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2013/8/27 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
来年4月に予定通り消費税率を8%に引き上げるのか、それとも先送りするのか。消費税アップの是非について、安倍政権が計60人もの有識者から意見を聞く「集中点検会合」が、きのう(26日)から始まった。
さて、有識者からのヒアリングを終えて、安倍が消費税増税を凍結する可能性があるのかといえば、政府関係者の全員が「ノー」と言うだろう。逆に安倍が凍結したら、みんなが「じぇじぇじぇ」とのけぞってしまう。
日銀の黒田総裁なんて腰を抜かして立ち上がれなくなるかも知れない。裏を返せば、それだけ消費税アップは揺るがないということだ。
それならば、どうして、こんな大掛かりな会合を開くのか。なぜ、大番頭として安倍を支える菅官房長官は「(増税を判断する)首相の気持ちは白紙」と繰り返し、大新聞も「首相の苦悩は秋に向け一段と深まりそうだ」などと書くのか。
一連の動きはしょせん、「増税に向けて十分に検討しましたよ」というポーズに過ぎない。国民をだますための見え透いた演出である。
そんなことはメディアだって百も承知だ。しかし、大新聞の記者たちは、そう伝えようとしない。あたかも、安倍政権が本気で検討しているかのような記事を書く。
こんなデタラメ報道を信じて、「消費税増税は先送りされるかも」と淡い期待を抱いている国民がいるとすれば、お気の毒だ。すべてが茶番。この国の政府とメディアは常にグルなのである。
◆財務省や米国を敵に回す覚悟なんてない
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏は「私自身は安易な増税には反対の立場です」と前置きした上で、こう言った。
「残念ながら、この国の経済専門家で『安倍首相が消費税アップをひっくり返す』と思っている人は、ほぼ皆無です。異次元緩和で、黒田日銀が7割もの発行済み国債を引き受ける中、増税を引っ込めればどうなるのか。黒田日銀による国債の大量購入が、財政法で禁じられた『財政ファイナンス』と市場に受け取られてしまう。財政規律の歪みから、国債の暴落危機を迎える恐れがあります」
だからこそ、黒田総裁は「脱デフレと消費増税は両立する」と発言し、前もって先送り論にクギを刺したのだ。
「消費税増税は、財務省のワナによって『国際公約』になってしまった経緯もある。数々の国際会議の裏方を仕切る官僚たちが、担当大臣に増税を公言させてきた。そうやって政権をガンジガラメにして後に引けないように仕向けたのです。なかでも最大の脅威が米国で、アメリカが日本政府の増税を強く望んでいるのです。財力のある政府の方が、利用価値は高まるからです。首相が増税をひっくり返せば、ヘッジファンドを通じて日本株の失望売りを仕掛けてくるでしょう。たちまち株価は大暴落です。財務省と米国の圧力をはね返すには、相当な覚悟が必要なのです。アリバイじみた有識者会合でお茶を濁す首相のやり方を見ていると、本気でこれらの圧力と戦う気概は感じられません」(斎藤満氏=前出)
安倍に霞が関や米国を敵に回す意思も度胸もないことを一番知っているのは誰か。「安倍の苦悩」なんて、チョーチン記事を書いている当の大新聞記者たちである。
それなのに国民ダマシの記事を平気で書くなんて、つくづく罪つくりな連中だ。本気で「安倍ならば、消費税増税を先送りするかもしれない」と思っている記者がいるのならば、堂々と署名でそう書いて欲しいくらいだ。
◆庶民を欺き、何もかも奪いつくす既定路線
この国の政府とメディアがつるんだインチキ報道は、TPP交渉でも同じことだ。
ブルネイで始まったTPPの交渉会合について、メディアはあたかも交渉が難航し、討議が山場を迎えているように伝えている。それで何を強調したいのかといえば、「聖域」である農産品の重要5項目(コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の原料)の関税率死守に向けて、政府は頑張っているという側面援護射撃である。
