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政府部内の「抵抗勢力」が勝つか、財務省が勝つか、果たして結論はいかに?
BLOGOSから
http://blogos.com/article/69109/
消費税増税に対する政府部内の「抵抗勢力」
消費税は、来年4月から8%、再来年10月から10%に引き上げる計画です。それを予定通り実施するかどうか、政府部内でさまざまな議論が生まれています。
私が注目したのは、エール大学名誉教授・内閣官房参与の浜田宏一氏が発言した内容です。これは、安倍内閣が実施している「集中点検会合」で8月27日に発言したものです(浜田氏は「消費税問題に対する私見」とするペーパーを配布しています)。
それによると、予定通り消費税を引き上げるためには、2013年4-6月期のGDPが「実質2.6%では力不足、特に設備投資が2期続けて弱い」と述べ、「日本はまだデフレから脱却できていない」と指摘しています。
そのうえで、こう述べています。「航空事故が起こりやすいのは離陸のときといわれるが、何らかの障害が起こったとき失速の可能性が皆無ではない。消費税増税は障害のきっかけになりうる。予定通り増税するのは、ここまでうまくいっているアベノミックスの挫折を招く可能性を持つ大きな賭け」だと。
アベノミクスが「うまくいっている」かどうかは別として、消費税増税が安倍内閣の「挫折を招く」とまで述べているのは、実におもしろい。
さらに、「代案」として、次のような提案をしています。
@14年4月と、15年9月(10月)の増税案をそれぞれ1年ずつ延長する。Aもし小刻みな増税が技術的に可能なら、14年から毎年1%ずつの引き上げを行う。
これは、消費税増税を容認した上での提案です。しかし注目したいのは、以下のように述べていることです。
「延長によって国民の所得が増えるのでかえって歳入は豊になる可能性もある」と。つまり、消費税増税をすれば国民の所得も歳入も減る、増税しない方が歳入が豊かになるとまで述べているのです。「あくまでも歳入は、課税所得に税率をかけたもの。金の卵を産む鶏を殺してしまってはならない」と。
しかも、1997年の消費税増税によって「歳入はその後低迷」したと指摘、「日本の財政危機は税率よりもデフレによる所得減少のおかげ」とのべています。また、最近の例としてイギリスをあげ、「2011年イギリスの増税(17.5%−20%)」後、「ごく最近までイギリス経済も歳入も低迷している」としています。
政府が出す試算に対しても「正しい情報」が伝えられていないと批判し、「中長期の経済財政に関する試算」の数字は「不可解」と厳しい。
さらに、大手新聞までヤリ玉にあげ、「大略、消費税増税応援団となっている」と批判、「たとえば私が消費税の予定通り引き上げに賛成したという記事まで出る」と、こき下ろしています。
浜田氏は、金融政策では「リフレ」派の論客と言われてきました。しかし、この発言を見ると、氏は安倍内閣が予定通り消費税増税をおこなうことに、正面から立ちはだかる立派な反対論者のひとりとなっています。――政府部内に、このような「抵抗勢力」が存在することは、大いに注目すべきでしょう。
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