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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130905-00003081-sbunshun-pol
週刊文春 9月5日(木)18時6分配信
「消費増税の決断、いつやるの? 今でしょ! 」
公明党の山口那津男代表が意気盛んだ。8月31日、秋田県大館市での講演で消費税率引き上げを予定通り実施すべきだと強調した。
もともとは“中継ぎの代表”とみられていた参院議員の山口氏。衆院選、都議選、参院選とたて続けに勝利し、当面は代表職は安泰となったことで、山口カラーを出し始めた。安倍晋三首相が目指す集団的自衛権の行使容認については「私も弁護士のはしくれだ」と見得を切り、「公明党が右傾化しがちな安倍政権のブレーキ役になるとの自負」(党関係者)を見せる。最近、20年の沈黙を破って細川政権の内幕などを話しだした党の外交・安保の論客、市川雄一元書記長に「千本ノックで鍛えられた」と語るなど、この問題には一家言あるのだ。
9月8日からは公明党代表として10年ぶりにアメリカを訪問する。バイデン副大統領らとの会談を調整中だ。
ある官僚は「公明党の言うことは、ふしぎとオバマ政権の意向と重なっている」と解説する。自らも政府債務問題を抱える米国は、日本が財政再建の姿勢を示す予定通りの消費増税を望んでいる。外交面でも、中東への対応に手いっぱいで、外務省幹部は「日本に中国や韓国とのもめ事はこれ以上、起こしてほしくないと思っている。集団的自衛権の行使容認も、静かな環境で実施してほしいのが本音だ」と分析する。それだけに、訪米では「米国の本音を引き出す」(党幹部)と張り切る。
山口氏は東大卒、弁護士のキャリアが示すように、創価学会の枢要ポストは経験しておらず、温厚な人柄で敵もいないが、味方も少ない。「ポスト池田大作名誉会長」をめぐる権力闘争が水面下で熾烈になっている創価学会からみても、適任なのだ。
ただ、山口代表がアピールに躍起なのは、公明党・創価学会の存在感を高めなければならないという事情もある。
選挙で3連勝したとはいえ、その集票力は陰りがみえ、参院選の東京での比例得票は共産党を下回った。創価学会では集団的自衛権行使に反対論が強く、消費増税でも、本来は反対の立場なのに、昨年の民主、自民、公明3党合意に乗るため、党執行部が説得した経緯がある。それだけに、消費増税は予定通り実施してもらわなければ「党の体面が保てない」(前出・幹部)のが実情だ。政局秋の陣は、山口代表の正念場となりそうだ。
<週刊文春2013年9月12日号『THIS WEEK 政治』より>
「週刊文春」編集部
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