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2013年09月14日(土)歳川 隆雄
「2020年夏季オリンピック東京開催」を掌中にして、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから9月9日夕、政府専用機で帰国した"凱旋将軍"安倍晋三首相が最初に会食したのは、読売新聞グループ本社の渡邉恒雄会長兼主筆だった---。
帰国翌日の10日夜、東京・丸の内のパレスホテル東京の日本料理店「和田倉」であった。
筆者の知る限りで言えば、渡邉氏は当夜も持論の「2015年10月に消費税率を10%に引き上げる」を繰り返し説いたものの、安倍首相はただ聞き置くに留まったという。
安倍首相は渡邉氏に言質を与えなかったのだ。
■来年4月に消費税率が8%になることは間違いない
その翌日の『読売新聞』(12日付朝刊)は一面トップに「消費税 来年4月8%―首相、意向を固める―経済対策に5兆円」の大見出しを掲げ、安倍首相が、10月1日に日本銀行が発表する9月の企業短期経済観測調査(日銀短観)を受けて、既定通り13年4月に現行税率5%を8%に引き上げる方向で調整していると報じた。
同日の『朝日新聞』と『毎日新聞』は夕刊でそれぞれ「経済対策5兆円超―消費増税2%分」「消費税 来年4月8%―安倍首相『環境整う』判断―経済対策5兆円規模検討」と、『読売』報道をフォローしたので、安倍首相が消費増税を同日の記者会見で発表するのは100%間違いない。
14年4月の消費増税見送りという渡邉=読売の主張が退けられたのだ。
8月26日から31日までの6日間、首相官邸で有識者60人からの消費増税の是非を巡るヒアリングが開かれた。その5日目に日本新聞協会会長の白石興二郎読売新聞グループ本社社長が、日本新聞協会の統一見解ではないと断った上で「読売は来春の増税を見送り、15年10月に10%にすべきだ」と発言した。
同紙は31日付朝刊の社説で「消費税率『来春の3%』は見送るべきだ―デフレからの脱却を最優先に」と、前日の白石社長発言に倣った。
本コラムで繰り返し言及してきたように、安倍首相は「6年前の安倍首相」とは別人格である。第1次政権を放り出した後、どん底にあって筆舌しがたい経験を経て総理・総裁に復権したのだ。その間、あらゆる政策に通暁すべく先達の書籍を読み、各界の人と会い、健康回復に努めた。
■もはや「自民1強」ではなく「安倍1強」だ
と同時に、怜悧冷淡な政治手法も学んでいる。その象徴が、有名な「反省ノート」である。そこには、「人事は冷酷に」と書かれているというのだ。
だからこそ、故大野伴睦元副総裁から中曽根康弘元首相まで55年体制化の自民党有力者と気脈を通じた1926年5月生まれのマスコミ界のドン、渡邉恒雄氏の言い分を聞き置くだけの「余裕」を持ち得たのではないか。
参院選直後、『朝日』は自民党圧勝後の政局見通しについて連載記事に「自民1強時代」のアイキャッチを付け、また『日本経済新聞』も8月のハコモノに同じく「自民1強」とした。だが、今や「安倍1強(時代)」と呼ぶべきだろう。
では、本題の消費増税に目を向けよう。先ず、5兆円規模の経済対策=13年度第2次補正予算である。若干手前味噌になるが、筆者は『夕刊フジ』の連載コラム(8月13日号)に、野村證券金融経済研究所の海津政信シニア・リサーチ・フェローの話を基にこう書いた。
「消費税率引き上げを既定通り実施、かつ景気腰折れを防ぐための税制財政措置が必要となる。具体的には13年度補正で2〜4兆円の公共投資追加を実施する。
その財源として、12年度の余剰金1・3兆円と13年度当初予算で8・7兆円と見積もる法人税の上振れを充当する。トヨタ自動車などの好決算から法人税増は、4兆円規模期待できる。つまり、国債増発に頼らずに5兆円規模の大型補正予算が組めるということだ」
■日本経済再生には法人税減税が不可欠
まさにこの通りとなった。
そして次の肝は、法人税減税=法人実効税率の引き下げである。他の主要国に比べて日本の法人実行税率(約38%)は圧倒的に高く、安倍政権が実効性のある成長戦略を打ち出すには法人税減税は絶対に必要である。
国民に増税を求め、企業には減税するなど以ての外との批判があるが、日本経済再生には今秋の成長戦略第2弾に法人税減税を盛り込むことが不可欠である。
仮に実施されれば、外国の長期機関投資家は「日本買い」に動き、年末の日経平均株価1万8000円にリアリティが出て来る。
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