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http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130821/plt1308211155002-n1.htm
2013.08.21
「みなさんの悔しさの中から党再生の糧を得ていきたい。何を言ってもらっても結構ですから…」
19日に民主党本部で行われた党執行部と先の参院選落選者との懇談会。党代表の海江田万里はこう語りかけ、自らの使命は野党再編ではなく、あくまでも党再建にあることを強調した。
出席した落選者10人からは、党名変更を念頭に「ドラスチックな改革をすべきだ」との声や「民主党への拒絶感は強かった」との嘆きが相次いだ。
■細野氏の“謀反”
海江田は近く小規模の役員人事を行い、役員体制を縮小する方針だ。小回りをきかす体制にすることで、リーダーシップを発揮しやすくする狙いだが、その程度のことで求心力が生まれるほど、事態は甘くない。
衆院選、都議選、参院選と3連敗した事実はあまりにも大きい。先の両院議員総会で辞任判断の時期を1年後まで先送りしたが、5日の北海道・東北ブロックの幹事長会議では進退の判断について「遅くても年内だ」と海江田を突き上げる声が上がった。
党内にはお盆を明けてもなお代表選実施論がくすぶっている。22日に行う全国幹事長会議では「海江田降ろし」が再び火を噴く可能性は大きい。その“謀反”の流れを作ったのは、参院選の責任者として懇談会に同席した前幹事長、細野豪志だ。
■再編の動き警戒
細野は参院選翌日の7月22日の幹部会合で代表選実施を訴えた。細野周辺は「代表選に海江田が出馬して再選すれば信任されたことになる」と説明するが、代表選実施が海江田の辞任を意味する以上、海江田は首を縦に振るわけにはいかなかった。同時にすぐさま「海江田降ろし」と感付き、不信感を募らせた。
野党再編の狙いも感じ取った。再編の是非を争点に代表選を行えば、再編積極派の非労組系と、慎重派の労組系で民主党は分裂しかねない。党再建が最優先の海江田にとって再編は二の次でしかない。
この点で海江田と細野のスタンスは異なる。今月19日の懇談会でも落選者が「改革勢力を一つにしなければならない」と再編の必要性を訴えると、海江田は苦笑い。これに対し、細野の表情は真剣そのものだった。
他の野党を眺めると、日本維新の会共同代表の橋下徹(大阪市長)は「大阪都構想」実現に専念する構え。みんなの党は代表、渡辺喜美による前幹事長、江田憲司の更迭など内紛が起き、不安定な党運営を余儀なくされている。生活の党や社民党は縮小傾向。再編を焦ることはない−。これが海江田の本音だ。
最近では「海江田降ろし」の動きに「さすがにこたえる」と漏らすが、それでも代表選を実施する気はない。昨年の衆院選後の代表選で有力な候補が出ない中、「あえて火中のクリを拾った」との自負も強い。
■透けるリベラル色
それでは、海江田が目指す方向性とは何か。透けてみえるのは「リベラル政党」としての再建。もともとリベラル色が強い政治家として知られ、初当選時に属した日本新党が解党された後、社会党で委員長を務めた山花貞夫と「市民リーグ」を結成したことは、海江田の政治的スタンスを知る上で重要な出来事といえる。
海江田を支える面々に、日立労組出身の幹事長、大畠章宏や日教組出身の参院副議長、輿石東ら労組出身が目立つのも、海江田の政治理念と無関係ではない。
都連関係者は「経済評論家出身でソフトなイメージだが、選挙では労組を押さえ、したたかに戦っている」と語る。労組の下支えなしに党再生はないとの思いは人一倍強い。維新やみんなから労組依存体質を批判されても、そこは譲れない一線でもある。
先月30日には、自身の「フェイスブック」に、中国の晩唐期の詩人、杜牧の漢詩を掲載した。
「包羞忍恥(はじをつつみ、はじをしのぶ)」
漢楚の戦いに敗れて自らの命を絶った項羽について、恥を忍んで捲(けん)土(ど)重来を期していれば、その後の結果は分からなかった、という思いを詠んだ詩が出典だ。海江田は続けて「恥を忍んで、民主党の再建に目鼻がつくまで代表を続けさせてほしい」と書き込んだ。
項羽とは違ういばらの道を選んだ海江田。しかし、他の野党が自壊するのをただ待ちながら、崖っぷちで踏ん張るだけでは、「無策」のそしりは免れない。=敬称略
(桑原雄尚)
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【プロフィル】かいえだ・ばんり
昭和24年、東京都杉並区生まれ。64歳。衆院当選6回。47年に慶大法学部卒業後、野末陳平参院議員秘書を経て、経済評論家として活躍した。平成5年衆院選東京1区に日本新党から出馬し初当選。8年に旧民主党結党に参加し、10年の新民主党発足後は政調会長などを歴任。菅直人政権で経済財政担当相、経済産業相を務めた。趣味は映画観賞、漢詩。
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