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主権者国民の4分の3が来年度消費税増税に反対 (植草一秀の『知られざる真実』) 
http://www.asyura2.com/13/senkyo153/msg/839.html
投稿者 笑坊 日時 2013 年 9 月 17 日 13:16:50: EaaOcpw/cGfrA
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-891c.html
2013年9月17日

本日9月17日午後1時半より、参議院議員会館において、消費税増税に反対する緊急アピールの記者会見を行う。

会見はIWJチャンネル4にて生中継される予定である。

http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4

記者会見の概要についてのプレスリリース文書は以下の通り。


報道関係者各位

社会保障の充実なき消費税増税に反対する緊急アピール発表の記者会見のご案内

さる9月9日に公表された2013年4〜6月期のGDP(国内総生産)速報(2次速報値)において、年率換算での実質GDP成長率が1次速報値と比べ上方修正されたことから、安倍内閣は10月早々にも消費税増税を予定通り実行するのではないかとの見通しが強まっています。

私たちは、今回の消費税増税には反対であることを明らかにするとともに、国民の皆様にそうした判断を行った根拠を提示してご理解を得たいと考え、標題のような国民各位に向けた緊急アピールを発表する記者会見を下記の要領で開かせていただくことにしました。

ご多用のところとは存じますが、ぜひとも、この記者会見にご出席のうえ取材をいただきますよう、ご案内をいたします。

-------------------------------------------------------------

記者会見の概要


日時  2013年9月17日(火)13時30分〜

会場  参議院議員会館 B109会議室(地下1階)

出席者(五十音順)
植草一秀(政治経済学者)
斎藤貴男(ジャーナリスト)
醍醐 聰(東京大学名誉教授)
鶴田廣巳(関西大学教授/日本租税理論学会理事長)

議事進行

まず、4名の代表より、国民の皆様への緊急アピール「社会保障の充実なき消費税増税に反対する」の趣旨をご説明し、その後、4名が順次、今回の緊急アピールに関する補足的見解を述べさせていただきます。

その後、ご出席いただいた報道関係各位と質疑をさせていただきます。


私もこの記者会見に同席させていただく。

私が消費税増税実施に反対する理由は以下の五つである。

1.消費税増税の前にやるべきことがある

2.増税の理由とされている持続可能な社会保障制度確立の道筋がまったく示されていない

3.日本財政が危機的状況にあるとの財務省の説明が虚偽である

4.財政構造改革の手順が間違っている

5.消費税制度に根源的かつ致命的欠陥が存在する


1.2.4はひとつにまとめることもできる。

私は財政構造改革に反対するものではない。

日本財政は根本から改革するべきである。

しかし、ひと口に「改革」と言っても、その内容は千差万別だ。

「改善」もあれば「改悪」もある。

いま安倍政権が進めようとしている「改革」は、「改悪」と言わざるを得ない。

財政構造改革の方向と手順が完全に間違っているのだ。


日本財政が直面する最大の試練は、日本の人口構成が急速に高齢化することにある。

費用を負担する現役世代が減少して、給付を受ける高齢世代が激増する。

ところが、この状況に対応する十分な財源がない。

菅政権、野田政権、安倍政権は、この現状に対して、基本的に同じ方向、同じ手順で対応する姿勢を示してきた。

同じ方向とは、社会保障支出を切りこむと同時に、一般大衆の税負担を激増させることだ。

消費税を大増税し、社会保障給付を切り込んでゆく。

年金の支給開始年齢を引き上げる。

医療費の窓口負担を引き上げる。

生活保護の給付を削減する。

障害者に対する給付を削減する。

介護保険受給者の本人負担を引き上げる。

公的医療保険でカバーできる医療行為を狭める。

この方向の政策が積極的に推進されている。

その一方で、官僚利権、政治家利権をもたらす政府支出は削減どころか大幅増額されている。

これが、財政政策対応の方向と手順の誤りである。


5の構造的欠陥は致命的である。

零細事業者は消費税増税を価格に転嫁できない場合、消費者が負担するはずの消費税を、事業者自身が負担することになる。

これほどおかしな現実はない。

政治的発言力の低い人々かも知れないが、だからと言って、このような理不尽を強制することは絶対に許されない。

多く国民は日本財政が危機的なのだと洗脳されている。

洗脳に用いられている数字が政府債務1000兆円だ。

しかし、国民のほとんど誰も、政府資産が1000兆円ある事実を知らされていない。これはひとつのエビデンスだが、日本財政は危機からかけ離れた場所に位置している。

消費税増税を凍結して、財政構造改革論議を徹底的に実行するべきである。

 

