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2013年09月04日
あすからロシアのサンクトペテルブルグでG20が開かれ、その場を利用して安倍首相はプーチン大統領と首脳会談を行なう。
中国や韓国との首脳会談は実現できず、肝心のオバマ大統領との首脳会談も直前でキャンセルされた。
重要な首脳会談はプーチン大統領との首脳会談だけとなってしまった。
だからメディアは日ロ首脳会談について盛んに報じるだろう。
そしてその報道は、もちろん北方領土問題の進展の有無であり、そのための取引材料としての我が国のロシアに対する経済協力となるだろう。
しかし、私は今度の日ロ首脳会談の隠れた議題はシリア情勢であると思っている。
果たしてメディアはそのことに気づいているだろうか。
私の最大の関心事は安倍首相が自分の方からプーチンの対してシリア情勢に言及するかどうかということだ。
そしてその場合には、アサド政権の退陣に向けてロシアの協力を要請するだろうかということである。
結論から言えば私はしないと思う。
なぜか。
そんな事をしてプーチン大統領との関係が冷たくなることを恐れるからだ。
プーチン大統領との関係が悪化して北方領土返還に支障がでれば困るからだ。
しかし、これは日米同盟関係を重視する安倍首相にとっては本末転倒のピンとはずれ外交なのである。
安倍首相にとって今最も重要なのはオバマ大統領との信頼関係の構築である。
どのみち返って来ない北方領土問題などよりもオバマ大統領との信頼関係を築くほうがはるかに重要である。
そのオバマ大統領はシリア攻撃を巡って苦しい立場におかれている。
アサド政権への対応をめぐってロシアのプーチンと激しく対立している。
G20でも米露首脳会談が行なわれないほどの関係悪化ぶりだ。
いまこそ安倍首相はプーチンよりもオバマとの関係を重視すべきなのだ。
そもそも安倍首相はシリア情勢についてはいち早くアサド政権の化学兵器使用を批判してアサド大統領の退陣を求めた。
オバマの重い決断に理解を示した。
ところが国際社会のシリア攻撃反対の動きや、オバマの米国議会承認の動きを勘違いして、安倍首相は立場を微妙に変え、化学兵器使用の確認の必要性とか、国際協調の重要性を言い出した。
これは明らかにオバマ大統領にとっては失望に映るブレだ。
シリア情勢で必死な時に、優柔不断な安倍首相と会談しても無意味だとオバマ大統領が判断しても不思議ではない。
その上で、プーチン大統領と首脳会談をしながらシリア問題を持ち出さないとなると、もはや日米は「共通の価値」を共有しない国となる。
小泉首相と安倍首相の決定的に違うところはここだ。
あの間違ったイラク攻撃を行なったブッシュを小泉首相はいち早く無条件で支持し、ブッシュを感動させ、ブッシュの信頼を得た。
イラク攻撃を支持した小泉首相は間違った首相だったがその間違いを怯まずに断行して少なくともブッシュの信頼を勝ち得た。
それに比べ安倍首相はブレまくりだ。対米従属でありながら日米同盟を揺るがす安倍首相。
プーチンとの首脳会談は出来ても、オバマとの首脳会談は出来ない安倍首相。
安倍首相は間違った小泉首相よりさらに劣る首相である・・・
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