http://www.asyura2.com/13/senkyo153/msg/143.html
Tweet |
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130827/dms1308270751004-n1.htm
2013.08.27
消費税増税をめぐり、26日から「集中点検会合」が始まった。メンバー59人の顔ぶれから、どのような形で議論が進むのか、考えてみたい。
以前の本コラムで、あらかじめ結論が見えてこないように賛成・反対について世論を代表するような比率で有識者を選び、透明性を高くすべきと書いた。ところが、実際は結論ありきの議論になりかねない。
メンバー59人は7〜9人の7グループに分かれ、26日から31日までそれぞれのグループで合計7回、2時間程度の会合が行われる。各会合にはメンバーの他に政府側等出席者として、麻生太郎副総理兼財務相、甘利明経済再生担当相、黒田東彦日銀総裁、経済財政諮問会議有識者議員が出席する。
議事の公開については、経済財政諮問会議の公開方法に準じて、(1)会議終了後、甘利大臣が記者会見(2)議事要旨を原則として点検会合終了後5日以内に作成し公開(3)議事録を4年後に公開(4)配布資料は原則公開−とされている。
各グループの顔ぶれを見ると、それぞれ2人程度が消費税増税に反対または消極的であるが、残りは条件付きまたは積極的な賛成論者である。経済財政諮問会議のように、甘利大臣が議事進行して、メンバーから意見を聴取するが、メンバー間で不平等にならないように時間配分し、1人当たりのプレゼンテーションは10分程度だろう。ひととおり各人の意見表明が終わったら、最後に、政府側等出席者から簡単な質問があり、メンバーがそれに答えて終わりだろう。
メンバー間での議論もなく、国会での公聴会のような一方的な意見陳述になるだろう。しかも、国会と違って全面フルオープンではないので、各メンバーの意見は、甘利大臣が「編集」して、記者会見で代弁することになる。その場合、甘利大臣が各メンバーの意見に軽重をつけなければ、多数意見は増税賛成または積極的、少数意見が増税反対または消極的不可となるだろう。
以上のような推測ができるようなメンバー、人数、会合設定であるが、こうして簡単に予想がつくようではダメだ。今回の会合は、各層から侃々諤々(かんかんがくがく)と意見が出て、結果として消費増税賛成と反対が同じウエートの両論併記にして、「首相、ご裁断を」とすべきだ。
結論が見える会議の設定は、官僚にとっては好都合である。しかし、最終決断を下す政治家にとっては面白くない。用意された結論通りであれば、官僚の言いなりといわれ、用意された結論に反するのであれば、なぜ会合を開いたのかと非難される。
唯一の救いは、消費税増税に慎重とされる安倍晋三首相と菅義偉官房長官が会合には同席しない予定であることだ。麻生大臣と甘利大臣が、会合結果をどのようにまとめて首相に報告するか。その上で安倍首相はどのような判断をするのか。この秋の動向が安倍政権の試金石となる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。