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集団的自衛権の行使を容認するための憲法解釈見直しに向け、政府の前のめりの言動が目立っている。自衛隊の海外での武力行使につながりかねず、平和憲法の根幹に関わる問題だ。見過ごすことはできない。
政府、自民党内では行使容認に備え、事前の国会承認を義務付ける新法の構想が浮上している。政府は既に「有識者懇談会での議論を踏まえて対応をあらためて検討したい」と、解釈変更を示唆する答弁書も閣議で決めた。既定路線のような動きである。
政府の有識者懇談会は、2月から中断している議論を9月に再開する。座長の柳井俊二・元外務次官は、原則として全面的に容認するよう政府に提言する考えを明らかにしている。
行使容認は、安倍晋三首相が第1次政権で設けた懇談会が2008年に提言した経緯がある。この時は、公海上での米艦船防護、米国を狙った弾道ミサイルの迎撃―の2類型を対象としていた。
今回は、さらに踏み込んだ内容になる見通しだ。対象国を「安全保障上、日本と密接な関係がある国」とし、米国以外にも拡大する方向で検討されている。
同盟国などが攻撃を受けたときに、自国への攻撃とみなして反撃できるのが集団的自衛権だ。政府はこれまで、憲法9条の許す範囲を超えており行使できない―との憲法解釈を維持してきた。
行使を認めた場合、自衛隊と米軍の共同行動など、安全保障政策が大きく変わる。対象を拡大すれば、歯止めが利かなくなる恐れがある。小野寺五典防衛相は「米国と一緒に地球の裏側で自衛隊が行動を起こすということではない」とするものの、疑念は拭えない。
懇談会は、行使容認に向けて安倍首相が設けた。意向に沿う報告書が出たところで、政府がお墨付きを得たことにはならない。解釈を変えていいのか、国会での丁寧な審議に加え、国民の声に耳を傾けるべきだ。
日本世論調査会の6月の調査では、「今のままでよい」との回答が、40・1%を占めた。「憲法を改正して行使できないよう明記すべきだ」は、13・2%だ。行使容認(解釈変更23・7%、改憲16・1%)よりも多い。
憲法解釈には、長年の積み重ねがある。9条の制約の下、自衛隊が何をどこまでできるのか、ぎりぎりの議論をしてきた。乱暴なやり方で歴代政権との一貫性を欠いたりすれば、政治への信頼を損なう。政府は肝に銘じるべきだ。
http://www.shinmai.co.jp/news/20130827/KT130826ETI090005000.php
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