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2013/9/5 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
東京に決まればあの嫌味な猪瀬一派が喜んで大騒ぎするのがシャクなだけで、招致できなければ反対している良識ある都民がホッとするだけのことだ
2020年の五輪開催都市は日本時間の8日の早朝、5時ごろ決まる。
で、TV各局の張り切ること。NHKは0時5分から「いよいよ決定!2020年五輪開催都市」をスタート、朝の5時50分まで徹夜放送する。ゲストは瀬古利彦、有森裕子、大林素子ら。TBSも負けじと0時58分から朝まで。フジは「すぽると!オールナイト」を1時43分から放送。日テレは沢穂希や吉田沙保里をゲストに呼んで「上田晋也のGoing!特別版」を3時20分から朝までやる。
各局とも、こんなに長尺を取っているのは、候補都市がIOC総会で行う最後のプレゼンテーションから投票までを生中継、その間、イスタンブールやマドリードの様子も衛星中継で伝えるからだ。いやはや、「ご苦労さん」と言うしかないが、下馬評通り東京に決まれば、その瞬間、アナウンサーが絶叫し、日本中が朝っぱらから大騒ぎになるのだろう。
「バンザイ、バンザイ」の感動押し付けが当分、続くのだろうが、その瞬間にも福島では放射能汚染水がダダ漏れしているのだから、イイ気なものだ。
果たして、この国は五輪でハシャいでいる場合なのか。この狂騒の裏で何が起こっているのか。大事なことが無視され、置き去りにされているのではないか。
これらを問うべきで、東京招致の成否なんて、極論すれば、どっちだっていいのだが、異様な招致活動が日本中を“狂わせている”感じだ。
◆1週間前から現地入りが必要か
皇室まで巻き込み、首相は票集めの外遊に明け暮れ、汚染水を巡る国会審議も「招致に悪影響」でやめてしまう。そこまで五輪が大切なのか。誰が見たっておかしいが、五輪で稼ぎたい大メディアはもちろん、沈黙。で、何を報じているかというと、1週間も前からブエノスアイレス入りした猪瀬知事のジョギングやらリハーサルの手ごたえなどを毎日、追っかけまわすのだ。
「猪瀬知事の日程に合わせて、今年は9月1日の防災の日の訓練が延期されました。そんなに早く行く必要があったんですかねえ。無駄といえば、自民、公明、民主、みんなの都議、15人も5日にブエノスアイレスに入る。もちろん税金ですが、都議が行ったところで招致活動には何のプラスにならない。ただの物見遊山です」(都議会関係者)
被災地の人々から見れば、「なに浮かれてんだっ!」と毒づきたくなるだろうが、みんなが一緒になって「五輪、五輪」とバカ騒ぎ。この国は上から下まで、放射能でトチ狂ってしまったのではないか。
◆「復興五輪」なんて悪い冗談にしか聞こえない
そもそも、ちゃんちゃらおかしいのは五輪招致の大義だ。猪瀬は先月8日の都議会で突然、「被災地の復興に弾みをつけたい」と言い出し、いきなり「復興五輪」をアピールし始めた。東日本大震災を持ってくれば、各国に強烈な印象を与えられると踏んだのだろうが、卑しい男だ。
猪瀬はこれまで被災地に足を踏み入れたこともないし、復興どころか、福島では放射能汚染水がいまなお、ダダ漏れ状態なのである。
「復興五輪」なんて、悪い冗談にしか聞こえないが、招致委にもそれがわかったらしく、最終版は「安全安心」にまた変わった。
で、竹田恒和JOC会長は「福島と違って東京は安全」と盛んにアピールしているのだ。「被災地のため」と言ったり、「被災地とは違う」と言ったり、いい加減の極みだ。被災地を利用することしか考えちゃいないのだが、卑しいのは安倍も同じで、あろうことか、日本をアピールする際、「アジア代表」と位置づけている。中国、韓国と首脳会談もできないくせに、「アジア代表」とは“よく言うよ”だ。
「五輪を使って、国民をだましているとしか思えません。汚染水対策に470億円の国費が投入されることになったのも、五輪対策です。安倍政権はこれまで何もしなかったが、国際的批判が高まってきたので、あわてて国が乗り出すことにしたのです。しかし、実現性に疑問符が付く凍土方式が完成するのは2年後ですよ。それまでどうしのぐのか。国会で集中審議でも何でもするべきなのに、五輪を理由に開かない。これで東京五輪が決まれば、お祭り騒ぎで、ますます安倍政権の無責任が糊塗されてしまう。その間にも汚染水は漏れ続けているのですから、本当は五輪どころじゃないのです」(ジャーナリスト・横田一氏)
五輪でごまかすといえば、消費税引き上げやTPPの議論もそうだ。五輪に目を奪われているうちに、どんどん話が進んでしまう恐れがある。五輪に回す金があるなら、増税をやめて、ぜひとも減税して欲しいものだ。
◆五輪に経済効果なんてあるわけない
「招致委員会」と都スポーツ振興局は東京五輪の経済効果を3兆円とはじいた。付加価値誘発額1・4兆円、雇用者所得誘発額は7500億円。あわせて5兆円なんて、ソロバンをはじいていたが、これも怪しげな数字である。
英政府は7月、ロンドン五輪の経済効果は1・52兆円だったと発表した。経済効果はせいぜい2兆円で、3兆円は「無理を重ねた数字」とみられている。
長野五輪では施設整備に巨額の税金をかけたため、02年度に1・6兆円の県債残高を抱えてしまった。ヘタすりゃ足が出るのである。
経済評論家の森永卓郎氏はこう言った。
「3兆円といっても波及効果が含まれていて、純粋にGDPに寄与する需要増は1・2兆円、0・2%です。それを開催までの7年で割ると、1年間の経済効果は、ほとんどゼロになってしまう。つまり、五輪で直接の経済効果はないのです。東京都は招致に4000億円の準備金を積んだ。それを福祉に回せば、もっといい都政ができたかもしれません。ま、都民が五輪開催を公約に掲げる知事を圧倒的多数で選んだのですから、いまさら言ってもしょうがないことですけどね」
このわずかな経済効果だって、持っていくのはゼネコンや大メディアだ。観光客が増える、飲食店も儲かる……というのもマヤカシだ。ロンドンの場合は、ホテルの客が3割減ったというデータがある。英国への旅行者は5%減だった。庶民に恩恵はないのだから、ますます五輪で騒ぐのはアホらしくなる。東京落選となれば、猪瀬のドヤ顔を見なくて済むが、どっちに転んだって関係ないのだ。
ジャーナリストの斎藤貴男氏は「五輪はウンザリ」とこう言った。
「五輪の狂騒はうっとうしいだけでなく、恥ずかしいし、みっともない。だって、原発であれだけ世界に迷惑をかけているんですよ。まともな人間であれば、最低限、わきまえってものがあるでしょう。しかし、この国はただ、儲かればいい、騒げればいい、とばかりに五輪招致に浮かれている。『東京に五輪を』とアピールすればするほど、眉をひそめている人がいるのに気づかない。五輪を開催したところで、その経済効果は政治家とその身内にしか行かない。しかし、国民はそれに気づかない。つくづく、この国は病的に歪んだ社会になったと思います」
五輪なんて悪政の隠れみのにしかならない。クールに見てなきゃ、バカを見る。
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