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「ひろめる会」理事長 浅妻さん 学校現場の思考停止憂う
漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を松江市教委に求められた小中学校で、ほとんどの校長が要請に従っていた。自由に読める学校はわずか一校のみ。作品を海外に広めてきたグループの代表で、金沢市長坂の浅妻南海江さん(71)は「行政の判断に唯々諾々と従う学校現場の姿は、戦前と同じ」と危ぶむ。“ゲン”を排除したものは何だったのか。(中山洋子)
「大人も子どももゲンを通して被爆を追体験し、戦争の愚かさを学んできた。大きな役割を果たしているゲンをなぜ学校図書館から締め出すのか」
市内の自宅で浅妻さんが憤った。
浅妻さんらのグループは、一九九四年からゲンをロシア語や英語などに翻訳し、広島の被爆体験を伝えてきた。このグループを母体にNPO法人「『はだしのゲン』をひろめる会」を結成、理事長に就任した。「ゲンによって初めて多くの外国人が被爆の実相に触れている。米国からは『きのこ雲の下にどれだけの人がいたかを想像していなかった』という感想も多い。ロシアでは科学者さえ『核兵器は恐ろしい。二度と使用してはならない』という手紙をくれた」
作品の力を知るだけに、今回の松江市教委の閲覧制限には耳を疑った。市教委側は残虐な場面があることを子どもたちへの閲覧制限の理由にするが、浅妻さんは「怖ければ読み飛ばせばいい。ゲンには学ぶところはいっぱいある。戦争は怖いという気持ちが心に残ることこそが大切ではないか」と批判する。昨年末に亡くなった作者の中沢啓治さんとも親しく、生前に中沢さんが「戦争や原爆を(飲みやすくする)甘い被膜で包めば、子どもは戦争や原爆を甘く考える」と懸念していたと振り返る。
NPOとして松江市教委にも抗議文を送り、閲覧制限の再考を訴えた。その中でも、浅妻さんは学校現場の思考停止を憂いた。「子どもたちを戦争に送り出したのは、ものを言わぬ教師たちだった。ゲンを自由に読めなくした経緯のあいまいさこそ危うい。教育者はその責任を感じてほしい」と訴えた。
「はだしのゲン」をめぐる松江市教委の動き
松江市教委は昨年十二月、市立小中学校の校長会で過激な描写があるとして学校図書館での閲覧を制限し、貸し出しもしないよう要請。今年一月にも再度、閉架措置の徹底を要請していた。市教委によると、現在、小学校一校をのぞき、ほぼすべてで閲覧を制限している。この措置は全国から反発を招いており、市教委は閲覧制限の撤回も検討。二十二日の会議で結論が出ず、二十六日の臨時会に先送りされた。
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20130824/CK2013082402000034.html
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