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2013-09-04 07:08:29
「国費投入の前に東電を破産処理して、株主や金融機関の責任を取らせるべきだ」と、自民党の河野太郎・副幹事長が一昨日9月2日に強調しました。超党派でつくる「原発ゼロの会」での発言です。この発言は、本日の朝日新聞(朝刊2面)が、「国民合意ないまま」の記事のなかで伝えました。
これだけの事故を起こしたうえ、その後の対応も後手後手、賠償は遅れ遅れ、その挙げ句、海洋へ放射能汚染水を流出させてしまう。それでも、政府は東電に巨額の救済資金をつぎ込む一方、東電の責任問題は一切、触れようとしません。
政府は、東電事故の責任問題を「東電止まり」にしておきたいので、いつまでも宙ぶらりんにしておくのです。東電の処分が行われれば、次は政府の責任問題が浮上するので、あくまでもそれは避けたいという思惑があると見られます。
今回、政府が全面に出て行う放射能汚染水の対策には、総額470億円をつぎ込むと決めました。しかし、汚染水は日々、月々、年々、いつまでも増え続けます。半永久的に増え続ける汚染水対策には、この先、さらにいくらかかるか分かりません。
それでも、対策は、考えられる限りの策を総動員する必要があります。
しかし、その前にやるべきことがあるでしょう、と言いたい。まず、東電を破たん処理してきちんと区切りをつけてから当たるべきではないか、と。そうした区切りをつけてからでなければ、国民の合意は得られないはずです。
ところが、本日の朝日、読売新聞の社説は、テーマとして放射能汚染水対策を取り上げましたが、どちらも東電の責任問題は1行も触れていません。どちらも見事にスル―です。
朝日の社説の見出しは、「先を読んだ危機管理を」でした。今頃、「先を読んで?」。何を寝言を言っているのでしょう。2年半前の事故が起きたときから、放射能に関する対策は「先を読んでやる」のが当たり前ではないですか。
同社の社説は、「今回の事態には海外も注視している。安倍政権は、国家的であるという認識のもと、ことにあたってほしい」と、結びました。まるで、海外の評判が悪くなる。場合によっては、「オリンピック招致」にもまずいかもしれない。だから、対策を急げ、と言っているように受け取れます。
読売の社説は、「『独立』を理由に、汚染水対策から距離を置いてきた原子力規制委員会の姿勢にも問題がある」と指摘。そのうえで、「規制当局の役割は、何より安全性の確保であることを自覚し、全力で対応してもらいたい」と、結びました。
まるで、原子力委員会が「さぼっていた」のが問題の根源であるかのような言説です。まったく珍妙な社説というほかありません。意識して、原子力委員会に責任転嫁をするとは。そして、政府がこれまで「サボって来た責任」から目をそらさせ、東電の責任も問うことをしない社説。
読売新聞には、一貫して「原子力利用」を推進してきた責任があります。とりわけ、原発を推進し続け、事故が起こった後の今も、執ように原発推進を主張しています。事故の教訓として、人類は原子力を制御できないということが明瞭に得られたにもかかわらず、今も原発を執ように推進しています。読者の頭を、原発推進で洗脳しようとキャンペーンを続けています。
原発は、いったん苛酷事故が起きると、世界の問題になります。放射能汚染の広がりに国境はないからです。
原発の是非を問える国際的な司法機関があれば、直ちに告発したいと思うほどです。
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