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2013年08月27日
君塚栄治という陸上幕僚長(61)がきのう8月26日に、退任を直
前に控えて東京・市谷の防衛省で記者会見を開いたという。
その模様をきょう8月27日の各紙が一斉に取り上げている。
君塚陸幕長は東日本大震災の際に自衛隊の現地指揮をとったトップで
あり、その会見も当時の思い出を語ったらしい。
各紙の報道もその事を伝えている。
ところが、日経新聞だけは見逃せない発言を報じていた。
すなわち安倍政権が検討している自衛権行使の容認問題について「現
実に法律を合わせていく議論だと思う」と語ったというのだ。
今の政府解釈では国連平和維持活動(PKO)に参加した自衛隊が他
国軍を救援できない点などを念頭に、「法律と予想される任務との間に
ギャップがあり現場として危惧した記憶はある」と語ったという。
ヒゲの佐藤のように政治家になった元自衛隊員が言うのならまだ許せ
る。
その政治責任を追及すればいい。
しかし君塚氏は退任間近かといえども現職の陸幕長である。
その自衛官が、憲法は現実に合わなくなったので変える必要があると
言っているのである。
これ以上のシビリアンコントロール逸脱発言はない。
憲法遵守義務違反の発言はない。
私が驚いたのは、記者会見でこのような発言を堂々と行なったにも関
わらず、それを聞いていた記者たちが、何の問題意識もなく、それを見
過ごしたということだ。
しかし、少なくとも日経新聞は、一段の小さな記事であっても、はっ
きりと書いた。
あとは世論やメディアや護憲政治家がこの君塚陸幕長の発言を日経新
聞の記事で知ってどう対応するかだ。
もしこのまま何の議論も起きないようでは、もはやこの国からシビリ
アンコントロールという言葉はなくなったも同然である。
そこまでこの国は憲法9条や安全保障政策について麻痺してしまった
ということだ。
これでは安倍首相の暴走が見逃されるはずである(了)
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