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コメント
 
01. 2013年9月17日 15:58:31 : hDZLLAO6i2

高すぎる公務員の給料が消費増税の原因

http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/451.html#c1



02. 2013年9月17日 16:23:31 : kDIdF3IVfA
世界的にも高すぎる公務員の給料、ボーナス、そして退職金。
そこにまずメスを入れて民間企業並みにする。

次に官僚の天下り(渡りもそうだけど)の全面禁止。
特別会計の抜本的改革を行えば増税なんか必要なし。


03. 2013年9月17日 17:05:08 : kdRSUHlqPs
>1,2

なんか意図的な公務員叩き。アメリカ・経団連にお金が使われているのを隠蔽したいようだ。消費税が3%から5%に引き上げられたとき、社会保障や地方に使われると言う話だったが、実際には法人税の減税に使われたり、アメリカ国債の購入費用にあてられた。


04. 2013年9月17日 18:04:49 : ndbAjb87pc
法人税と消費税の違い

@給与に課税するかしないか
A輸出業者に還付するかしないか
の違いだ

@
法人税は給与まで含めた経費を引いた残りに課税される。
消費税は、売り上げから給与や金利などを引けない。給与を払ってトントンの企業でもその給与分の消費税がとられる。だから実質消費税は、給与課税と言える。

A
輸出業者は全く消費税を負担していないので、もし法人税自体がなくなれば、全く税金を負担しないことになる。
税金とは、国が整備した道路や人材や安全を、儲けるために使った対価である。
それを全く負担しないというのは不公平極まりないし持続不可能である。


05. 2013年9月17日 18:36:26 : NSYzbd4MAs
・“社会保障の充実なき消費税増税に反対する緊急アピール記者会見〚IWJアーカイブ〛
http://www.ustream.tv/recorded/38878219

06. 2013年9月17日 18:42:25 : HDwovAiKsc
>>03さん

 正しいご指摘と判断します。


07. 2013年9月17日 18:57:57 : YxpFguEt7k
IWJの中継、拝見いたしました。

今年度行った13兆円の補正予算分が来年度はないとすると、9兆円の負担増と合わせて22兆円のデフレ効果(検討中の5兆円の補正予算では全く足りない)。
「財政の崖」:GDP比3%のブレーキを踏むと経済がこわれる。
日本で財政の崖問題が生じてしまう…

上記の件、植草氏以外はどなたも指摘されていないそうですが心配ですね。やはり消費税増税は先送りして、まずは天下り根絶から始めましょう。
そして特別会計の闇も解明しましょう。

植草氏、がんばってください。応援しております。


08. 2013年9月17日 20:17:59 : g0TXcYqTTI
03 06 さん

感情的に公務員を叩くのはいけないと思うが日本の公務員の給与は先進国の中でもズバ抜けて高いのは事実。

EU諸国でもアメリカでも公務員の給与は、一般の勤労者の平均とほとんど変わらない。日本円換算の年収で3百万円から4百万円台。

日本は、この2倍程度はあるだろう。加えて退職金も年金もよい。


09. 2013年9月17日 20:44:27 : DyuDUI25VI
>kdRSUHlqPs

話を逸らそうとするんじゃない。
そもそも公務員叩きではなく公務員の高給叩きだろうが。
意図的にミスリードしてるだろ。 
墓゛もんが。

公務員の高給維持のための消費大増税は御免だよ。



10. 2013年9月17日 21:11:48 : EppdwTIO9Y
官僚の利権貪りは許せないことだが、一般公務員の給与は別に高すぎるとは思わない。
一般公務員の労組が一番この国の課題を真剣に捉えて、行動している。
既得権益者たちは、それを恐れて公務員たたきの世論を意図的につかりだしている。
公務員の労組が存在しなくなると、この国はもう完全におしまいだ。

