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★孫崎享氏の視点ー<2013/08/23>★ :本音言いまっせー!
漫画「はだしのゲン」の閲覧制限は単に一漫画の閲覧制限に限らない。
今日本全土を覆っている右傾化と、好ましい言論を排斥する動きと
密接に関連している。こうした動き一つ一つを阻止する動きを続けないと、
日本は大変な方向に行く。
この中でうれしいニュースがある。
それは個々人が行動をとることによって、明確に行政を動かしている。
原発の再稼働問題といい、今回の「はだしのゲン」をめぐる動きもそうだ。
私のツイッターは次の通り。
「はだしのゲン:ここは正念場だ。
下村文科相は「閲覧制限特段の問題はない、教育上好ましくないと考える人
が出るのはあり得る」一方で松江市教委等に1253件の抗議等。
22日朝日「はだしのゲン閲覧制限 松江市教委協議、結論先送り。」
そして、また、素晴らしいジャーナリストが生きていたことも示した。
次の社説を見て欲しい。信濃毎日社説である。
「はだしのゲン 子どもに目隠しするな 08月21日(水)」
ぼくは、若い世代に期待しているんです。だから若い世代、子どもたちに
語りかけていって、戦争と原爆の実態をしっかり教え込んでいくことでしか、
日本は本当に平和を守れないのではないか―。
広島での被爆体験を基にした漫画「はだしのゲン」の作者で、昨年12月に
亡くなった中沢啓治さんは「はだしのゲンはヒロシマを忘れない」
(岩波ブックレット)の中でこう書いている。
炎に包まれて死亡した父の言葉「麦のように強く生きろ」を胸に、
貧困や家族の死を乗り越えてたくましく生きる少年の姿を描いた「ゲン」は、
多くの人に支持され、累計出版部数が1千万部を超える。
英語をはじめ約20の言語に翻訳もされている。
その「ゲン」を、松江市教育委員会が、子どもが自由に閲覧できない閉架
の措置を取るよう市内の全市立小中学校に要請、各校が従っていたことが
明らかになった。「一部に過激な描写がある」というのが理由だ。
鳥取市立図書館でも、小学生の保護者のクレームをきっかけに2年前から
児童書コーナーから事務室内に別置きしていた。
戦争は残酷で非人間的だ。そこから目を背けるばかりでは実態は伝わり
にくい。松江市や鳥取市の措置は、中沢さんら被爆者の願いを踏みにじる
だけでなく、表現の自由や知る権利に関わる重大な問題だ。
見過ごすことはできない。閲覧制限を撤回すべきだ。
松江市のケースは制限の決定過程が不透明という問題もある
昨年8月、作品の歴史認識をめぐって市民が学校の図書館から撤去を
求める陳情をした。市議会は不採択とした。にもかかわらず市教委は、
議会で「大変過激な文章や絵がこの漫画を占めている」という意見が出た
との理由で、校長会に学校での閉架を要請した。
しかも、このような重要な判断を教育委員に諮らず、当時の教育長ら
事務局だけで決めている。合議の教育委員会制度を軽視するものだ。
批判を受け、あす、教育委員が参加する会議を開く。
子どもの感性をもっと信じてほしい。中沢さんは「―忘れない」で、
こんなエピソードを紹介している。「ゲン」を読んだ子どもが「こわい」
と泣き、夜トイレに行けなくなった―と親から抗議の手紙が来た。
それにこう返信した。
「あなたのお子さんは立派です。トイレにいくのをこわがるぐらいに
感じてくれた。…褒めてやってください」
ぼくは、若い世代に期待しているんです。だから若い世代、子どもたち
に語りかけていって、戦争と原爆の実態をしっかり教え込んでいくこと
でしか、日本は本当に平和を守れないのではないか―。
次に経緯と反応を記しておきたい。
A:経緯
松江市教育委員会が、原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」を
子供が自由に閲覧できない「閉架」の措置を取るよう市内の
全市立小中学校に求めていたことが分かった。市教委によると、
首をはねたり、女性に乱暴したりする場面があることから、昨年12月に
学校側に口頭で要請。
これを受け、各学校は閲覧に教員の許可が必要として、貸し出しは禁止
する措置を取った(18日産経)。
市教委の古川康徳副教育長は「作品自体は高い価値があると思う。
ただ発達段階の子供にとって、一部の表現が適切かどうかは疑問が残る
部分がある」と話している。
市教委の古川康徳副教育長によると、昨年8月に市民から学校の
図書館から作品の撤去を求める陳情があり、当時の教育長や副教育長らで
協議。昨年12月の校長会で学校側に「子どもだけで見るには一部に
過激な描写があり教員のフォローが必要」として、閉架の措置を取る
よう要請した(21日産経)。
市教委が昨年12月、首をはねたり、女性を乱暴したりするなどの描写を
問題視し、市内の全市立小中学校の校長に対して閉架措置を取るよう
口頭で要請。(22日産経)
鳥取市立中央図書館では利用者 からの苦情を受けて事務室に移し、
自由に手に取れない状況だった(22日日本海新聞)。
B;政府・与党の反応
・下村文部科学相は21日の閣議後会見で、
「学校図書の取り扱いについて学校に指示するのは、教育委員会の通常の
権限の範囲内」と述べ、法令上問題ないとの見解を示した。
下村文科相は「学校図書館は子供の発達段階に応じた教育的配慮が必要。
一般的な表現の自由に反することには当てはまらない」と述べた。
(21日産経)
・菅官房長官は21日、松江市教育委員会の対応は妥当だとの認識を示し
ました。 「設置した地方公共団体の教育委員会の判断によって、学校に
対して閲覧制限等、具体的な指示を行うことは、通常の権限の範囲内
だろうと思っている」(21日TBSニュース)
同市教委は作品中に、首をはねたり、女性に乱暴したりする場面がある
ことから、昨年12月、学校側に閲覧制限を口頭で要請。これを受け、
各学校は閲覧に教員の許可が必要として、貸し出しを禁止する措置を
取った。
下村文科相は「学校図書館は子供の発達段階に応じた教育的配慮が必要。
一般的な表現の自由に反することには当てはまらない」と述べた。
B:制限を批判的にみる動きー政治面
公明党:22日山口那津男代表。「これまでみんな見ることができて
(漫画で描かれた)表現もずっと享受されてきた。知る機会はきちんと
保たれた方がいい」(22日産経)
県教育委員会の中島諒人委員長は「子どもたちが自由に読み、考える機会
を奪うことは失うものの方が大きい」と指摘(日本海新聞
同市教委には19日夕までに全国からメールで979件、電話で205件
などの意見が寄せられた。9割は苦情や抗議という(20日毎日新聞)
新聞の反応
閲覧制限はすぐ撤回を」(20日付朝日新聞)
「戦争知る貴重な作品だ」(同日付毎日新聞)
「彼に平和を教わった」(21日付東京新聞)
「はだしのゲン」はどんな本か(21日産経新聞;
「閉架措置うんぬん以前に、小中学校に常備すべき本だとはとても思えない。
(「はだしのゲン」はどんな本か政治部編集委員)
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