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歴史に「もし」はないから、想定をすること自体無理であるが、話としては面白い。
もともと民主党の消費税増税案は最低保障年金とセットであった。7万円の最低保障年金の財源として出てきたものだ。それが結果として最低保障年金が没になり、消費税増税だけ成立した。もし逆であったらどうであろうか。
年金には3つある。自営業者を中心とする国民年金、民間のサラリーマンの入る厚生年金、公務員や私学教職員の入る共済年金である。
国民年金は満額で月6万5000円台である。実際は保険料を払っていない期間が減額されるが、計算上それは考慮しない。厚生年金は標準世帯(夫サラリーマン妻専業主婦)で満額24万円ほどである。共済年金は国家公務員、地方公務員、私学で異なり比較できないが、厚生年金よりはるかに高い。
もしこれに最低保障年金がつけば、7万円がプラスされる。国民年金は約13万5000円になる。自営業の夫婦であれば2人合わせて約27万円になる。自営業には定年が無いから、結構楽になる。厚生年金は標準世帯で約38万円になる。共働きであれば約46万円ほどになる。共済年金であればさらに多くなる。
もっとも最低保障年金には高額の支給額には上限があると思うが、それでも現在よりはるかに多くなる。老後はそれなりに安心だ。(最低保障年金のモデルはスウェーデン方式)
消費税が元のままとすると、財源が問題になる。そこで安倍首相が登場したとすれば(実際登場したが)、日銀に国債を買わせ、年金の財源とする。老人の生活は保障される。さらにここで一工夫する。贈与税の課税最低限度を今の110万円から5000万円にする(実際控除額は拡大されている)。
日本には貯蓄が1500兆円あると言われる。その大半は老人のものだ。そこで最低保障年金で生活の保障された老人は貯蓄を消費に充てる。ある人は子や孫に与えるであろう。贈与税を軽減するからだ。日常生活の物資はもちろん、車を買ってあげる、マンションを買ってあげるなどする。あの世にお金は持っていけない。老後が安心であれば生きている間にばらまく。老人が使うより、現役世代や子供たちが使う方がはるかに消費が多い。
消費が増えるとインフレになる。インフレになると貨幣価値が下がる。土地、株、金だけでなく、車、電気製品、衣類その他のモノに変える。すると景気が良くなり企業は設備投資を行い、製品をつくる。雇用も増え賃金が上がる。万々歳だ。
実は、これがノーベル経済学受賞者・クルーグマンが意図しているインフレターゲット政策ではないのか。参与の浜田宏一(元イエール大学教授)もそれを行うつもりではなかったのか。つまりインフレを起こして貨幣価値を下げ、タンス預金である現金(貯蓄)をモノに買えるというものだ。アベノミクスの理論的背景である。
どう狂ったのか、最低保障年金が没になり、消費税増税だけが実行されようとしている。浜田も経済学者であれば、有識者会議で消費税1%上げるなどケチ臭いことを言わずに、どーんと基礎年金約6万5000円を13万5000円(7万円アップ)にしましょうと言えばよいものを。7万円の基礎年金の増額は事実上最低保障年金の復活になるからだ。
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