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2013年09月06日
G20に出席したオバマ米大統領はシリア空爆への賛同国家のリクルートに必死である。化学兵器を非難する前に、原爆の使用に言及しない限り、オバマの主張が正当化されることはないだろう。それでも、力の均衡で支持する国は出てくるだろうし、日本のような金魚の糞国家もある。ただ、無視し続けてきた安倍晋三とも会談をすると云うことは、一国でも多くシリア空爆を支持されている状況をオバマが希求している事を意味する。
その主なる目的は、上院外交委員会で議決された時点で、G20出席のためサンクトペテルブルクに乗り込んだわけだが、上院本会議の議決も、その後の、下院の外交委員会、下院本会議の議決と云う残り三つのハードルを乗り越えるのは、まだまだ厳しい状況であることが徐々に判ってきた。筆者も米国の主たるメディアの論調に乗せられて、オバマの粘り勝ちと読んでいたが、まだまだ上下両院の議決に至るまでには、厳しさも残されており、G20で支持国を一国でも多く米国内に見せつける必要があるようだ。
さて話を本題のオリンピック招致と「東京安全神話」の話をしよう。
≪ 五輪招致、汚染水漏れで東京守勢 会見で「安心」空回り
【ブエノスアイレス=阿久津篤史、中村真理、平井隆介】東京、マドリード、イスタンブール(トルコ)が争う2020年夏季五輪の開催地は7日(日本時間8日未明)、ブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会(IOC)総会で、IOC委員約100人の投票で決まる。東京電力福島第一原発の汚染水漏れ事故が、焦点になっている。
5日朝、東京招致委の記者会見に日本を代表する新旧の選手たちが並んだ。事故についての最初の質問は元レスリング選手の馳浩衆院議員が答えたが、その後、司会者が「関連の質問がある人は後ほど広報担当者まで来て下さい」と質問を封じる作戦に出た。
24時間前、東京が現地で初めて開いた会見では海外記者から事故への質問が相次ぎ、竹田恒和理事長が「福島と東京は250キロ離れている」などと説明に追われた。東京の最大の売りは「安心・安全」。事故が、その主張を根底から揺るがしかねない流れだ。
質問の口火を切った、IOC委員の多くが読む五輪専門サイト「インサイド・ザ・ゲームズ」の英国人記者ダンカン・マッケイ氏は「東京の答えはいつも同じ。(福島との距離)250キロというのはないに等しい距離。委員を説得できるとは思えない」と語った。
台湾の呉経国IOC委員は「五輪があるのは7年後」と理解を示しつつも、「国のトップが積極的に説明する必要はある」と指摘する。招致関係者も「竹田さんがいくら言っても、IOC委員に信用されない」。手を打ちあぐねる。≫(朝日新聞)
おそらく、竹田恒和理事長などは、日本や東電の原発事故処理の手際を国内マスメディアのレベルでしか認識していないのだろう。そうでなければ、もっと論理的説明を用意する筈だが、福島から250キロ以上離れているから大丈夫だ。日本人の距離感からいけば、それなりに離れているが、大陸の人々の距離感からいけば、隣町ということになる。島国の哀しき常識が晒された。だいたい、竹田は放射能の話には触れず会見を始めたが、外国記者連中の質問は、放射能汚染水漏れに集中した。日本人は、逃げようがないので放射能に鈍感でいようと云う心理が働くが、海外で、その諦めにより得た達観を披露することは喜劇であり、悲劇だ。
竹田は「東京の食品、水、空気は安全で全く問題ない。政府が責任を持って解決する」、「放射線量はパリ、ロンドンなどと同じレベルだ」と山下俊一レベル以上の放言を平気で語っている。東京さえ安全安心なら、福島はどうなろうと知った事ではない、と言っているようなものだ。そう言えば、山下俊一と云う男の原発ムラへの貢献度が高く評価され、国内外での名誉ある受賞が続いているそうだ。挙句に、そろそろ放射能の影響が人体に及ぼすであろう時期が近づいたと推し量ったように、福島医大副学長職を辞し、長崎大学の副学長に復帰しているそうだ。如何に、世界の、日本の原発マフィアの力は限りなく強力なようだ。
ところで、日本政府が責任を持って放射能汚染水漏れ等々、放射能関連のすべての前面に立つのかと思いきや、汚染水漏れに限定的なようである。たかだか470億円出す程度で、原発事故が収束する筈もない。政府が前面に出たからといって、放射能が怖れをなして、消えてくれるわけでもないだろう。誰が責任を持つから大丈夫とか、そういう類の話に矮小化しようとしている。しかし、読売や産経の記者相手にブリーフィングしているわけではない。時と所をわきまえ、より周到な屁理屈を準備しておくべきだろう。
そう言えば安倍晋三も竹田と同じようなことを言っていた。「世界中が注視している。政府一丸となって取り組みたい」、「汚染水、7年後の2020年には全く問題はない」と汚染水問題の処理に積極的姿勢を強調した。勿論、前提はオリンピック招致活動への配慮が主だろう。安倍が政府一丸となれば、放射能や低きに流れる水の習性を変えられる、或いは性質を歪めてみせる、と云う類の話は眉唾なのはたしかだ。世界中の知見が集合しても難しい、権力者が徒党を組んでも阻止できない。正直、なるようにしかならなくなっているのが、福島の原発事故である。間違っても、世界の人々に、“東京は安全だ、安心だ”と言っても、何らの担保も持たない世迷言を公式記者会見で言っているに等しい。
まぁ心ある世界中の人々から笑われようと、顰蹙を買おうと、オリンピックの招致さえ決まればそれでイイと云うことのようだが、招致に成功したとして、棘の道は連続するだろう。放射能問題が汚染水漏れに留まる保証は誰にもできない。1年後の福島原発現場がどうなっているか、誰が保証するというのか。廃炉までの工程表を書けば、スケジュールが決定する筈もない。安倍や菅が、力んで強弁すればするほど、東京の安全、安心への疑念は増すのではないだろう。竹田の、IOC委員への手紙は、裏目に出てしまったようである。
東電は、日毎夜毎、次から次と都合の悪い問題を、日替わりで出している。タンクからの汚染水が、当たり前のことだが、地下水に混入している事を認めた。かなりの量が海に流れ込んでいるのだろう。今後も、海外メディアの放射能追求の手は緩まないだろう。東京に決定した後からの方が、一層東京は危険だと云う論調が拍車をかけそうだ。怖がる国家が出て、参加見送りもあるだろう。時には、参加を見合わせる選手が出てくる寂しいオリンピックになりかねない。
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