11. 2013年9月17日 21:32:10 : DyuDUI25VI
>>01さん表示のリンク先の10を見れば一般公務員の給料が如何に高いかが分かる。


12. 2013年9月18日 07:29:59 : dieLmElcFQ
どこかで消費税というのは

物を買ったら払う罰金と出ていたが

そうでも思うしかないか


13. 小沢指示 2013年9月18日 08:49:34 : Nhd0w3/RA3idA : 8BsqWYfzDA
公務員の給料が高過ぎるかどうか、基準にするものによって変わってくるので、簡単には決め付けられないと私は考えています。
例えば、@東大出どうしで、一人は東京海上に入り、40歳で年収2000万円の人と、方や経産省に入って、40歳で年収1100万円の人と比べたらどうなるのか。 A高卒どうしで、一人はヤマダ電機に入り、32歳で年収300万円の人と、気象庁に入り、32歳で年収380万円の人とを比べたらどうなるのか。
公務員(税金から給料を貰う人)の給料はGDPの何%と決めて年齢に応じて払うようにすればいいと私は考えています。公務員と言っても・・事務次官と、現業の末端公務員では意味が違うわけだから、本筋を隠すための公務員パッシングにだまされてはならないと考えています。

植草さん応援しています。


14. 2013年9月18日 10:19:07 : XsUFwopnCo
〖本投稿の続き〗

財務省路線排除なければ
安倍首相は「消費税と共に去りぬ」

私は消費税増税に反対だが、現状で、消費税増税を凍結できる
可能性は高いものではない。

最大の障害は、増税を推進する自公勢力が、直近3回の国政選挙で、
国会多数議席を占有したことである。

この国政選挙で、消費税問題を徹底論議するべきだった。

2010年の参院選は、民主党の菅直人氏が突然、消費税率10%を
選挙公約に掲げて実施された。

自公は2009年から消費税増税を掲げていた。

2010年参院選では菅直人民主党が大惨敗した。

主権者が菅直人消費税増税提案にレッドカードを突き付けたのだ。

自公が議席を増やしたが、主権者が消費税増税に賛意を示したわけ
ではない。

主権者が示した意思は、消費税増税反対というものだった。

2012年12月の総選挙で、安倍自民党が勝利した。

しかし、これも最大の要因は、消費税増税を国会で勝手に決めた
野田佳彦民主党への激烈な批判が安倍自民を勝たせたものである。

国民が消費税増税に賛同して安倍自民党が勝利したわけではない。

2013年7月参院選で安倍自民党が勝利したが、これも、主権者が
消費税増税に賛同した結果として生じたものではない。

主権者との約束を踏みにじったペテン政党民主が批判され、
その裏返しとして自公が議席を増大させたに過ぎない。

選挙の際に消費税増税の是非など論じられなかった。

マスメディアが、財務省の指導の下で、消費税増税を争点にさせない
情報操作を展開したのである。

2012年8月に野田佳彦政権は主権者との契約を踏みにじって
消費税増税法を国会で成立させた。

国会は主権者の意思を踏みにじって消費税増税の方針を決めたのである。

その是非は、その直後の国政選挙で問われねばならなかった。

NHKなどは、消費税増税の是非をめぐって、徹底的な討論機会を設定する
べきであったが、一切、そのような対応を示さなかった。

財務省が消費税増税はすでに決着済みのこととして報道することを
NHKに要請していたのだと思われる。

御用放送局NHKは、当然のように、偏向放送に徹したのである。

各種世論調査を見ても、主権者国民の圧倒的多数が、予定通りに消費税
増税を実施することに反対の見解を表明している。

つまり、消費税大増税の方針は、主権者国民の支持を得ていないもの
なのである。

しかし、形式的には、消費税増税を推進した自公両党が、直近3回の
国政選挙を通じて、衆参両院での過半数確保に成功した。

このプロセスだけを踏まえれば、消費税増税の方針が主権者国民の投票
行動によって是認されたとの説明は成り立ち得るのである。

現段階で消費税増税の方針を覆すことが難しいのは、この現実が存在
するからである。

選挙の内容を検討するならば、消費税増税の正統性は薄いが、それでも
消費税増税の正統性が存在しないとは言えない状況が生じているので
ある。

この点を踏まえて、仮に消費税率の8%への引上げが2014年4月に
実施される場合を想定しておくことも必要になっている。

この場合、何よりも重要なことは、増税によって日本経済を不況に舞い
戻らせないことである。

97年度に橋本政権は財務省路線にそのまま乗って、日本経済を撃墜
してしまった。

橋本元首相はのちに、財務省路線に乗って政策を運営したことを、
完全なる政策失敗であったことを正式に認めたが、主犯の財務省が、
いまだに責任を認めず、自己正当化の強弁を続けている。

