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2013年09月09日
イスタンブールは残念だったが、時期が悪かったのだろう、再度の挑戦に期待したい。レスリングがオリンピック種目から消される危機だったが、かろうじて生き残ったのも歴史と伝統から考えても、妥当だろう。他にこの種目は何なンだ?と思うものが数多くある中で、第一回のアテネ・オリンピックの数少ない種目の一つであったレスリングを消そうと云うのは、あまりにも無謀な試みだ。見ていて判りやすいとか、スポンサーがつき易いとか、ビジネス化し過ぎたり、政治力が影響するような種目の選択基準はかなり問題なのだろう。
オリンピックのビジネス化といえば、安倍晋三は20年東京オリンピックを日本経済の起爆剤にしたい、と平気で政治利用すると宣言している。まぁ、2020年まで安倍晋三が首相である筈もなく、自民党だって、再び野党になっているやもしれないわけだ(笑)。五輪招致による経済効果に期待し、消費増税しても景気の腰が折れる、折れないの議論があるが、なにせ7年後のことである。今から、オリンピックの準備に精を出されたら、それでなくても遅れに遅れている、東日本大震災の復旧復興が更に遅れる憂き目にあうだろう。毎日が安倍会見を以下のようにまとめている。
≪ 20年東京五輪:首相、経済成長の起爆剤に
【ブエノスアイレス松尾良】安倍晋三首相は7日夜(日本時間8日朝)、ブエノスアイレスのホテルで記者会見し、2020年夏季五輪の東京開催が決 まったことに関し「15年続いたデフレ、縮み志向の経済を五輪開催決定を起爆剤として払拭(ふっしょく)したい」と経済成長につなげる考えを示した。ただ、来年4月の消費税率引き上げの是非は「経済情勢を見極め、この秋に判断する方針に変わりはない」と述べるにとどめた。
首相は東京五輪決定を受け、「東日本大震災からの復興を成し遂げた日本の姿を世界中に力強く発信する」と強調。五輪開催は「インフラ整備、観光など幅広い分野で良い影響を与える。大きな目標に進むことが、今までの縮み志向を変えることになる」と経済面での効果を指摘した。
海外で懸念が出ている東京電力福島第1原発の汚染水問題では「健康への問題は全くない。抜本改革に向けたプログラムをすでに決定し、着手している」と改めて説明。日本のエネルギー政策について「原子力比率は引き下げる。今後3年程度の間に再生可能エネル ギーの普及、省エネルギー推進を最大限加速させる」とし、国内原発の再稼働は「世界で最も厳しい安全基準で判断する」と述べた。
主要20カ国・地域(G20)首脳会議で行った中国の習近平国家主席との立ち話については「私から習主席に説明した通り、戦略的互恵関係の原点に立ち戻り、日中関係を発展させていくべきだ。中国にも同様の姿勢を期待したい。対話のドアは常にオープンだ」と述べ、正式な首脳会談の実現を呼びかけた。またG20で行った韓国の朴槿恵大統領との立ち話にも言及し、「意思疎通を積み重ね、大局的観点から協力関係を構築したい」とした。≫(毎日新聞)
奇妙なことだが、今の日本は公共工事の花盛りで、角栄の日本列島改造論が日本中を掘り返した時代に逆戻りするように、土木建設関係の大プロジェクト?が次々と展開されることになる。未曾有の東日本大震災の復旧復興、福島原発事故、国土強靭化計画、そしてトドメが東京オリンピックなのだ。ゼネコンは笑いが止まらない事態に、笑いを堪えるのに精一杯なのに違いない。原油市場はシリア情勢で上値を追う展開。アベノミクスの円安政策は最悪のタイミングで発動されている。石油や輸入材の調達費用はかさむ一方である。しかし、断っても断っても、大規模工事が数珠つなぎなのだから、請負金額も強き一点張りだ。
こうなると、予算を執行しようとしても、入札不調が現在以上に酷くなり、特に復興税関連で、災害の復旧復興を待ち望む被災者の地で、槌音が聞かれない事態も想像できる。手のつけようがなくなるような、公共事業費の補てんは必定になる。その為には、補正予算を組みしかなくなる。財務省の首を縦に振らせる為にも、消費増税は避けて通れないに違いない。しかし、気の毒ではあるが、復興に掛かる費用や原発事故対応に掛かる費用は、前向きな出費ではないのだから、経済の成長に寄与するのは、一時的なことで、表現は悪いがバブルである。
つまり、グロバルな経済に進撃するにせよ、内向きな国家を指向するにしても、後ろ向きの財政出動であり、増税なのだ。それにオリンピック特需が重なるわけだが、その多くがコンクリート的インフラ財が残ることになる。少子高齢化の中で、このインフラは何を孫子に残すのだろう。考えただけでも、国民が確実に減少している時代に、起きるべき事象とは思えない。今気がついたが、リニア新幹線とか、ILC(国際リニアコライダー)何てものが追加された比には、国破れて山河あり等と流暢なことも言っていられない。
今日の見出しにしておいた、福島原発の汚染水漏れ対策は、そもそも放射能を地球上に撒き散らかさない約束をしたのと同義で、何も汚染水だけが人体に影響を及ぼすわけではない。今さら、安倍晋三が「僕が保証したのは、汚染水対策だけの話で、他の放射能漏れによる危険は保証していない」とは、もう言えない。まぁ嘘の上に嘘を重ね、バタバタと死人が出ても、あれは、正体不明のウィルスが蔓延した所為だ等と嘘をつくのかもしれない。
いずれにせよ、日本国家の総理大臣が世界に向けて、原発の放射能の封じ込めは、拙者が保証すると言ったのと同義なので、この責任は重い。IOC委員も国際原発マフィアの圧力に屈したのかもしれないが、公開の席上で生中継で語った、原発放射能への対策を万全だと見得を切ったも同然で、一般の世界のピープルは、そこまで保証するのだから、日本・東京は安全なのだと思い込むであろう。東電のスケジュールで行くと、今年の11月から、あの4号機の使用済み核燃料の取り出し作業が始まるらしい。あのクレーンがUFOキャッチに失敗した時は、あぁ想像もしたくない。しかし、世界は日本の首相が保証したじゃないか!と受け取るだろう。
“いやいや、あれは汚染水の件だけです”は通用しない。まぁ悪意にばかり捉われるのも良くないだろうから、敢えて安倍晋三にエールを送るとすれば、原発に関する放射能問題のすべてを監視し、自らの言葉の重みを確実なものにして見せる事である。経済の再生等と云うものは、世界や国家の趨勢で決定される面も多く、政治に出来る範囲は限られている。その点に気づくのは、極めて近い将来だ。せめて、日本国民の為に、放射能汚染をこれ以上拡大しない努力を惜しまない事である。そうすれば、少なくとも民主党の菅や野田よりも、優れた首相だったと言われるだろう(笑)。
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