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ラッコ氏の投稿に60歳年金支給の提言があった。私もその提言に賛成である。特に私は若者の就職難解決と言う観点から賛成する。実は私が教えている学校で次のような質問があった。その場面を再現する。私の名は「安心」ということにする。
D男が入ってきた。沈んでいる。
安心「暗いなあ。どうしたんだ」
D男「先生、今の世の中、暗くなりますよ、将来のこと考えると。先生、僕たちが卒業する時、景気はどうなっていますかね。今、公共事業にお金を投入していますけど、景気が回復すればいいのですが、景気が回復せず、そのまま財政赤字ということもあるし、僕たちの就職、どうなりますか」
安心「う……ん。そうだなあ、お前の気持ちはよくわかるよ」
D男「先生、なんとかなりませんか。先生だったらいい考えがあるはずです」
安心「む……ん。教えてもよいが、……。しかし、これは言えない。非常識だから。世の流れに逆行している」
D男「先生、そういわないで言ってください」
安心「いいかD男、絶対秘密だぞ。バレたら先生がミソクソに言われるからな。世の中の人は批判することは大好きだが、解決策を持たない。……お前が誰にも言わないなら、教えてあげる。秘密厳守だぞ」
D男「先生、もちろんです」
安心「おいD男、2008年のリーマンショック前の2007年、学生は大喜びだった。雇用が倍増し、前年、中小企業に就職できて喜んでいた学生と同じレベルの学生が、その年は大企業だ。2007年、多くの学生が大企業に就職できた。なぜか」
D男「先生、それ団塊の世代の退職でしょう。ベビーブーム世代が一斉に定年退職」
安心「まさにそのとおり。2007年、若者の就職難はすぐ解決した。ところが2008年、リーマンショックだ。また急激に雇用が減った。
今政府は、65歳まで定年を引き延ばそうとしている。これは逆に、若者の雇用を減らす。定年延長は会社にとっても負担だ。高額所得者を65歳まで抱えると、会社は潰れる。
今のところ、一度退職させて、本人が希望すれば非正規雇用にして雇う、という方法をとっている。そして正社員の時の給与の75%未満になれば、雇用保険でその差額を補助している。上限約34万円はあるが。
しかしこれは誤りだ。雇用保険のお金は高年齢者のためではなく、若者のために使うべきだ。若者は大変な就職難だ。また若者の3人に1人は仕事をやめる。このような時代には、若者の雇用を増やしたり、職業訓練をしたりして、雇用保険のお金を若者のために使うべきだ。
だから世の流れと逆行するが、定年退職は60歳とすべきだ」
D男「先生、定年60歳にすると、退職した人の生活はどうなるんですか。年金の支給は65歳からでしょう」
安心「そう、だれもが心配するところだ。D男、現行の制度でも60歳から年金を受け取ることができるんだ」
D男「そうなんですか」
安心「しかし、減額される。60歳から受け取ると70%になる。65歳で100%、70歳から受け取ると142%になる」
D男「どうしてそうなるんですか」
安心「もともと年金は60歳から受け取っていた。ところが政府は年金財政が苦しくなり、65歳からにしたんだ。急に65歳に引き延ばすと、生活できない人もいるから、60歳から受け取ることもできるようにし、その分70%に減額したのだ」
D男「今、60歳定年にしたら少ない年金で困るでしょう。ただでさえ少ないのに」
安心「本当にそうだ。40年間保険料を払って65歳から受け取る国民年金は、月に65000円台だ。サラリーマンは厚生年金が上乗せされるから、23万円ほどになる。しかしこれは40年間納めた人のことで、一般に、国民年金の平均受給額が5万円、厚生年金が15万円、公務員や私学の先生などの共済年金が22万円だ。これでは生活ができない。ケチケチ節約し、お金を使わない」
D男「それなら60歳定年は無理でしょう」
安心「そこで必要なのが最低保障年金だ。民主党が消費税とセットに出したが、消費税増税だけ成立し、最低保障年金は没になった。詐欺だ。だからこれを復活すべきだ。しかも60歳から支給する。
その額は生活保護費の生活扶助と同額にするとよい。東京で約9万円だから、これに統一するとよい。
ただし、最低保障年金を創設するだけで、現在の年金制度はそのままにした方が良い。年金制度は保険料を納めてから40年後に受け取るから、コロコロ変えるのは混乱のもとだ。9万円に上乗せするとよい。
そうすると60歳定年の人も、9万円に70%の年金がつき、13万円前後になる。同時に医療・介護を税方式にする。保険料方式はやめ、所得税の累進課税率をあげてまかなう。
なぜそうすると思う、D男」
D男「それ、生活保護との関係でしょ」
安心「その通りだ。生活保護を受けると医療・介護が無料になるからだ。整合性を保つ必要がある」
60歳定年で年金支給の最大のメリットは、高年齢者が引退し、若者の雇用が増えることだ。高年齢者の給与がボーナスまで含めて60万円だとすると、若者2人から3人を雇える。一挙に雇用が増える。現在、高年齢者に使っている雇用保険のお金は、若者に使える」
D男「いい案ですね」
安心「お金は将来性のある若者のために使うべきだ。老人は早く引退し、老後を自分なりに満足して生きるほうがよい。私の住んでいるJR駅に伊能忠敬の像がある。忠敬は早々と子供に家督をゆずり、測量術を学んで日本地図を書き上げた。50歳の時である。
幕末に来航したペリーは、日本支配のため地図を作ろうとしたが、すでに地図があったので驚嘆したという。その後ペリーは日本人の文化の高さにひかれ、日本びいきになったとも言われている。
勿論、働きたい人は、自分で工夫して仕事を探すとよい。最低生活が保障されているから、深刻ではないはずだ」
D男「いいですね」
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