日本の「がん」は、端的に言って財務省である。

もうひとつの「がん」が、警察・検察・裁判所であり、この二つの
「がん」によって、日本は暗黒社会にされてしまっている。

2000〜2003年度にかけても、森・小泉政権が財務省路線に
乗って、日本経済を撃墜した。

この過ちを三たび繰り返すことは許されない。

2014年度、政府は9兆円の負担増を実行する。

さらに、2013年度は、2012年度末に策定された13兆円補正
の支出追加があるから、これを加味すると、22兆円の史上空前の
デフレ予算になる。

したがって、少なくとも、20兆円規模の真水の投入が必要不可欠
である。

そのうち、9兆円は、消費税増税の負担増を相殺する施策に充てる
べきである。

中低所得者層を対象に所得税減税、増税見舞金支給を実施するべきだ。

庶民に大増税を強いておいて、法人税減税を行うなど、言語道断で
ある。

そして、2015年10月の消費税率10%はいったん白紙に戻す。

2年連続の消費税大増税が日本経済を破壊する確率は100%だと
断言してもよい。

2014年度の20兆円景気対策実施と、税率10%への引き上げ凍結が、
日本経済を破壊しない最低限の条件になる。

安倍氏は財務省に対する警戒感をある程度保持しているようであるが、
まだまだ甘い。

その甘さを完全に払しょくしなければ、安倍政権は必ず
「消費税とともに去りぬ」となるだろう。

http://blogs.yahoo.co.jp/hellotomhanks/64171747.html


15. 2013年9月18日 11:35:47 : EppdwTIO9Y
既得権益勢力にとって一番目障りでこわい存在が、公務員労組の自治労や日教組・高教組なのである。
過去の歴史を見れば一目瞭然であるが、既得権益勢力は自治労・日教組・高教組潰しにいつも躍起である。マスメディアも既得権益勢力である立場である以上、広報担当として、自治労・日教組・高教組叩きのキャンペーンを悉く展開してきた。特に公教育の教育現場での弾圧は熾烈なものがあったと思う。既得権益勢力はなにを意図してこのような行動に出ているのか、我々一般国民はその構造を的確にとらえることが、肝である。「公務員は優遇されすぎ」というフレーズは、一般国民の心に共感を呼ぶ言葉であると思う。しかし既得権益勢力は、常に己に毅然として対抗してくる勢力を一般国民から分断させて、連帯させないように抜け目なく行動しているのである。「公務員は優遇されすぎ」と言うフレーズは分断させるのにもってこいのフレーズである。まあ、そういう構造を我々一般国民がしっかりと見抜き既得権益勢力のやりたい放題にさせないことである。現実は力関係である。自治労・日教組・高教組が以前のように力強くないと、既得権益勢力との力関係におけるバランスが崩れて、ひどい社会になるのは必至であるというか今はそうなっているのである。労働者の使い捨て、格差社会などの現象が現れたのもそのことを如実に物語っている。
まあ、既得権益勢力が一番懸念していることは、自治労・日教組・高教組と一般国民が連帯して、共闘しだすことである。そのことは、忘れないっようにしたいものだ。

16. 2013年9月19日 00:21:32 : XsUFwopnCo
2013/09/17 「消費税は、弱者のわずかな富を強者に移転する税制」 ――有識者が「社会保障の充実なき増税」に待ったをかけるべく決起

 9月9日に公表された2013年4〜6月期のGDP(国内総生産)速報において、成長率が上方修正されたことから、安倍内閣は10月上旬にも「消費税引き上げを決定するのではないか」との報道が新聞各紙の紙面を踊った。大手メディアは早くも「増税後」の議論をはじめている。

 しかし消費税増税について、本当に国民的議論を経たと言えるのだろうか。

 9月18日、植草一秀氏(政治経済学者)、斎藤貴男氏(ジャーナリスト)、醍醐聰(東大名誉教授)、鶴田廣己氏(関西大学教授)の4人の財政の専門家が、政府の拙速な増税への動きに対し、異議を申し立てる緊急アピールを発表。昼過ぎから参議院議員会館で記者会見を行った。


