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2013年8月30日
標題がトートロジーになっていて申し訳ないが、ある法案が発想され、検討され、策定され、国会に上程される段階で、その法案の名称がたびたび変わっていることにお気づきだろうか。
ちょっと考えればこれは奇妙な感じがする。
何らかの必要があって法案が発想され、その後に法案の名称が何度か変更されることは、常識的にいっておかしい。
法案の名称が変更される件については、いくつかの理由があると思われるが、正直、名称の変更理由はよく分からない。例えば2005年「障害者自立支援法」の名称が2013年4月には「障害者総合支援法」あるいは「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」と、長い名称になっている。
小泉政権時に障害者の福祉レベルが著しくシュリンク(縮小)された「障害者自立支援法」は、「後期高齢者医療制度」と同様に小泉政権の棄民政策を象徴するものとして悪名高い。
障害者の自由度を狭(せば)めたこの法案は抜本的に改正されたのであろうか?
おかしいのは、法律の主旨や考え方に一貫性があるものなら、基本的に名称を変更する必要はまったくないはずである。
法案が発想された初期には暫定的な仮称が用いられることも分かるが、有識者たちによって、十分な検討を経たあとの名称変更には怪訝な思いを禁じ得ない。
ざっくばらんに言うなら、国民にとって危険な法案、いかがわしい法案ほど、名称変更の頻度が高いことがうかがえる。
例えば、小泉政権初期の2002年に出た「人権擁護法案」である。
神州の泉も覚えきれていないが、この11年間で「人権擁護法案」を起点とし、「人権委員会設置法案」「人権侵害救済法案」「人権救済機関設置法案」(まだ呼び名があるのだろうか?)などが出てきている。
法案の名称変更には前述したようにいろいろな理由はあると思うが、まず「人権擁護法案」の名称変遷に注意を向けた時、かように複数の名称が存在することは異様である。
この理由は明らかである。
それは法案が国民やセーフティネットなどに危険を及ばす内実があるモノほど名称変更の頻度が激しいことを示している。
つまり、小泉政権以後の法案に関していうなら、言論弾圧と新自由主義に傾斜する法案は名称を変える頻度が高いということになる。
例えば人権擁護法案などは、人権を守るという美名のもとに片っ端から一般人を糾弾できる天下の悪法である。
このたぐいの言論弾圧法案は、国民の耳目を逸らし、ネットの検索から外れるように別名称を用いていると思われる。
今回の「特定秘密保護法案」も実は歴史が長い。
最初に出たのは1985年に「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案(こっかひみつにかかるスパイこういとうのぼうしにかんするほうりつあん)と呼ばれ、通称は「スパイ法案」だった。
政府は、このスパイ法案と特定秘密保護法案は別個の案件だと国民に思わせたいことが分かる。
つまり、特定秘密保護法案は国会に出てから、28年の歳月が流れていて、その間にどういう名称に変容していたのか分からないが、少なくとも直近では「秘密保全法」と呼ばれていた。
何度も言うが、こういう危険な法案の名称がコロッと変わるのは、危険な内実を国民に注目されたくないのと、ネットの検索を逸らす目的がある。
名称変更の観点から、怪しげな法案をリストアップすることも一つの方法かもしれない。
注意したほうがよいと思う。
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