http://www.asyura2.com/13/senkyo153/msg/484.html
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G20首脳会合出席のため、サンクトペテルブルクに降り立った安倍首相(AP)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130906/plt1309060744000-n1.htm
2013.09.06
★(4)
安倍晋三政権は消費税増税の判断を9月から10月上旬に先送りした。消費税増税については、政治家や「有識者」より、むしろ一般国民が「正しい判断」をしている。
共同通信が8月24、25日に実施した世論調査によると、来年4月に消費税を8%に引き上げる方針に、予定通りに実施すべきとの回答は22・5%に過ぎなかった。現行の5%維持を求める回答が29・1%、引き上げ時期の先送りが22・7%、引き上げ幅の縮小が22%と、国民の7割超が「予定通り4月に8%に引き上げる」形の増税に異を唱えているのである。
実際問題として、消費税増税は「デフレ促進策」であり、政府のデフレ脱却最優先という方針と矛盾する。さらに、国民的な人気も低い。安倍政権が消費税を予定通り上げると発表すると、インフレ期待ならぬ「デフレ期待」が進み、円高と株価下落は避けられない。
さらに、内閣支持率も間違いなく下がる。第2次安倍政権を支えた「高い内閣支持率」「日経平均上昇」という2つの柱が、ポキリと折れる事態を迎えるわけだ。
ここで「不確定要素」として登場するのが、7日夕(日本時間8日早朝)、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれるIOC(国際オリンピック委員会)総会で決まる2020年五輪開催地だ。
東京に決定した場合は、どうなるか。東京五輪を開催するとなると、当然ながらわが国の政府の支出は、公共投資を中心に増えていく。公共投資拡大は、デフレ脱却策の1つだ。さらに、五輪が東京で開催されることを受け、国民の気持ちは高揚し、支持率上昇にもある程度の影響を与えることになる。
安倍政権は「東京五輪」が決定し、さらに補正予算などで公共投資という需要を拡大することで、消費税増税の悪影響を「国民経済的」にも「支持率的」にも緩和することが不可能ではないのである。
もちろん、デフレ脱却を考えたとき、最も「理想的」な展開は、五輪開催地が東京に決定し、消費税増税が先送りされることだ。デフレ促進策である増税が回避され、東京五輪に向けたインフラ整備が始まれば、わが国のデフレ脱却は間違いなく早まる。
そして、最悪のケースは五輪開催地が東京以外の都市に決まり、揚げ句の果てに、消費税増税が決定されてしまう事態だ。両者の間のケース、すなわち東京五輪と消費税増税がともに決定された場合は、安倍政権は「支持率」と「株価」において、綱渡りを始めることになる。
いずれにせよ、2013年9月と10月は、日本の運命が定まる決定的な分岐点なのだ。(経済評論家・三橋貴明)
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