裏腹に、ギスギスして、偏狭なナショナリズムが存在するのは事実です。これが『韓国、中国人を叩き出せ』という憎悪的な表現につながっている。
『和をもって貴しとなす』が日本の伝統ですが、自分のことしか考えない日本人が多くなったとは思います。みんな余裕がなくなったんですよ。だから、ミーイズムが蔓延し、他人のことを考えない。一部日本人は劣化したと思いますね。おもてなしを再生させなければいけません」
商業主義に走り、ヘイトスピーチが広がり、それに対して、社会も政治も何も言わない日本には、少なくとも、伝統的な意味での「おもてなしの心」はない。それが今年の流行語大賞候補? ヘソが茶を沸かすような話だ。
◆フランス人形のような顔立ちの裏に下心
日本の五輪招致を見ていると、さて、「おもてなし」には別の意味があったか、と“確認”したくなる。
「酒色で騙す」「とりつくろう」「悪いことを隠す」
そんな意味で使うのではないか。評論家の佐高信氏は「おもてなしではなく、おためごかしだ」と言った。つまり、人のためとみせかけて、自分の利益を図る。偽善の金儲けである。
「私は『おもてなし』と言って、両手を合わせた滝川さんを見て、赤頭巾ちゃんを思い出しました。優しい顔をしながら、食べてやろうという下心、つまり、儲けてやろうというスケベ心、民族の祭典と言って、民族や地域への差別を覆い隠そうとする魂胆、そして何よりも、安全と言って、どうにもならない原発の現状を取り繕おうとしたことがミエミエだったからです。本当に原発が安全ならば、福島でおもてなしをすればいい。おもてなしではなく、放射能のオモラシではないか。それでなくても、日本人には、自分たちが優れていると勘違いし、他民族を排斥する傾向がある。そういう民族はコスモポリタンではない。おもてなしに共鳴する気にはなれません」
なるほど、だとすれば、滝クリとは「いい人選」だったかもしれない。フランス人形のような顔立ちは、下心を隠すのにはうってつけだからだ。
佐高氏が言うように「おもてなし」という言葉の裏ではさまざまな「不都合」が隠蔽された。浅ましい五輪招致である。
◆イケシャーシゃーと大ボラ
加えて、安倍首相の「ウソ」が重なった。
「(福島第1原発の汚染水漏れという)状況はコントロールされている」「決して東京にダメージを与えることを許さない」「汚染水の影響は原発の港湾内の0・3平方キロメートル範囲内で、完全にブロックされている」「健康問題については今までも現在も将来も全く問題ない」とイケシャーシャーと言った大ボラだ。
汚染水対策は抜本策が見いだせず、次から次へと漏れが露呈するたびに、東電は場当たりで、アクロバティックな対応を続けている。それを「コントロールしている」とはよくゾ、言ったものである。
それで五輪招致が決まったのは結構なことだが、やがて、「偽善」や「下心」「ウソ」はバレる。その時、どれだけ日本は信用をなくすか。それだけは覚悟しておいた方がいい。
「安倍首相はIOC総会で、放射能は完全にブロックされていると言いました。首相の言葉、すなわち、国際公約になりましたが、ドイツのキール海洋研究所は汚染水問題が露呈する前から、セシウム137が太平洋に拡散する様子をシミュレーションして、公表しています。それによれば、2014〜2015年ごろには福島原発の放射能が米国西海岸に達する。当然、米国の環境団体は黙っちゃいないでしょう。大変な問題になります。そのとき、日本人はどうなるのか。首相のウソを容認し、五輪招致に喝采したことで、安倍首相と同じように批判を浴びることになるのです」(外務省国際情報局長だった孫崎享氏)
◆日本人も詐欺師なのかと疑われる
2015年といえば、さあ、準備も佳境というところだろう。東京中に施設建設の槌音が響いている頃だ。その時に国際社会は「騙したのか」ということになる。「おもてなし」はインチキで首相発言はウソだったのか、と追及される。自分たちの金儲けのために、原発情報を隠し、「おもてなし」という方便を使って、五輪を招致したことがバレてしまう。
ここをクリアしても2020年6月には4号機の核燃料棒の取り出しが始まるのだ。具体的な手段、手順は何も分かっていないから、おそらく、絵に描いた餅、先送りになる。そうなれば、ますます、安倍のウソが浮き彫りになる。日本人はペテン首相と同罪で、詐欺師なのかと勘繰られてしまう。
それでもいいのか。
五輪招致は無理に無理を重ねている。ウソの上にウソを重ねて、「不都合」を糊塗している。そんな五輪が成功するのか。日本は五輪を契機に再び、経済力を取り戻せるのか。イヤーな予感しかしない。
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