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★「天木直人氏の視点ー(2013/08/26)★ :本音言いまっせー!
福島原発事故が起きて間もない2011年5月28日に小泉元首相が
地元横須賀で講演したことがあった。
この講演のさわりの部分を私は2011年6月3日発行のメルマガ
第385号「これが小泉元首相の脱原発論である!」で次のように
紹介した。
「自民党政権時代において原発の安全性を信用して推進してきました。
過ちがあったと思うんですね・・・これからはもう、この原発をね、
更に増やしていくことは無理だと思いますね。いかに原発への依存度を
下げていくか。安全対策をしっかりやって、住民の理解を得たものに
ついてはゼロにするというわけにはいきませんから、これに対して
どう安全対策を取るか。また、危険なものについて廃炉にしていくか。
そういうことを我々が進めていかなければなりません・・・原発への
依存度を下げていくためには、ますます自然エネルギーの推進・開発を
していかなければならない。これを世界が、フランス、アメリカ、
ロシア、中国、インド、原発推進している国が倣うかもしれない。
日本はどうしたらいいのか。外国が倣うような、
そういう自然エネルギーの開発促進に力を入れなくてはならない。
日本国民なら、世界に先駆けて様々な自然エネルギーの開発ができる、
と思っています・・・
世界が注目しております。この大惨事、地震と津波と原発事故という
三重苦をどのように日本から克服するかを。このピンチを、我々は
チャンスと思って頑張っていかなければならない・・・」
そして私はそのメルマガを締めくくった。
対米従属の小泉首相を誰よりも批判して来た私だが、脱原発に目覚め
た小泉元首相には期待したいと。
それから2年あまりたって、今でもまだ小泉首相は原発ゼロを訴えて
いた。
いやますますその脱原発ぶりは進化していた。
そのことを教えてくれる貴重な記事を見つけた。
きょう8月26日の毎日新聞のコラム「風知草」で山田孝男氏が要旨
次のように書いていた。
すなわち小泉元首相は8月中旬、三菱重工業、東芝、日立製作所の
原発担当者幹部やゼネコン幹部計5人と、脱原発のドイツと原発推進の
フィンランドを視察したという。
その時、ある幹部が道中、次のように小泉首相に言ったと言う。
「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれ
ませんか」と。
それに対し、小泉首相はこう答えたという。
「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとして
ね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、
『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信
が深まったよ」
帰国した小泉首相に感想を聞いた山田孝男氏はその時の小泉首相の
言葉をさらに次のように紹介している。
「脱原発、行って納得、見て確信」
「原発ゼロしかないよ」
「(今すぐゼロは暴論という声が優勢ですがとの問いに)逆だよ、
逆。いまゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいん
だよ。野党はみな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる」
「戦は撤退がいちばん難しいんだよ。撤退が。昭和の戦争だって、
満州から撤退すればいいのに出来なかった。『原発を失ったら
経済成長できない』と経済界は言うけど、そんなことはないね。
昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって日本は
発展したじゃないか」
「敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。
自然を資源にする循環型社会を日本がつくりゃいい」
これらの発言を、引退した小泉首相の無責任発言と一笑に付すことは
簡単だ。
しかし、安倍首相を批判して再び自民党に変わる野党政権を求める
よりも、安倍自民党政権を引きずり下して小泉自民党政権を担ぎ出した
ほうが手っ取り早いのではないか。
そう思わせる山田孝男氏の記事であった。
それにしてもこのような面白いエピソードがまったく伝わってこない
のはどうしてなのか。
これもまた安倍政権下の原子力推進派とそれに従属した大手メディア
の報道自粛なのか。
このメルマガを読んだ日刊ゲンダイや週刊紙が後追い記事を書いて
くれることを期待したい。
◇
風知草:小泉純一郎の「原発ゼロ」=山田孝男
http://mainichi.jp/opinion/news/20130826ddm003070155000c.html
毎日新聞 2013年08月26日 東京朝刊
脱原発、行って納得、見て確信−−。今月中旬、脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想はそれに尽きる。
三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行した。道中、ある社の幹部が小泉にささやいた。「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれませんか」
小泉が答えた。
「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」
「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」
3・11以来、折に触れて脱原発を発信してきた自民党の元首相と、原発護持を求める産業界主流の、さりげなく見えて真剣な探り合いの一幕だった。
呉越同舟の旅の伏線は4月、経団連企業トップと小泉が参加したシンポジウムにあった。経営者が口々に原発維持を求めた後、小泉が「ダメだ」と一喝、一座がシュンとなった。
その直後、小泉はフィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」見学を思い立つ。自然エネルギーの地産地消が進むドイツも見る旅程。原発関連企業に声をかけると反応がよく、原発に対する賛否を超えた視察団が編成された。
原発は「トイレなきマンション」である。どの国も核廃棄物最終処分場(=トイレ)を造りたいが、危険施設だから引き受け手がない。「オンカロ」は世界で唯一、着工された最終処分場だ。2020年から一部で利用が始まる。
原発の使用済み核燃料を10万年、「オンカロ」の地中深く保管して毒性を抜くという。人類史上、それほどの歳月に耐えた構造物は存在しない。10万年どころか、100年後の地球と人類のありようさえ想像を超えるのに、現在の知識と技術で超危険物を埋めることが許されるのか。
帰国した小泉に感想を聞く機会があった。
−−どう見ました?
「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」
−−今すぐゼロは暴論という声が優勢ですが。
「逆だよ、逆。今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」
「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難しいんだよ。撤退が」
「昭和の戦争だって、満州(中国東北部)から撤退すればいいのに、できなかった。『原発を失ったら経済成長できない』と経済界は言うけど、そんなことないね。昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって日本は発展したじゃないか」
「必要は発明の母って言うだろ? 敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」
もとより脱原発の私は小気味よく聞いた。原発護持派は、小泉節といえども受け入れまい。5割の態度未定者にこそ知っていただきたいと思う。(敬称略)
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