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2013年09月11日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「2020年夏東京五輪決定」(9月8日)が、日本の株式市場に「長期大相場」現出の大目標を国民すべてに与えている。日経平均株価は、バブル経済ピーク時の「3万8915円」(1989年12月29日)を目指していく。2012年秋から10年間続く「大不況サイクル期」に入っているだけに、前途は必ずしも楽観できないけれど、日本民族が「国家総動員態勢」を組み、「大エネルギー」を注いでいくならば、「大不況」を吹き飛ばすことは、不可能ではない。
「景気押し上げ」には、次の「5つの基礎的条件」が揃う必要がある。
@強いリーダーシップを発揮する首相の登場。
A政財官学界から実力者が集まり、景気押し上げの「仕掛人チーム」(5人〜10人)を編成すること。
B日本の進むべき将来像を描いたビジョンを掲げること。
C新しい国家建設のための資金を確保すること。
D官民一体となり国家総動員態勢で景気浮揚に力を結集すること。
◆このなかで最も重要なのが、@の強いリーダーシップを発揮する首相の登場である。
戦後からこれまで日本は、吉田茂、池田勇人、中曽根康弘という3人の「強力な首相」を誕生させた。この3人だけが景気を押し上げることができた。
安倍晋三首相は、2度目の首相就任で、「アベノミクス」政策を掲げて、「デフレ脱却」から景気浮揚という「結果」を出そうとして強力なリーダーシップを発揮しようとしている。
1964年10月10日の東京オリンピックは、安倍晋三首相の祖父・岸信介首相が在任中の1959年5月26日に西ドイツのミュンヘンにて開催されたIOC総会において欧米の3都市を破り開催地に東京が選出されて決まった。しかし、岸信介首相は1960年の安保闘争で安保反対派により国会を包囲されて、退陣に追い込まれた。
「ポスト岸」には、池田勇人首相が就任したが、1964年9月9日、国立がんセンターへ喉頭癌の治療のため入院。東京オリンピック閉会式の翌日の10月25日に退陣を表明し、11月9日に後継総裁として佐藤栄作を指名した。1965年7月29日、東京大学医学部附属病院で8月13日、術後肺炎により死去した。65歳だった。
安倍晋三首相が、「長期大相場」現出の火付け役として長期政権を築けるか、短命に終わるかは、2016年7月の「衆参同日(ダブル)選挙」で勝利できるか否かにかかっている。だが、それは、吉田茂、池田勇人、中曽根康弘という3人のように「強力な首相」として指導力を発揮できるかどうかにある。
Aの「仕掛人チーム」編成である。安倍晋三内閣の支持率は当初の70%台から現在は、59%に下がっているものの、一応高支持率を維持しており、自民党は取り敢えず、安倍晋三首相(総裁)の下でよくまとまっている。
財界も経団連の米倉弘昌会長をはじめ多くの経営者が、安倍晋三政権に対して大いに期待し、支持している。
中央省庁の高級官僚や積極財政派の学者たちも政権を強力にバックアップしている。安倍晋三政権の政策部門に積極金融・財政論者が参加して、「アベノミクス」政策を支えてもいる。
◆Bの日本の進むべき将来像を描いたビジョンはどうであろうか?
安倍晋三首相は、施政方針演説で現代版「富国強兵策」を掲げて「強い日本」を取り戻そうとしている。米国のオバマ大統領の強い要請を受けて、「自由貿易立国」としての立場から「TPP」の交渉に参加して、日米同盟強化に全面的協力して行こうとしている。
だが、「アベノミクス」政策の1本目は、日本銀行の黒田東彦総裁が「異次元の大胆な金融緩和政策」を進めており、2本目の財政出動は、「2020年東京五輪」決定によって、建設不動産への積極投資が勢いづき始めている。ただし、3本目の矢である成長戦略が未だ固まっていないので、国民、企業を力強く誘導して行くための旗印が定まっていない。
Cの新しい社会建設のための金は、実はタップリある。要は、これをどう有効に使うかである。「国際運用資金」の活用も期待できる。
Dの官民一致、国家総動員態勢については、「2020年東京五輪」が、日本民族にとって大目標となり、「夢と希望」を抱かせつつある。マスメディアの大半は、早くも「お祭り騒ぎ」である。問題は、国民・企業の多くが、これからいかに投資意欲、消費意欲は高めていくかだ。
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