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2013年09月03日
本日は非常に多忙のため、下記WSJの記事が心配して“英国の米国離れ”或いは“孤立主義”が心配されている。この記事においても、20世紀と云う枠組みの中で、既存の観念の中で議論が展開している。まぁ、そのような議論が不毛だとは言えないが、建設的ではない。逆に建設的議論には、常に紛いものが混じり易いので、これはこれで面倒だ。
フランスは第一次世界大戦以降、国際連盟からの委任統治領シリアとなった歴史的経緯などを含め、オスマントルコ領土に関する英国奪い合いと云う構造があったわけで、理屈では割り切れない思い入れが、そもそも存在している。ただ、単純な見方だが、英国が軍事介入しないのなら、別に成り上がり国家アメリカと共同歩調を取る意味は薄れているようだ。オランドは、ル・モンドの論調に煽られるように、化学兵器の使用という一線を越えたら“やっちまう”と公言していたが、半分はル・モンドの論調に乗った分部もかなりある。ただ、フランス世論は、シリア介入に否定的で、オランドも今さら拳を下ろすのも気が引ける状況なのだろう。
ところが、当のアメリカの大統領の腰が引けてきたのは、オランドにとっても好都合なのだろう。シリア軍事介入に関して、議決は採らないが公聴会的場を提供するところまで動いている。少なくとも9日以降の米国議会の結果を持って、最終結論を出そうと云う地点までは撤退したようだ。オランド政権の幹部は、口にタコが出来るほど「単独介入はしないぞ!」と言いふらしている(笑)
見出しの、英国の“いち降りた”と云う米国との異様に強い同盟関係にヒビが入るかどうか別にして、ユーロ圏への加盟をあくまで否定し、EUでありながらユーロ圏に加わらないイギリスが、アメリカとの関係まで希薄にした場合、孤立主義に向かうのではないかと云う、識者らの心配はあるのだろう。いずれにせよ、21世紀世界は流動的であり、カオスの世界に突入しているわけで、過去の歴史を参考に、物事を見極めても齟齬が生まれるのな、それこそ「カオス」なのである。
宮崎駿監督が“引退表明”の記者会見で多くを語ることはなかったが、「世界がギシギシ音を立てて変化している時代に、今までと同じファンタジーを作り続けるのは無理があると思った」この言葉は名言である。筆者の想像では“カオス”と言いかかったと認識する。正しいことを語っても、不正義がまかり通る世界で、美しい人間とか悩めるヒューマニズムとか、表現するのが困難な時代が来ている事を予感させる、監督としての言葉だ。まぁ以下のWSJの解説記事は皆さまなりに解釈して頂こう。
≪ 問われる英国の影響力―シリア軍事介入断念でささやかれる孤立主義
【ロンドン】キャメロン英首相は、議会の承認を取り付けられず、シリアへの軍事介入を断念した。これを受けて、英国は世界における自らの役割や最も親密な同盟国である米国との関係を見つめ直している。
キャメロン首相は自分の能力を見誤り、シリアへの軍事介入に議会の支持を得ることができなかった。近代の英国首相が外交政策で経験した最大の敗北の1つだと言える。議会は8月29日、シリア介入の原則に関する政府提出の動議を否決した。英国などの西側の政府はシリアのアサド政権が21日に市民に対して化学兵器による攻撃を行い、数百人が死亡したと主張している。
英国は孤立主義の時代に突入するのだろうか。動議の否決をきっかけにこの問いが議論され始めた。多くの外交専門家は孤立主義に突入する可能性は低いとみている。しかし、国民が中東の紛争に関与することに疲れ切った結果、英国が干渉主義の度合いを引き下げた可能性があると主張する専門家もいる。
ロンドンのシンクタンク、ロイヤル・ユナイテッド・サービシズ・インスティテュート(RUSI)の調査部長マルコム・チャルマーズ氏は「英国の介入への参加の度合いは過去十数年と比較して著しく低くなるかもしれない」と述べた。チャルマーズ氏は労働党出身の外相2人の顧問を務めた経験がある。
しかし、一部の政治ウォッチャーによると、動議の投票結果については少なくともキャメロン首相の対応にも問題があったという。動議の議会提出は時期尚早で、アサド政権が化学兵器を使用したと明確に主張できるまで待つべきだったと指摘する政治家もいる。キャメロン氏率いる保守党からもそうした声が上がっている。
