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2013/8/20 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
新橋でサラリーマンの話を聞いた池上彰氏が「多くの人がアベノミクスに懐疑的になっている」と書いていたがホント、そうだ。今や、アベノミクスとやらに期待している庶民は皆無ではないか。大新聞は一度、世論調査で聞いてみるといいのだ。「あなたは来年、給料が上がると思いますか?」と。
給料が上がらなければ、アベノミクスは破綻する。異次元緩和もインフレ目標も、いずれ給料が上がることが前提なのだ。それがなければ、単なる物価高で、庶民の生活はますます苦しくなってしまう。そこに消費増税が重なれば、万事休すだ。個人消費は冷え込み、景気はどんどん悪化する――。
で、その給与(基本給)は13カ月連続マイナスなのだ。厚生労働省は6月の現金給与総額が「5カ月ぶりに増えた」と発表していたが、1年前に比べて0・1%増えただけ。これは安倍首相の“ドーカツ”で大企業のボーナスが若干、上がったことが要因だ。パート労働者はというと、0・2%減った。額は10万1172円――。これでどうやって、暮らすのか。政府は失業率が4%を切ったと胸を張っているが、増えたのは非正規雇用80万人、その分、正社員は減っている。
で、庶民だって、ようやく気づいたのである。アベノミクスのインチキに。
◆染み付いている「お上」に逆らわないDNA
それなのに、この国は奇怪だ。国民が怒らず、傍観している。
安倍はというと、連日、狂ったようなゴルフ三昧。政府の月例経済報告は「デフレ状況ではなくなりつつある」と強弁し、黒田日銀総裁は「(設備投資など景気指標に)持ち直しに向かう動き」とか言って、「(景気は)緩やかに回復しつつある」と言い張っている。
本来であれば、庶民は「いい加減にしろ!」と怒らなければウソなのだ。
筑波大名誉教授の小林弥六氏はこう言った。
「長いものに巻かれるというか、この国の国民には指導層の判断に唯々諾々と従えばいい、というDNAが染み付いているような気がします。民主主義が成熟した以上、国民がもっと意見を言わなければいけないのに、そうなっていない。私はこのDNAをファシズム的DNAと呼んでいる。こうした国民性がファシズムの温床になるのです。国民は先の大戦で、あれだけ悲惨な思いをしたのに、その体質は変わっていない。大本営が官邸に代わっただけで、その情報をうのみにしている。そんなお人よしな国民は世界中で日本だけです。安倍政権はアベノミクスの怪しさを露呈しているだけでなく、外交、安全保障でも危うさをむき出しにしている。“アベノリスク”に世界が警戒しているのに、日本人だけが鈍感なのです」
おかしい、怪しいと思ったら、声を上げるべきなのに、安倍政権に高支持率を与え、選挙も棄権する愚かさ。これじゃあペテン政権にやりたい放題をされてしまう。
◆ミニバブルすらなかったアベノミクスの大失敗
アベノミクスがなぜ、今後も期待できないのか。理由を挙げていけばきりがない。それなのに、異次元緩和や中途半端な財政出動、無意味な成長戦略を続ければ、その先に待っているのは地獄だ。国民生活はボロボロにされてしまう。
まず、異次元緩和は麻薬だ。マネーをジャブジャブにして、インフレを狙い、株価を吊り上げたところで、実体経済が伴わなければ、日銀=円の信用を毀損するだけだ。しかも、異次元緩和であふれたマネーが株式市場に向かい、にわかバブルを引き起こせば、異次元緩和をやめられなくなる。異次元緩和中毒である。米国がいい例だが、日本の場合、ミニバブルすらなかった。これじゃあ、ないない尽くしである。
「黒田日銀総裁は『戦力の逐次投入はしない』と宣言して、異次元緩和に踏み切りました。持てるカードはすべて切ったのです。その結果が、乱高下しただけの株価と賃金が上がる気配もない経済状況です。さあ、これからどうするのでしょう。さらに次にカードを切るのであれば、前言を翻すことになる。カードがないのであれば、アベノミクスは失敗になる。実は世界は日本経済の行方に重大な関心をもっています。6月末、日本の国の借金が1000兆円を超えました。このとき、海外のメディアは大々的に報じた。トリリオン(100兆)という単語を使わず、あえてゼロを15個並べて、記事にしたコラムもありました。しかし、日銀の黒田総裁はノープロブレムであると言い、せっせと国債を買っている。実は財務省のホームページを見ると、これまで国債暴落リスクについて、『政府が責任を持って償還いたしますので、ご安心ください』と書いてきた。最近は違って、『財政危機で国が信認を失えば、金利の大幅な上昇に伴い国債価額が下落し……』と書いている。明らかにいざというときに備えて、予防線を張っているのです」(ビジネス・ブレークスルー大教授・田代秀敏氏)
◆超円安で日本企業は外資の草刈り場に
こんな調子だから、IMFのブランシャール調査局長に「アベノミクスは世界のリスク」と言われたのである。
そんな中、慶大准教授の小幡績氏の新著も注目されている。「成長戦略のまやかし」(PHP新書)だ。成長戦略のインチキをズバリ指摘したもので、帯には「第三の矢はすでに折れている」と書かれている。小幡氏に聞いた。
「アベノミクスは成長戦略への投資を喚起すれば成長につながるとしています。そのための減税メニューなどもそろえていますが、その考え方そのものが誤っているのです。経済が右肩上がりであれば、設備投資が設備投資を生む好循環が生まれます。しかし、現在は右肩上がりでもないし、需要も労働力も増えない。そんな中で、設備投資を増やせば、余剰設備になってしまう。企業が投資しないのは今後、需要が増えるかどうかが見えないからです。日本は設備投資依存の経済構造から脱却すべきです。投資すべきは設備ではなく、新しいアイデアを出す人です。この点においてもアベノミクスは百パーセント間違っているのです」
それなのに、国民がおとなしいと、当然のごとく、増税され、財産は没収されていく。それで景気が良くなるわけでも、財政規律が健全化するわけでもないから、やがて、国債大暴落が待ち受けている。
円安が加速化し、日本企業や不動産は外資に「待ってました」で買われてしまう。日本経済は焼け野原になるのだが、そこで国民が怒ったところで、後の祭り。安倍独裁政権はますます、右傾化、横暴化して、続くわけだ。
財産も民主主義も奪われて、初めて、国民は気づくのだとしたら、どうにもならない。
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