□消費税増税を煽ってきた主要メディアは会見を「黙殺」

 この日取材に訪れた報道関係者は、東京新聞、読売新聞など約10名のみ。また、明けて9月18日現在、この緊急アピールに関する報道は一切行われていない。NHKや民放テレビはもとより、大手新聞が一斉に「黙殺」した格好となり、この消費税増税の問題の根深さが改めて浮き彫りとなっている。(IWJ・佐々木隼也、久保元直樹)
 

※掲載期間終了後は、会員限定記事となります。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/101912

□鶴田氏「消費税増税はデフレ不況を深刻化させる可能性が高い」

 会見で鶴田氏は、消費税増税について、「被災者・零細業者・中低所得者への配慮がない増税である」と批判し、「年収300万円の世帯で年間12.1万円増(2016年)、年収500万円の世帯で年間16.8万円増(同)になる」との、大手シンクタンクによる試算を紹介した。また、経済界が描く「企業業績回復⇒投資拡大⇒雇用所属増加⇒消費拡大」というシナリオや、「雇用維持型から労働移動支援型への政策転換」「民間人材ビジネスの活用」「限定正社員制度設置」など、雇用・労働規制の一層の緩和について、「労働や所得の不安定化を招く結果になる」と指摘した。

 そして、「消費税増税はデフレ不況を深刻化させる可能性が高い」と指摘し、「物価の継続的下落⇒企業売上収益減少⇒企業行動の慎重化・設備雇用調整⇒雇用・賃金下落、非正規雇用増⇒需要減⇒物価下落」という「泥沼スパイラル」に陥るとして警鐘を鳴らした。

□植草氏「行き過ぎた『弱肉強食』構造になっている」

 植草氏は、自身が消費税増税に反対する理由として

(1)消費税増税の前にやるべきことがある。「シロアリ退治」も済んでいない
(2)持続可能な社会保障制度確立の道筋が全く示されていない。社会保障支出の削減だけが先行決定している
(3)日本財政が危機的状況(借金1000兆円)との財務省の説明は、同等の資産があることを明らかにしていないという点で、増税を煽るための虚偽の説明である
(4)財政構造改革の手順が間違い。政府支出無駄を削り、社会保障制度を強化すべきである
(5)消費税制度には、根源的かつ致命的欠陥が存在する。消費税増税分を価格転嫁できない零細事業者は、消費者が負担するはずの消費税相当分を被ることになる―

という5つの点を指摘した。さらに、「消費税による税収は当初の水準から3倍になっているのに、今回の政策は、これをさらに2倍するもの。一方、法人税は3分の1にしたのに、さらに半分にしようとするもの」と指摘し、「行き過ぎた『弱肉強食』構造になっている」と批判した。

□斎藤氏「消費税は、弱者のわずかな富を強者に移転する税制である」

 斎藤氏は、「消費税」という名称について、「ネーミング自体がミスリード。多くの人々は『最終消費財にのみ課税される』とか『最終消費者のみが払う』と思い込んでいる。しかし、実際には、すべての流通・サービス段階に掛かってくる」と述べた上で、「消費税の問題の本質は、『弱いほうへ負担を押し付ける仕組み』だということ。所得税は利益に応じて掛かる仕組みだが、消費税は利益や儲けに関係なく、売上に応じて掛かるので、赤字でも取られてしまう」と指摘した。

 さらに、製造業などの輸出事業者が適用を受けている「輸出還付金制度」について、「消費税相当分を下請けに転嫁して下請けを泣かせていれば、大手事業者は、払ってもいない消費税相当分を『不労所得』として儲けている可能性がある」と指摘した。その上で、「消費税は、弱者のわずかな富を強者に移転する税制である」と述べたほか、「弱い者が、市場原理によって負けて退場していくのでさえなく、不利な税制が加わり、弱い者に対してさらに負担を強いていくのが消費税税制である」と厳しく批判した。

 また、消費税増税によって零細事業者の自殺が増加する可能性についても言及し、「未来にツケを残すなという主張もあるが、今の世代の中でも不公平がはっきりと存在する。このままでは未来の世代にすら繋がらない」と憂慮の念を示した。

□醍醐氏「社会保障は充実ではなく悪化している」

 醍醐氏は、「社会保障の充実なき消費税増税に反対」する理由として、消費税が導入された1989年以降、年金支給開始が60歳から65歳に引き上げられたり、医療保険の窓口負担が1割から3割に引き上げられたりした点を列挙し、「社会保障は充実ではなく悪化している」と批判した。その上で、「消費税の『宿罪』は、税負担の逆進性や、税転嫁の逆進性、不確定性にある」と指摘した。