キャメロン首相は政治的合意を形成することができなかったことは残念だと述べ、英国は軍事行動に参加しないと繰り返した。30日のテレビインタビューでは、シリアの化学兵器使用疑惑にはまだ「強い対応」が必要で、英国は外交ルートの模索を継続すると述べた。
オバマ米大統領は30日、キャメロン首相と電話会談を行い、キャメロン氏の置かれた状況をよく理解していると述べた。英首相官邸によると、オバマ氏は米国としてどのような対応を取るかについてはまだ決定していないと述べたという。
キャメロン氏は英国が今後も国際的に重要な役割を担うと述べている。英国の軍事費は世界第4位で、同国は最大の外交ネットワークを持つ国の1つだ。シリアへの軍事介入の動議が否決されたことについて、首相は国民がシリアの内戦に「巻き込まれる」ことを懸念しており、「それは理解している」と述べた。
ノッティンガム大学のフィリップ・カウリー氏によると、首相が提出した戦争関連の動議が否決されたのは少なくとも19世紀半ば以降初めてで、異例の事態だという。 保守党の政治家で国防相を務めるフィリップ・ハモンド氏ら一部の専門家は、英国がシリアへの軍事行動に参加できなくなったことで、米国との関係が緊張するとみている。
ケント大学のリチャード・ホイットマン政治学教授によると、英国は国防費の大幅削減を受けて軍事能力を削減し、国際社会との関係からも手を引きつつあるとの認識が米国政府内にあり、米国が英国以外の同盟国を当てにする風潮は今後も続くという。その上、米国は欧州との関係を巡る英国内の議論の影響についても懸念している、とホイットマン氏は指摘している。
RUSIのチャルマーズ氏は英国の首脳が動議の否決について対外的に説明をしなければならず、英米関係は今後数週間にわたってぎくしゃくするとみている。しかし、同氏は英米関係に根本的な変化が生じる事態には必ずしも至らないと話す。イラク戦争、アフガニスタン戦争を経験した米国の国民も英国民と 同様に戦争に疲れており、オバマ大統領自身もシリア介入には慎重な姿勢を示していることなどの事情があるからだという。≫(WSJ日本版)
PS:シリア・イラン問題の地政学上の敵対勢力のイスラエルの閣僚らが叫んでいる。しかし、世界の目は、反政府勢力支援や今回の化学兵器事件においても、幾分同国のモサド組織を疑惑の目で観察しているのだから、オバマに見える形で圧力を掛けることが、最終的にイスラエルの関与に繋がるわけで、陰謀論の醸成に寄与するようなアホ閣僚を戒め「黙っていろ!」と一喝したようだ。今さら遅いと云うことだが、阿呆財務大臣も似たような事を言っている。あぁ太郎はナチスを見習うんだったっけ(笑)。
≪ イスラエル、オバマ米大統領に不満 シリア問題で
【エルサレム=山尾有紀恵】オバマ米大統領がシリア攻撃に議会承認を求めたことに対し、米国と事実上の同盟関係にあるイスラエルが不満を募らせている。米国の優柔不断な姿勢が、シリアの背後にいる宿敵イランを勢いづかせると見るからだ。 緊迫するシリア情勢 オバマ氏の8月31日の声明発表を受け、極右政党出身のベネット経済貿易相は、自身のフェイスブックで「国際社会のシリアに対するためらいは、イスラエルが自身しか頼りにできないと改めて証明した」と批判。他の閣僚からもオバマ氏への批判が出た。
米軍がシリア攻撃に踏み切れば、イスラエルへの報復攻撃が予想される。一方、化学兵器を使ったとされるシリアに「懲罰」を与えなければ、中東での米国の影響力が弱まり、シリアと連携するイランやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなどへの抑止力が低下。敵対するイスラエルが危機にさらされる。
イスラエル放送によると、ネタニヤフ首相は1日、「シリア危機はまだ終わっていない。慎重に、確かに動いている」と述べ、閣僚にメディアでの発言を禁じた。イスラエル軍は同日、米国のシリア攻撃に備えて招集した予備役の任務をいったん解除。北部を中心に配置していたミサイル防衛システムの配置換えも始めたという。≫(朝日新聞 )
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