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http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130821/plt1308211152001-n1.htm
2013.08.21
「3年後は間違いなく『衆参ダブル選挙』だ。その1年前ぐらいにはいい流れを作りたい」
今月6日夜、都内のホテルの中華料理店で、官房長官の菅義偉は当選1、2回の衆院議員と、当選したばかりの参院議員ら十数人で会談し、そう宣言した。最近は慎重な発言に終始している第2次安倍晋三政権のスポークスマンとは思えないほど、この日の菅の舌は滑らかだった。
■消費増税には慎重
7月21日の参院選で自民党が圧勝し政権の足場が盤石となったことで、党内には「首相が年内の内閣改造に消極的だ」との見方が広がる中でも、菅は「内閣改造は秋にある。副大臣、政務官も代わる」と正反対の見方を強調した。
ひとつの長いテーブルを全員で囲んで食事をする光景は、映画「ゴッドファーザー」のワンシーンを彷彿(ほうふつ)させ、結束の強さを際立たせた。集まった若手らは、いずれも菅を「兄貴」「親分」と慕う議員ばかり。中には党内の有力派閥に所属する議員の姿もあった。
菅の面倒見の良さは永田町で定評がある。役所の仕組みが分からない若手議員には、中央省庁の官僚らとの会合をセットする。選挙では応援弁士の手配まで買って出る。
自らグループを作る気はなくても、若手議員らは近く「スガ・グループ」を立ち上げる可能性をにおわせている。党内基盤は着実に固まりつつある。
首相の安倍にとって、消費税率引き上げや環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の決断、集団的自衛権行使の容認、成長戦略の加速化に向けた法案審議を行う臨時国会など、この秋に乗り越えるべき課題が山積している。
特に、消費税では、税率を来年4月に8%、平成27年10月に10%にそれぞれ予定通り引き上げるかどうかをめぐり、政権、党内に賛否両論が渦巻く。菅は増税慎重派だ。6日の会合では「平成27年の増税は個人的に反対だ。ダブル選挙にならなくなるだろう」と強調した。
■各方面ににらみ
情報収集にも余念がない。午前5時過ぎに起床し、同7時過ぎには議員宿舎を出て、国会近くのホテルなどで朝食を取る。ときには他党の議員も呼ぶ。酒を飲めないのに夜は何軒も会合をハシゴし、党内情勢を探る。上京してきた地方議員との記念撮影のために顔を出すというサービス精神もある。
一方で各方面ににらみを利かす重量級の官房長官のイメージも定着しつつある。初当選したときの官房長官であり、「政治の師」と仰ぐ故梶山静六の手法と酷似している。
閣僚や党幹部らの失言の「火消し」役に回ることも。副総理兼財務相の麻生太郎が7月29日の講演で憲法改正に絡んで戦前ドイツのナチス政権を引き合いに出した発言が波紋を広げると、麻生に電話で「誤解されている」と撤回を促し、沈静化を図った。
■政局勘が課題
官房長官就任までは「暴れん坊」の印象が付きまとった。本会議採決の「造反」常習犯であり、当時の首相、森喜朗を降ろす平成12年の「加藤の乱」に加担したこともある。
他党との接触もマメだ。20年3月、のちに首相となる野田佳彦(民主党)を共同代表に担ぎ、「せんたく議員連合」の発足に奔走。「官僚政治からの脱却」を掲げ、政権奪取の可能性が高まっていた民主党とのパイプづくりに励んだ。
政権復帰前から、憲法改正で考え方を共有する日本維新の会共同代表の橋下徹との関係構築に汗を流した。維新とつながりの深い元経済企画庁長官、堺屋太一を内閣官房参与に起用するよう安倍に進言、「官邸と直結する」と久しぶりに橋下を喜ばせた。
安倍政権の支柱であることは言うまでもない。それだけに、政局勘が課題となる。20年秋、首相に就任したばかりの麻生が衆院解散を検討していたのを、先送りするよう進言し、翌年の衆院選で自民党は惨敗した。菅の進言が政権の命運を左右する。
安倍からの信頼は、「首相」という野心をみせず黒子に徹する姿勢にある。ただ、複数の派閥を渡り歩き、「加藤の乱」後は元幹事長、加藤紘一と別行動を取るなど政治行動が定まらない一面も否定できない。
3年後の「ダブル選挙」まで、菅は安倍に仕え続けているか。=敬称略
(山本雄史)
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7月の参院選で衆参のねじれが解消し、永田町は久しぶりの「静かな夏」を迎えた。この間、政権や野党の有力者は秋以降の政局をどう描いているのか。5人に焦点を当てて連載する。
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【プロフィル】すが・よしひで
昭和23年、秋田県生まれ。64歳。高校卒業後、「集団就職」で上京。国会議員秘書、横浜市議2期を経て、平成8年に衆院神奈川2区から出馬し初当選。連続6期。18年、第1次安倍内閣の総務相、郵政民営化担当相で初入閣。衆院議院運営委員会筆頭理事、自民党幹事長代行などを歴任し、24年、第2次安倍内閣で官房長官、国家安全保障強化担当相に就任した。
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