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2013年09月06日 Electronic Journal
自民党政権になってから、検察改革の話がまったく出てこなく
なっています。それはそうです。自民党という政党に官僚組織の
改革や公務員改革を期待してもそれは無理というものです。
先般の衆院法務委員会で谷垣法相が野党の議員から「虚偽捜査
報告書」のことで質問を受けたさい、小川元法相の著作『指揮権
発動』を読んだかと聞かれて、「すみません、読んでません」と
答弁しています。谷垣氏は、この問題には興味も関心もないし、
小川氏の本を今後も読むつもりはないでしょう。彼は自民党の政
治家であり、小沢氏は天敵であるからです。
日本の行政は、官僚によって明治維新以来仕切られてきている
のです。もともと官僚は天皇の部下であり、政治家の部下ではな
いのです。戦後になって天皇は象徴天皇になりましたが、官僚組
織はそのまま残り、官僚としては戦前と同じ感覚でやっているの
です。それは今もなお続いており、たとえ大臣であっても官僚の
意に沿わないことについては頑強な抵抗を受けるのです。
50年以上政権を担ってきた自民党にはそれがよく分っていま
す。そこで官僚と折り合いをつけて、棲み分けを図ってきたので
す。つまり、官僚が聖域とするところに大臣が踏み込まない限り
その大臣のやろうとすることを支えるという暗黙の了解です。
小沢一郎という政治家は、その官僚機構全体を壊し、政治を官
僚から政治家、すなわち国民の手に取り戻すことを旗印に掲げて
政治改革を進めてきたのです。そして野党時代から、着実に政治
改革を実現し、2度も自民党を政権の座から引きずり下ろすとい
う実績を持っている政治家です。
そのため、小沢氏の実力をよく知る官僚としては、絶対に「小
沢総理」だけは実現させてはならないということで、無理を承知
で民主党の政権交代前から、「小沢潰し」を仕掛けてきた結果が
陸山会事件をめぐる一連の裁判です。
官僚の仕掛ける「小沢潰し」工作の知られざるひとつが、政権
交代した民主党の、とくに松下政経塾出身の議員への「洗脳」で
す。これは「民主党の自民党化」が狙いです。民主党政権が迷走
し、本来目指していた方向と逆走して、遂に民主党が「誰からも
拒否される政党」になり果てたのはこの洗脳工作の成果です。
この官僚機構の総攻撃によって、小沢氏の率いる「生活の党」
は衆参あわせてたった9人の政党になりましたが、結局潰し切れ
なかったのです。小沢氏のことですから、3年後には必ず復活し
てくるはずです。
官僚たちは自分の組織を守るためなら何でもします。虚偽捜査
報告書事件は、現在も市民団体から検察審査会に告発されていま
すが、検察としては「不起訴処分」にするはずです。なぜなら、
そうしないと検察機構が破壊されてしまうからです。したがって
この問題はこれで終りです。自民党には期待していません。
もうひとつ問題なのは裁判所です。陸山会事件の秘書裁判では
その控訴審において納得できない有罪判決が出ています。これに
よって、大久保、池田両氏は罪を受け入れ、石川氏のみが最高裁
に上告しており、まだ、決着はついていないのです。
そこで、陸山会裁判を中心に、日本の裁判の問題について考え
ていくことにします。小沢裁判は、一審、控訴審ともに無罪判決
が出ています。しかし、無罪判決を出した理由において、一審と
控訴審は大きく異なるのです。小沢裁判の一審と控訴審の裁判長
は次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
小沢裁判 一審担当 ・・・ 大善文夫裁判長
小沢裁判控訴審担当 ・・・ 小川正持裁判長
―――――――――――――――――――――――――――――
テレビや新聞の大メディアでは、裁判の結果しか伝えていない
ので多くの国民は知りませんが、一審の判決理由と控訴審の判決
理由は大きく異なるのです。
その点に注目した郷原信郎氏は、自身のブログ「郷原信郎が斬