□メディアの報道姿勢
――新聞協会が軽減税率を求めていることについて、IWJが質問

 質疑応答では、IWJからの「大手メディアは増税論を張ってきたのに、一方で軽減税率に新聞を入れるべきだと言っているが、どう思うか」の問いに対し、植草氏は「争点を隠して得た政権は、国民の信託を受けていない。『ねじれを解消する』とか『アベノミクスの争点を問う選挙だ』などと言って、主要争点を脇にそらしたメディアの責任は極めて重い」と指摘した。

 斎藤氏は、「軽減税率適用の陳情によって、汚職や天下りがはびこる」との懸念を示した上で、「メディアは、天下りや汚職の温床になる恐れが他業界より深刻である。新聞の論調が権力の対応によって左右される懸念もある」と指摘した。醍醐氏は、「消費税率が上がって困るのは他業界も同じ。消費税率が上がる弊害をきちんと伝えてこなかったメディアとしての責任を棚に上げ、『新聞は知識を提供するのだから軽減税率を適用してほしい』というのは、明らかにおかしい」と厳しく批判した。

◇質疑応答概略

記者「今回のアピールの内容を今後どのように広めていくのか」

醍醐氏「消費税増税の流れが決まってしまったかのように言われているが、正式な発表までにまだまだ曲折があるだろう。世論調査でも、『予定通り(消費税増税を)やるべき』というのは2割程度しかなく、世論とギャップがある。4月とされる増税施行までに何が起こるかわからない。例えば、(福島第一原発の)汚染水問題の動向によって、政権基盤に影響を与える可能性もある」

植草氏「主権者(国民)が望む政策と、政府の実際の政策とが、かけ離れてきている。原発・TPP・消費税・沖縄など様々な問題の取り組みについて、政策フォーラムなどを通じて大同団結ができないものかと考えている」

斎藤氏「やれることは何でもやる。これが、ジャーナリストを名乗る者の責務である。消費税増税をめぐる論調は嘘だらけである。なぜ、消費税率の時だけスウェーデンの『25%』を持ち出すのか。馬鹿げている。国全体が福祉国家を目指すというのなら筋は通るが、我が国はそうではない。自営業者に対する論調にも問題がある。例えば(税補足率を評した)「クロヨン(9・6・4)論」は、確定申告している自営業者はみんな脱税しているかのような大嘘のキャンペーンである。よく『グローバルスタンダード化』と言われるが、サラリーマン税制のほうが余程グローバルスタンダードではない」

醍醐氏「二重課税の問題をどうクリアするかという課題は残るものの、消費税増税への代案として、『内部留保税』の創設を提言したい。資本金1億円以上の企業に対して1%課税するもので、内部留保217兆円(2012年9月期)に対し、税収2.2兆円を確保可能となる」

IWJ佐々木「大手メディアは増税論を張ってきたのに、一方で軽減税率に新聞を入れるべきだと言っているが、どう思うか」

植草氏「争点を隠して得た政権は、国民の信託を受けていない。『ねじれを解消する』とか『アベノミクスの争点を問う選挙だ』などと言って、主要争点をわきにそらしたメディアの責任は極めて重い。権力に対する批評精神をもった中日新聞、東京新聞、北海道新聞、IWJなどのメディアを国民が育てていくべきである」

斎藤氏「軽減税率の運用は非常に難しい。『うちの商品は生活必需品だから』などと陳情ラッシュになり、汚職や天下りがはびこる。活字離れが進んでいる中、メディアが新聞代や雑誌代の値上がりを恐れるのは当然だが、天下りや汚職の温床になる恐れは、他業界より深刻である。新聞の論調が権力の対応によって左右される懸念もある」

醍醐氏「消費税率が上がって困るのは他業界も同じ。消費税率が上がる弊害をきちんと伝えてこなかったメディアとしての責任を棚に上げ、新聞は知識を提供するのだから軽減税率を適用してほしいというのは、明らかにおかしい」

(IWJテキストスタッフ・久保元直樹)

□会見名 社会保障の充実なき消費税増税に反対する緊急アピール発表の記者会見
□会見者 植草一秀氏(政治経済学者)、斎藤貴男氏(ジャーナリスト)、醍醐聰氏(東京大学名誉教授)、鶴田廣巳氏(関西大学教授/日本租税理論学会理事長)


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