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借金が膨らんで首が回らなくなるから増税をお願いします―。
国民にこう頼んでおきながら、一方では使うなら多いに越したことはないとばかりに過去最大の要求をするとは、あきれるばかりの無節操ぶりである。
2014年度の一般会計予算で省庁からの概算要求総額が99兆2千億円に膨らんだ。
各省庁には財政危機という感覚がないのか。こんな締まりのない税金の使い道では、たとえ増税しても砂地に水がしみ込むように消えてしまう。国民の理解はとても得られないだろう。
概算要求は、省庁が翌年度に行いたい事業と必要な金額を、予算編成を担当する財務省に提出することである。財務省は自らの要求分も含めて査定し、絞り込む。
今回の総額は本年度予算を7兆円近く上回った。いずれの省庁も安倍政権が力を入れる経済再生や国土強靱(きょうじん)化の名の下に、強気の要求をしたためだ。
膨張の大きな原因は、歳出の上限を示さず要求基準を緩めた異例の措置にある。消費税増税が決まらないうちは歳入見通しが立てられない、との理由からだ。
問題なのは選挙で業界団体の支援を受けた与党議員や族議員らの圧力を背景に、古いタイプの事業が大幅に増えたことである。
政権の重視する成長や防災、地域活性化の分野に優先的に予算を配分するとして「特別枠」を設け、総額3兆5千億円までの要求を認めたことで、幅広い公共事業が対象になった。
国土交通省の公共事業関連費は13年度当初に比べ16%増。特別枠を目いっぱい使い、大型公共事業批判や財政難のために抑制されていた整備新幹線、道路、ダムといった事業が軒並み盛り込まれた。
農林水産省も同様だ。民主党政権下で大きく削られた土地改良などの公共事業費を21%増やした。環太平洋連携協定(TPP)への参加に向けた対策の意味があるとしても、メリハリのない旧来型の事業が農業の強化にどれほど役立つのだろう。
国の借金は1千兆円を超え、社会保障費は高齢化で毎年1兆円ずつ増えている。それなのに財政規律は緩んだままだ。
企業収益の増加に伴う本年度の税収増を見越して、与党内には早くも大型補正予算を求める声が出ている。
いま肝心なのは目いっぱい使うことではなく、借金の膨張を止めることだ。政府は概算要求に大なたを振るう必要がある。
http://www.shinmai.co.jp/news/20130902/KT130831ETI090009000.php
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