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2013年9月15日
福島の放射能問題は制御されていない。
英語で表現すれば、”under control”の状態にはない。
ところが、安倍晋三氏は、“¥”under control”の状態にあると宣言した。
目的のためには手段を選ばぬ行為である。
「日曜討論」では、この問題についてのやりとりがあった。
みんなの党の浅尾慶一郎氏は、東電の財務基盤が脆弱であるために、放射能問題への対処がおろそかになっていると指摘した。
福島第一原発で爆発した4基の原子炉は廃炉の方針が決まっている。
しかし、2基については、いまも稼働資産として財務処理されている。
福島第二原発の4基の原子炉も同様だ。
福島原発の原子炉を再稼働させる可能性はゼロである。
廃炉の財務処理をしなければならない。
しかし、財務上、残り4基の原子炉を廃炉とすると、直ちに東電は債務超過に陥る。
そのために、6基の原子炉がいまなお稼働資産として取扱いされている。
これを本末転倒という。
自民党の高村正彦副総裁は、民主党政権時代に、政府が前面に出て対応を取らなかったことを批判し、安倍政権になって、政府が前面に立って対応策を取ることになったと述べた。
自民党政治の自画自賛だが、政府が前面に出るなら、その前にやるべきことがある。
原賠法の規定では、原発事故の損害賠償責任は事業者が負うこととされている。
汚染水対策も事業者である東電の責務である。
政府が前面に出るのなら、東電の法的責任を明らかにすることが先決である。
繰り返し述べるが、東電の経営者責任、株主責任、債権者責任はいまなお問われていない。
この状態のまま、損害賠償や汚染水対策で政府が前面に出るということは、問題の費用負担を、責任ある当事者に求めぬまま、国民の血税に依存するということを意味する。
高村副総裁が民主党の対応を批判して、自民党の対応を自画自賛するなら、まずは、東電に対する適正な責任追及を優先するのでなければ、筋違いもはなはだしい。
原子炉を廃炉にするだけで東電は債務超過に陥るが、原発事故の損害賠償債務を含めれば、それ以前に、巨大な債務超過に陥ることは明白である。
国民に血税で負担させる前に、東電の経営者責任、株主責任、債権者責任を問うのが先であろう。
NHK討論番組に出演した野党代表者がこの点を指摘しないことは不当である。
福島の問題を解決する第一歩は、東電をまずは法的整理し、国の責任で放射能対策、損害賠償を完全に実行することである。
こんな、当たり前のこともせずに、福島は完全に”under control”発言するのは、無責任もはなはだしい。
財政政策の役割は三つある。
第一は、政府の役割を果たすこと。
第二は、所得再分配を行うこと。
第三は、経済の均衡を確保すること。
「経済の均衡を確保する」こととは、単純化して言えば、「完全雇用を確保し、維持すること」である。
第一の「政府の役割を果たす」とは、政府がやるべきことをやり、やるべきでないことをしない、ことだ。
官僚の利権を増やすことなどは「やるべきでないこと」である一方、「すべての国民の生活を安定させること」などは「やるべきこと」ということになる。
第二の、「所得再分配」とは、力のある人に多くを負担してもらい、力のない人の生活を支えることだ。
結果におけるある程度の平等を重視するべきであるとの国民の同意によってこの政策が肯定される。
消費税増税の問題を考える際には、上記の財政政策の三つの役割を明確に考察することが不可欠だ。
ところが、いま安倍政権が進めようとしている消費税増税提案においては、この三つが、ひとつも正しく判断されていない。
第一の点について言えば、やるべきことをやる方向が示されぬ一方で、やるべきでないことをやる方向が示されている。
本末転倒である。
第二の点について言えば、消費税増税で低所得者の生活を破壊する一方で、大幅減税の恩恵を受け続けてきた大企業や高額所得者の負担がさらに軽減される。
所得の少ない人から所得を奪い、これを富裕層にばらまくという政策が強行されようとしている。
第三の点について言えば、いまは何よりも日本経済を上昇させ、しっかりと安定飛行体制=巡航体制に移行させることが大事な局面であるのに、景気回復を腰折れさせかねない施策が検討されている。
十分な検討、論議がないままに、財務省主導で巨大増税が遂行されれば、日本経済は三たび墜落してしまうことになる。
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