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集団的自衛権の行使―憲法の根幹にかかわる  朝日新聞 社説
http://www.asyura2.com/13/senkyo153/msg/850.html
投稿者 ダイナモ 日時 2013 年 9 月 17 日 20:43:10: mY9T/8MdR98ug
 

 日本の安全保障政策が岐路を迎えている。

 安倍政権が、集団的自衛権をめぐる憲法解釈の見直しに向けた議論を本格化させる。

 憲法9条のもと、自衛のための必要最小限の防衛力しか許されない。日本が直接攻撃されていないのに他国を守るのはこの一線を越えており、憲法に違反する――。

 歴代政権が一貫して示してきたこの解釈を変え、米軍などへの攻撃に対しても、自衛隊が反撃できるようにする。これが安倍首相の狙いである。

 戦後日本の基本方針の大転換であり、平和主義からの逸脱と言わざるをえない。

 憲法改正の厳格な手続きを省いたまま、一内閣による解釈の変更だけで、国の根幹を変えてはならない。

 首相の諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」がきょう議論を再開し、年内にも9条の解釈を改めるよう提言する。政権はそれを反映して新たな見解を出し、必要な法整備に着手する。

■9条が意味を失う

 実現すれば、自衛隊は「普通の軍隊」に限りなく近づく。法律で縛りをかけるとはいえ、政治の意思で活動範囲が際限なく広がり、海外での武力行使にもつながりかねない。

 平和主義は国民主権、基本的人権の尊重とともに、憲法の3大原則とされている。多くの日本人は、これを戦後日本の価値観として受け入れてきた。

 自衛隊は今日まで海外で一人の戦死者も出さず、他国民を殺すこともなかった。9条による制約があったからだ。

 それを変えれば、9条は歯止めとしての意味を失う。

 日米同盟の強化を進めた小泉元首相もここには踏み込まなかった。内閣法制局と調整し、(1)安易な解釈変更は憲法への信頼を失わせる(2)現状以上の解釈拡大は認められず、その場合は憲法改正を議論すべきだ――との立場を示していた。

 安倍政権は当初、憲法改正手続きを定めた96条改正をめざした。それが頓挫するや、今度は内閣法制局長官を交代させ、一部の有識者が議論を主導し、一片の政府見解で解釈改憲に踏み切ろうとしている。

 その根幹を政権が独断で変えることができるなら、規範としての憲法の信頼性は地におちる。権力に縛りをかける立憲主義の否定につながる。

 首相は何をしたいのか。しばしば引き合いに出すのが二つのケースだ。

 ▽公海で一緒に活動していた米軍の艦船が攻撃された時に自衛隊が反撃する

 ▽米国に向かうかもしれない弾道ミサイルが飛んできた時に自衛隊が撃ち落とす

■外交努力の継続こそ

 たしかに、中国の軍事力増強や、北朝鮮による核・ミサイル開発は日本に緊張を与え続けている。一方、かつての圧倒的パワーを失った米国内に、日本の役割増強を求める声があることも事実だろう。

 だが、一緒に活動中の米艦の防護は、自国を守る個別的自衛権の範囲で対応できるとの見方がある。ミサイル防衛の例にいたっては、いまの技術力では現実離れした想定だ。

 いずれも、憲法解釈を見直してでも対応するほどの緊急性があるとは思えない。

 9条には戦争と植民地支配の反省を込めた国際的な宣言の意味もある。安倍政権の歴史認識が問われるなか、性急に解釈変更を進めれば、近隣国との一層の関係悪化を招きかねない。

 そんなことは米国も望んでいまい。米国が何より重視するのは、中国を含む東アジアの安定だ。日本が中国との緊張をいたずらにあおるようなことをすれば、逆に日米同盟に亀裂を生む恐れすらある。

