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韓国の官僚から処世術とロビー活動でのしあがった国連の潘基文事務総長(ロイター)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130829/frn1308290730001-n1.htm
2013.08.29
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が、国連憲章違反ともいえる一方的な日本批判をしたことが、国際問題に発展しつつある。菅義偉官房長官は27日、「非常に疑問を感じている」と強い不快感を示し、米ニューヨークの国連代表部などを通じ、発言の真意を確認する方針だ。そもそも、潘氏はこれまでも出身国・韓国に偏った言動や縁故人事などで問題視されてきた。ジャーナリストの室谷克実氏が、潘氏のあきれた実像に迫った。
「日本の政治指導者は極めて深く自らを省みて…」と、上から目線で内政干渉した国連の潘事務総長。高度な中立性を守るべき立場ながら、母国・韓国で常識外れの日本批判を展開した「国連憲章違反」の疑いが取り沙汰されている。
この潘氏こそ、韓国社会の灰汁(あく)にドップリと漬かり切ったまま、韓国の国技であるロビー戦術に乗ってポストを手にした「今日の両班(ヤンバン=貴族)」だ。
朝鮮李王朝600年の間、世襲の支配層として君臨した両班。彼らには朱子学の知識習得が必須だった。朱子学の知識を問う科挙に合格することが、官職を得るための第一歩だったからだ。
めでたく官職を得ても、礼学論争がある。朱子学の解釈に名を借りた2大派閥の権力闘争だ。負けた派閥の幹部は死罪か流刑になる。そんな中で、どちらにも属さず、あるいはどちらにも属し、最後に勝ちそうな派閥に乗る蝙蝠(コウモリ)のような両班が少なくなかった。
彼らは官職に就くや、それに付随する権力を行使して、不正蓄財に励み、血縁者を登用させようと画策した。
今日の韓国の上層社会(高級公務員や大手財閥の経営陣)で展開されている日常は、李王朝600年の両班の権力闘争と本質的に変わらない。
上司に対しては「イエスマン」であり、時にライバルの悪口を吹き込みつつ、利権をあさる。そして、中下層に属する人々に対しては、どこまでも横柄だ。
米国留学は李王朝時代に例えれば、科挙合格だ。留学組の潘氏は「親米派」とみられていたが、盧武鉉「反米左翼」政権が誕生するや「反米派」になる。潘外相の下、外務省スポークスマンは「わが省に親米派は1人としていない」との声明を述べたのだ(2005年4月)。
それより前のことだが、盧大統領が、外務省を全く無視して「対日外交戦争を辞さず」(05年3月)との対日ドクトリンを発表すると、外務省内は放心状態になった。骨のある外相なら、大統領に辞表をたたきつけるところだが、潘氏は恥じらいもなく「大統領発言の事後バックアップ」に奔走した。
こんな「イエスマン忠勤」により、国連事務総長選に出馬することが了承されたのだ。
そして、国際社会での官職に就くや潘氏は、人事で韓国人を重用した。娘婿(インド国籍)を、イラク支援ミッションの官房長に抜擢した人事には、国連職員労組が事務総長批判を採択する事態になった。
潘氏が、中下層の国連職員を怒鳴り散らすのは有名だ。アフリカの国々の人権問題には厳しく口をはさむが、中国に対しては何も言わない。
まさに朝鮮伝統の「事大主義の両班」そのものだ。
文弱の両班は危険な所には近づかず、戦火を見るや真っ先に逃げる存在だった。シリア情勢が深刻化する中、のんきに韓国に里帰りするとは、まさに両班。
事務総長に就く前の潘氏を「人格者」と褒めちぎった日本の外務省幹部は、今どこで何をしているのだろうか。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「日韓がタブーにする半島の歴史」(新潮新書)、「悪韓論」(同)などがある。
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