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2013年08月23日 Electronic Journal
田代政弘検事の取調べの一部始終を石川知裕氏が録音したのは
2010年5月17日のことです。その取り調べのなかには捜査
手法上問題になるところが多くあり、石川弁護団としては、この
内容を精査し、2010年12月15日に録音の反訳書を証拠と
して採用するよう裁判所に求めたのです。検察側が録音の反訳書
の存在を知ったのはそのときがはじめてです。
しかし、そのとき石川弁護団は、それに基づく捜査報告書があ
り、それが第5検察審査会に捜査資料として提出されていたこと
を知らなかったのです。ただ、録音反訳書の存在を知った検察が
あまりに驚愕したのを不思議に思っていたのです。
一方東京地検特捜部側は、「これはまずい」と思ったのです。
上から下まで捜査報告書──田代政弘検事の捜査報告書とそれを
ベースとした斉藤隆博特捜部副部長の捜査報告書の内容を知って
おり、録音反訳書の中身と合致しない、すなわち虚偽部分がある
ことを知っていたからです。
しかし、捜査報告書はこの時点では表に出ていないのです。捜
査報告書は内部資料であり、公表する必要はないし、検察審査会
は秘密裁判だから、その提出資料は公表されない──そう考えて
検察はだんまり作戦でことを収めようとしたのです。
しかし、これは検察側の大誤算だったのです。それは、小沢氏
が2011年1月31日に強制起訴され、小沢側弁護団が強制起
訴の判断材料になった特捜部の第5検察審査会への提出資料の全
面開示を求めたからです。
小沢弁護団は、強制起訴そのものが違法であると主張しており
その判断資料の開示を求めるのは当然のことです。まして小沢弁
護団は弘中惇一郎弁護士を主任とする強力な弁護団であり、検察
審査会へは何らかの捜査報告書が提出されているに違いないと見
て、全資料の開示を求めたのです。
これに対して検察官役の指定弁護士は拒否しましたが、小沢弁
護団は裁判所にそのことを強く訴えた結果、裁判所からの要請で
指定弁護士は検察が検察審査会へ提出した全資料を開示せざるを
得なかったのです。ここで、はじめて田代検事と斉藤副部長の捜
査報告書の存在が明らかになったのです。
この場合、検察が起訴した裁判であったなら、裁判所に何をい
われても、捜査報告書は提出しなかったはずです。なぜなら、も
し虚偽捜査報告書が明らかになれば大不祥事になり、検察が崩壊
しかねなかったからです。しかし、小沢裁判は検察審査会による
強制起訴であって、相手が検察官役の指定弁護士だったから、表
に出てしまったのです。彼らが命がけで守らなければならないも
のではなかったからです。
捜査報告書が表に出ると、広がるのも早かったのです。田代捜
査報告書などはネットを通じて広がり、私自身も全文手に入れて
います。さすがの新聞もこれを大きく伝えたので、検察がこうい
うデタラメな捜査報告書を作って罪のない人を犯罪人にしている
ことが分ってしまったのです。
当然法務・検察は防衛本能を発揮して、組織を守ろうと動き出
したのです。2012年1月に法務大臣になった小川敏夫氏は、
虚偽捜査報告書について、法務省の高官にそのことを聞いていま
す。そのやり取りをご紹介します。
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小川:捜査報告書と録音を比べてみれば、虚偽としか言えない
んじゃないか。
高官:ま、そこはいま検察のほうで、しっかりと検討している
と思いますが。記憶違いと言っているものを嘘だと断定
するのもなかなか難しいところがあると思います。
小川:それでは国民は納得しない。比べてみれば誰でも嘘だと
思う。国民の理解を得られないと検察の信頼はますます
地に落ちてしまう。
高官:検察も努力していると思いますが、大臣もおわかりのよ
うに、嘘だと完全に立証しなければ立件できません。
小川:国民に事実を明らかにして声を聞いてみたらどうか。
高官:なにぶんにも捜査資料ですから、公表はちょっと。
小川:検察の信頼を回復するためには事実を明らかにすること
が大切だ。田代検事だって正義感に燃えて検事になった
んだろう。検察の使命を説いて説得すれば、話すんじゃ
ないか。
高官:そこがなかなか。
小川:裁判所の指摘も随分と厳しいし、週刊朝日が特報した記
事(田代検事の虚偽捜査報告書と5通の捜査報告書につ
いて検察審査会の議決誘導疑惑を報じたもの)も的を射
ているじゃないか。それが国民の受け止め方だと思う。
高官:大臣の考えは、改めて検察に伝えておきます。
──小川敏夫著「指揮権発動/検察の正義は失われた」
朝日新聞出版刊
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法務省高官は防戦一方です。田代捜査報告書にある「ヤクザの
子分が親分をかばうなんて」といっておきながら、法務・検察全
体がそれと同じことをして、田代検事には不起訴処分(検察審査
会も捜査終了)を下す一方で、石川氏をはじめとする小沢3元秘
書全員を有罪(石川氏のみ最高裁に上告)にしているのです。こ
んなことを許せるでしょうか。
官僚は組織を守るためには何でもするのです。ヤクザもそれは
同じです。田代元検事がヤクザを例にとって表現したのは、自分
たちがいつもやっていることを書いたまでです。ところで、田代
氏はまた告発されたそうです。何回やっても結果は同じでしょう
が、これは国民が怒っていることのあらわれです。
官僚組織の広報紙に成り下がっている大メディアは、こういう
検察の許されざる不正を糾弾しませんが、いずれ信用が失墜して
経営不振になり、アマゾンあたりに買収されてしまうのではない
でしょうか。いずれにせよ日本は官僚機構の大改革が必要ですが
自民党では駄目です。 ── [自民党でいいのか/39]
≪画像および関連情報≫
●虚偽報告書事件の隠蔽捜査について/前田恒彦元検事
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昨年(2012年)の5月8日。満期出所が1週間後に迫った
私は、配役先の静岡刑務所・図書計算工場で担当刑務官らに
謝辞を述べた後、釈放前教育用の独居房に移った。ここは、
教育ビデオを見たり、必要書類を作成したり、不要品を処分
するなど、刑務所における最後の反省の時間を一人静かに過
ごすところだ。その矢先の午後1時すぎころ、「取調べだ」
と言われて刑務官から突然呼び出され、事務棟にある取調べ
室に向かうこととなった。受刑者には事前に何の情報も伝え
ないというのが刑務所のルールだから、誰が何のために来た
のか全く分からない。すると、取調べ室には2名の男性がい
た。私のよく知る中村孝検事と、初めて見る東京地検の若い
検察事務官だった。この中村検事は、検察の序列で言うと私
の6期上であり、先輩に当たる。九州出身。細身だが、当た
りは柔らかい。東京地検特捜部にも通算で2年在籍し、元建
設大臣による受託収賄事件など、著名事件の捜査に携わった
経験もある。また、国税や証券取引等監視委員会と並ぶ「特
捜部の兄弟組織」の一つである公正取引委員会への出向歴も
ある。上意下達やストーリー先行といった「東京特捜方式」
を十分に知り尽くした人物だ。 http://bit.ly/14ewyow
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