 安倍政権がまず取り組むべきは、中国や韓国との冷え込んだ関係を打開することである。

 そのために粘り強い外交努力を重ねる。同時に、現在の日米同盟の枠組みのもとで、連携強化を着実に進める。この両輪がかみあってこそ、地域の安定が図られる。

■安保政策が不安定に

 軍事力は必要だが、それだけでは現代の諸問題の解決にはならない。いま世界で広がる認識は、そういうことだろう。

 シリアへの軍事介入は、当面回避された。英国では、議会の反発で軍事介入の断念に追い込まれ、米国民の間にも、アフガニスタンやイラク戦争の教訓が染みこんでいる。

 安倍政権が軍事的な縛りを解こうとするのは方向が逆だ。

 国内外で理解が得られない安全保障政策はもろい。

 いま政権が解釈改憲に踏み切れば、全国で違憲訴訟が相次ぐ可能性がある。将来、政権交代があれば、再び解釈が変えられるかもしれない。

 日本の安全保障を、そんな不安定な状態に置くことは避けなければならない。


http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_gnavi  

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コメント
 
01. 2013年9月17日 22:08:21 : gX3Itleh4o
救いようがね〜な、この新聞社は。
もう遅いんだわ。
戦前のように大本営発表してろって。w

02. 2013年9月17日 22:45:25 : xxpM7jkFPI
『相も変わらず<バカメディア>は、どこまで行っても‘バカ'だね?』

‘集団的自衛権'っていう概念が生まれた‘原因と経緯'を考えなさい!ってことさ。
どこの国の憲法に‘集団的自衛権'が明文化されているんだい?
全ては「国連憲章マター」なんだよ。
それは‘冷戦構造時代'とピッタリ重なり合うし、右往左往している‘諸国間軍事同盟の綱引き'とも無縁ではない。
軍事大国(米・ソ)の暴走・独走・終末的な対決を相互に防ぐ、という意味では「国連憲章」と国連は一定の歯止めになっていることは事実である。
だから、国連の言う‘集団的自衛権'ってのは妥協の産物であり、不戦への知恵であり、<米英仏ソ>が何度も則を超えて破ってきたにも拘わらず、なんとか破裂せず持ちこたえてきている「戦争の大儀」の国際的な問題なのである。
従って、<パンパースちゃん>が日米安保条約に基づいて(法理論的には基づけないのだが…)米軍と一体行動をしたい!って思っても出来ないんだよ。もっと言えば、仮に「憲法九条を改正」しても米軍との一体行動は「国連」の合意がない限り出来ないんだよ?憲法学者を含めて、大半の連中が勘違いしてるのはここさ。
‘集団的自衛権'の言い出しっぺは「国連」なんだから、そこを説得或いは離脱しない限り、‘集団的自衛権'は行使できない!ってことさ。
解るかい?


03. 2013年9月18日 00:15:32 : g0TXcYqTTI
安倍政権の誕生に大きな役割を果たした朝日が何か書いているのか。

朝日の関係者。キミ達は精神分裂症かね。


04. 2013年9月18日 09:18:47 : dieLmElcFQ
>安倍政権の誕生に大きな役割を果たした朝日


これがすべて
いまさら何を?だね。


05. 小沢主義者 2013年9月18日 10:04:39 : 7wZirE2El0uhY : FUviF2HWlS
>>04さん

まあ、朝日系列は小沢一郎が率いる細川政権の誕生にも大きな役割を果たしたからね。

朝日系列の新自由主義信仰は変わらない。

朝日系列の煽り体質は、戦前から直らないね。
戦前の軍国主義から戦後は左翼思想へ、そして冷戦後は一貫して新自由主義を煽っている。

読売は政権に癒着して政界を牛耳ろうとするが、朝日は読者・視聴者を先導して世の中を変えようとする。

一見すると、朝日の方が正しい立場のように見えるけれども、読者・視聴者も朝日の煽動に対する耐性を持たなければ、政権に癒着して政界を牛耳じる読売と、さして結末は大して変わらない。


06. 2013年9月18日 15:19:49 : XsUFwopnCo
朝日の記者は最近の菅官房長官の記者会見で何とかして法人税減税を容認させようとするような意図の質問を繰り返していた。これは格差拡大を推奨するとともに安倍首相を引きずり降ろして小泉・竹中政治の復活ひいては将来進次郎を首相に据えたいというような意図があるのではないかと思う。この社説も少なくとも日本人としての心から発したものではないことは確かだ。

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