る」で次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
陸山会事件では、小沢氏の秘書3人が政治資金収支報告書の虚
偽記入で逮捕・起訴された事件(以下、「秘書事件」)と虚偽
記入について秘書3人との共謀の刑事責任が問われ、検察では
不起訴となったものの検察審査会の起訴議決によって起訴され
た小沢氏本人の事件(以下、「小沢氏事件」)の二つの刑事裁
判が行われた。この中で、東京地検特捜部の捜査において、不
当な威迫、利益誘導等による取調べを行ったり、虚偽の捜査報
告書によって検察審査会の判断を誤らせようとするなどの重大
な問題があったことが、小沢氏を無罪とした一審の東京地裁判
決(大善文夫裁判長)で指摘されただけではなく、最終的には
秘書3人を有罪とした一審の東京地裁の公判の過程でも指摘さ
れた(検察官調書の証拠却下決定)。そして2012年11月
12日、小沢一郎氏に対する政治資金規正法違反事件の控訴審
判決(小川正持裁判長)では、一審の無罪判決が維持されただ
けでなく、一審判決は認めていた小沢氏の秘書3名の虚偽記入
の犯意や、4億円の銀行借入れ、定期預金担保が隠蔽の意図に
よるものであったことも否定する判断が示され、この事件の捜
査で検察が前提にした事件の構図そのものが否定された。
──「郷原信郎が斬る」より/http://bit.ly/ZFHmeY
―――――――――――――――――――――――――――――
小沢裁判の大善文夫裁判長による一審無罪判決では、政治資金
収支報告書の虚偽記載は認め、それに小沢氏の関与はなかったと
して、無罪になったのです。ところが、小川正持裁判長による控
訴審では、秘書3名の虚偽記載や、4億円の銀行借入れ、定期預
金担保が隠蔽の意図に基づくものであったことの両方を否定して
いるのです。
つまり、小沢氏だけでなく、秘書3人も罪に値しないという結
論なのです。だからこそ、秘書裁判の飯田喜信裁判長は、弁護側
の申請したこの判決文の証拠採用を却下して強引に有罪判決を出
したのです。 ─── [自民党でいいのか/49]
≪画像および関連情報≫
●小沢秘書の控訴審について/鈴木一生氏
―――――――――――――――――――――――――――
2013年3月13日の東京高裁判決は元秘書3人を再び有
罪とし、無罪が確定した小沢一郎氏とは正反対の判断となっ
た。結果を左右したのは、政治団体代表が刑事責任を追及さ
れにくい政治資金規正法の構造と、高裁判決が改めて認定し
た「小沢事務所とゼネコンの深い関係」の立証の有無にあっ
た。元秘書の公判で検察側は、政治資金収支報告書の虚偽記
載の背景として、ゼネコンからの裏献金の存在を指摘した。
「記載ミス」ではなく、元秘書に「隠蔽に向けた強い意思」
があったという動機を描くためだといえる。同種の背景を持
つ西松建設違法献金事件も併せて審理された結果、二つの事
件が「深い関係」の証明を補強し合う形になった。一方、検
察審査会の議決で強制起訴された小沢氏の公判では、検察官
役の指定弁護士は時間的制約などから裏献金の立証をせず、
元秘書との共謀に重点を置いた。虚偽記載の動機はあいまい
になり、高裁判決も「追及的な取材や批判的な報道を避ける
ため」などと指摘するにとどまった。そこに規正法の限界が
加わった。規正法は、収支報告書を作成する会計責任者や事
務担当者の責任を中心に位置づける。代表者は虚偽記載を指
示するなど共謀するか、会計責任者の選任・監督に重大な過
失がない限り、罰せられることはない。今回の判決で、小沢
氏に関係する事件の実質的審理は終結したというのが一般的
な見方だが、ゼネコンからの多額の裏献金を認めた元秘書公
判と、小沢氏の無罪判決の隔たりはあまりに大きい。二つの
判決の未消化な部分は、有権者の評価に委ねられた。
http://bit.ly/174aOQX
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