100人規模の大交渉団が合宿までして努力している。同じ釜のメシを食って国益のために奮闘している。スポ根物語みたいだが、これには「おいおい、ちょっと待てよ」と言いたくなる。
自民党は昨年の総選挙でも先月の参院選でも、重要5項目の死守を公約に掲げてきた。それが守れなければ「TPPの交渉脱退も辞さない」と、安倍以下の幹部連中は公言してきたのである。
いざ本格交渉に参加してみたら、何だ。今さら交渉は難航? しかも重要項目の死守は難しいだと? だったら、メディアは「さっさと交渉から脱退しろ!」と書かなければウソだろう。
それなのに、大新聞は「日本は重要5項目のうち何の関税を守るかの絞り込みを迫られる」などと平気で書く。メディアの方が進んで、交渉のハードルをどんどん引き下げているのだ。
その目的は一体、何か。政権の国民への裏切りを糊塗するためだろう。交渉が難航する中で、これだけの「聖域」を守った。他国の圧力に屈せず成果を挙げたのは大したものだ、という演出である。
「TPPの真相は、日本の経済主権をまるごと米国に引き渡すことです。米国側は『参加したいなら、オレたちのルールに従え』という姿勢を一度も崩しておらず、重要5項目をどれだけ守れるかは不透明です。むしろ、米国との2国間交渉では日本郵政の全国2万カ所の販売網を米国に差し出し、軽自動車の優遇措置を撤廃するなど、何もかも米国に譲歩しまくっているのが現状ですよ」(経済アナリスト・菊池英博氏)
◆戦中から延々と続く国民ダマシの構造
しかもオバマ政権は年内決着を急ぎ、TPPの閣僚会合で年内決着を盛り込んだ共同声明を強引に採択させた。その理由は「来秋の中間選挙でTPPの成果を強調したい」という身勝手なものだ。
前出の菊池英博氏はこう言った。
「そんな米国の尻馬に乗って年内決着の旗を振ったのが、日本の甘利TPP担当相です。交渉期間が短くなれば、日本はますます不利になるのは明白です。私の目には甘利大臣の振る舞いは“売国的”に見えますが、メディアはそう書かない。さらにTPP交渉は『守秘義務』を理由に、国民は具体的な中身を知ることができない。いくら危険な交渉の中身でも、何も知らない国民は反対の声を上げることすらできないのです。だから政府はやりたい放題。もちろん、メディアも交渉の中身は分からないので、交渉当事者の官僚たちに頼らざるを得ない。政府はメディアを自由にコントロールできるわけで、庶民をだますのはイチコロとでも思っているのではないでしょうか」
交渉が不利ならテーブルを蹴ってTPP撤回を突きつければいい。しかし、そんなことはやらないし、大マスコミもそうしろ、と書かない。これはなぜか。つまり、TPP参加も消費税増税同様、すでに決まっていることなのだ。何もかも米国に奪われることは既定路線で、それこそがTPPの本質だ。しかし、政府は逆らえない。
だから国民をどうたぶらかすのか。そこでメディアとタッグを組む。どう書いて、あるいはどう書かせて国民を納得させるか。すべて政府とメディアが組んだ茶番劇だ。この国ではずっと、こんな“芝居”が繰り返されてきたのである。
「メディアが政府の片棒を担いで国民を欺く構図は、大本営発表の戦中から何も変わっていません。米国にシッポを振って支持を得られなければ、この国の政権は生き残れない。そんなブザマな真相を国民の目から遠ざけるのが、中央マスコミの役割です。そうやって政府に恩を売ることで便宜を受け続けてきた。癒着関係を維持するためなら、国民もだます。それが、この国の政治とメディアの現実の姿です」(政治評論家・森田実氏)
ひどいものだ。国民はとことんコケにされている。森田実氏は「今の大新聞は読むに堪えません。国民は不買運動を起こすべきです」とまで言った。ダマされ続ける国民は、そろそろ反撃すべきだ。
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