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#検察なう (330) 「PC遠隔操作事件容疑者片山氏にはアリバイがあった!検察の悪質な証拠隠し」
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9/16/2013 new!! #検察なう (330)
(強制捜査から1735日)
PC遠隔操作事件では、これまでの検察自らの言葉が、明らかに検察は確たる証拠もなしに容疑者である片山祐輔氏を起訴していることを示しています。
「予断を排除して証拠を見てもらえば、容疑者が犯人であることは明らかである」
裏を返せば、「(無実かもしれないという)予断を排除しなければ、証拠を見ても、容疑者が犯人であることは明らかではない」ということです。これは、片山祐輔氏がもしかしたら無実かもしれないという疑念を持ちさえすれば、彼が犯人ではない合理的な疑いが入るということを意味しています。検察自ら、片山氏が犯人であるという決め付けの下に捜査を行い、世の中の人にも彼が無実かもしれないということは考えてほしくないと言っているものです。
「もし容疑者が遠隔操作されているというのであれば、弁護側はその証拠を提出して立証せよ」
間接的な情況証拠のみで立証する場合には、容疑者以外の者が犯人だとすれば矛盾が生じることを検察は立証しなくてはならないという最高裁判例があります。つまり蓋然性では論証足り得ず、いかに容疑者が犯人らしいとしても、決定的な証拠がない場合には、そのほかの者が犯人である可能性を排除する必要があるということです。無罪の立証責任を弁護側に押し付けることは、明らかに検察が「片山氏が遠隔操作されていない」という立証ができないことを意味しています。
先日、弁護側の証拠開示請求に基づいて、検察によりいくつかの新たな証拠が開示されました。その中には片山氏が犯人であるとするには、合理的な疑いを生じさせるいくつかの重要なものが含まれていました。
記者会見の中から、重要だと思われるものをピックアップします。
まず、会社同僚のパソコンから、遠隔操作マルウェア(「iesys.exeアイシス・エグゼ」というトロイの木馬)が発見されていたという事実です。弁護団の佐藤弁護士の説明をご覧下さい(2分13秒動画)。
「同僚のPCからも遠隔操作プログラムを発見」
現時点で、検察は片山氏が単独犯であったという積極的な主張はしていませんが、片山氏の長期勾留に伴う接見禁止の理由は、片山氏が単独犯であるということを前提にしています。「家族の面会を許すと、その家族にID/パスワードを教えて、犯人を装って掲示板に投稿できるから」ということは共犯者がいればそもそも成り立つ論理ではないからです(しかし、この理由も、報道関係者がパスワードを過去の犯行予告メールにあったものと同じだと推測して掲示板にアクセスしたという時点で全く意味を失っています。それにも関わらず接見禁止が解けていないということは重要な問題です)。
会社同僚のパソコンに、過去の4人の誤認逮捕された人たちのパソコンと同様に、遠隔操作マルウェアが発見されたことは、そのパソコンも犯人のコントロール下にあったことを強く疑わせるものです。そして片山氏だけ全く同じ証拠が犯人性の根拠とされていることは論理的な矛盾があります。会社同僚が共犯であれば、その可能性も残りますが、そうした論理が取れないことは先に述べた通りです。
更に重要な証拠は、片山氏にアリバイがあったとする証拠です。これはこれまで報道されることのなかった「2ch事件」というものです。この「2ch事件」とは、2012年10月9日の犯行声明メールの中に言及されたもので、2012年8月9日に犯人が2chに書き込みをしたことを指しています。弁護団の佐藤弁護士の説明をご覧下さい(3分33秒動画)。
「2ch事件 片山容疑者のアリバイ」
犯人は他人のパソコンにマルウェアを送信する際には、発信元を特定させないよう「トーア」(注)と呼ばれる匿名ソフトを使っていました。
しかし、2chの書き込みはトーアを使ってはできないため、犯人が行った2chへの書き込みは、2012年8月9日の13:09から16:29の間、千葉県稲毛市のあるパソコンからであったことが特定されています。この日は平日で、片山氏は南青山の会社のオフィスに勤務していたことが確認されており、アリバイが成立します。
また江の島のアイドル猫「グレー」を写真撮影したのは、片山氏所有であったスマートフォン(富士通アロウズX F05D)を用いてとされていますが、ソニーの最新型1310万画素センサー搭載のこの機種で撮影された画像としては、太陽光の下でありながら写真がぶれているのはおかしいと弁護側は主張しています。弁護団の佐藤弁護士の説明をご覧下さい(2分16秒動画)。
「アロウズX F05Dの画像解析」
ここで非常に重要な問題は、検察が彼らに不利な証拠をこれまで隠してきたことです。弁護側が証拠の開示請求を行わなければ、それらの証拠は公開されることはなかったものです。検察のこうした悪質な証拠隠しが、これまで数多くの冤罪を作ってきたことは説明を要しないかと思います。弁護側が検察収集の証拠を公表すれば「証拠の目的外使用」だとがたがた言い、自分に不利な証拠は隠蔽するという状況は、彼らが公益の代表者であるという自覚の欠如を物語っています。これが国民の期待する正義にもとることは100万人に聞いても100万人がイエスと言うと思います。検察組織の中に、有罪至上主義という大きな病巣が巣食っています。
片山氏は今年2月10日に逮捕され、既に7ヵ月以上が経過しています。その長期勾留では接見も禁止され、弁護士以外には家族も会えない状況が続いています。注意して頂きたいのは、誤認逮捕が全て悪いわけではないということです。捜査権力も過ちを犯します。誤認逮捕そのものが悪いわけではなく、それに続く自白強要を狙う人質司法が悪いものです。
今月、トルコで日本人女子学生が殺害されるという痛ましい事件が起こりました。そこでも誤認逮捕がありましたが、トルコ捜査当局は自らの過ちを正すべく、逮捕翌日には容疑者を釈放しています。
「トルコ女子大生殺傷事件で別の男逮捕 作業員は釈放 拙速捜査で誤認逮捕」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130913/crm13091321470017-n1.htm
なぜトルコの捜査権力にできることが、日本の捜査権力はできないのでしょうか。「引く勇気」、これこそが日本の捜査権力に求められている資質だと思います。
そしてそれを捜査権力に声を上げて求めるのが、報道機関の役目だと思います。PC遠隔操作事件弁護団の記者会見には、メディア各社が勢ぞろいしていたにも関わらず、この報道をしたのはスポーツ紙一紙(『スポーツ報知』)だけという、非常にお寒い現状です。片山氏逮捕の際には、猫カフェで盗撮までしながら報道したメディアが、弁護団の記者会見で新たな証拠が見つかり、現在深刻な人権侵害が起きているにも関わらず、それを黙殺するというのは、事件を作り上げている捜査当局と全く同罪です。事件の成行きを注視し、我々のメディア・リテラシーを高める試金石とすべき事件であることは間違いないと思います。
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