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2013年08月20日 Electronic Journal
田代政弘検事(当時)が既に起訴されている石川知裕被告に事
情聴取ができたのは、2010年4月27日に第5検察審査会が
「起訴相当」を議決したからです。検察はそれを受けて再捜査を
行うことになり、その再捜査の一環として石川氏から事情聴取し
たのです。石川氏の録音はこのとき行われています。2010年
5月17日のことです。
検察審査会は、ある被告について検察が不起訴処分を出したさ
いにそれを不服として申し立てを行う、いわば検察をチェックす
る機関であるといえます。この法律──検察審査会法によって、
検察官が独占している起訴の権限(公訴権)の行使に民意を反映
させ、また不当な不起訴処分を抑制することを期する制度であり
その趣旨は決して悪くはないのです。
法案が作られるプロセスを考えると、議員立法以外は官僚機構
(検察審査会のような公訴権に関する法案は法務省)が作成する
ので、官僚たちにとって都合の悪い部分は、さまざまな抜け道を
用意して、事実上骨抜きにしてしまうことが多いのです。
もちろん国会で法案は審議されますが、現在の審議の状況を見
る限りでは、法案のすべてに議員のチェックが入るわけではなく
まして官僚の作った抜け穴など、ほとんどの議員は見逃してしま
うはずです。検察審査会法は1948年にできた法律ですが、そ
の後何回も変更が行われており、法律によほど精通していない限
り、いくら法務に強い議員でも細部まではチェックできず、その
まま成立してしまうことが多いのです。
そういう意味で、この検察審査会は検察にとってそれほど恐ろ
しいチェック機関ではないのです。むしろこの制度を悪用し、証
拠不十分で不起訴にせざるを得なかった容疑者を検察審査会の審
査によって強制起訴することも不可能なことではないからです。
小沢一郎氏の場合がまさにそれに該当します。
「起訴相当」の議決が出ると、検察は再捜査はしますが、必ず
不起訴処分を出します。十分捜査・取り調べをしたうえでの不起
訴処分ですから、そうせざるを得ないのです。したがってこの再
捜査は儀式のようなものであるといえます。
検察審査会の審査員は一般の国民から選ばれますが、多くは法
律の素人であるので、専門家として審査補助員の弁護士が指導や
解説を行うことになっています。さらに検察官も検察審査会に出
席して意見を述べることができるのですが、起訴相当を出された
側は出席することが一切できないのです。
しかも、審査はすべてが秘密裏・非公開で行われ、審査員のメ
ンバーの選定、審査の経過は一切公表されないのです。いわば密
室裁判そのものです。ここが裁判員裁判と根本的に違う点です。
起訴議決を出された側は、何も抗弁する機会が与えられないので
すから、これではあまりにも不公平です。
強制起訴に関しては、2005年の検察審査会法の改正により
2009年から実施されていますが、そのとき議員たちは、何を
していたのでしょうか。自民党が政権を失う直前のことであり、
まさか小沢氏を狙い撃ちをしたわけではないでしょうが、何とな
くきなくささを覚えます。
検察審査会は、全国の地方裁判所と地方裁判所支部がある場所
に149ヶ所165会設置されています。検察審査会法第3条に
は「検察審査会は独立してその職務を行う」とありますが、実際
には最高裁の管轄のもとにあります。予算を管理するのは最高裁
であり、職員は裁判所のスタッフが出向しているのです。
検察と裁判所は親戚のようなものです。もし審査補助員の弁護
士が検察側と気脈を通じている人物が任命され、検察側の提出す
る証拠や捜査報告書の内容、それらを説明する検察官の話し方な
どによって検察に有利な結論を得ることも可能なのです。
審査補助員の弁護士がどのようにして決められ、どのような捜
査報告書が提出され、どのようにして審議が行われたかについて
は、すべてが秘密裏に行われ、公開されないのですから、検察は
何でもできるのです。明らかに検察に有利です。
繰り返しますが、捜査報告書は検察の内部資料であり、公開さ
れないのです。どんなうそでも書くことができます。それは検察
の力では起訴できなかった小沢氏を「起訴相当」に誘導する狙い
があったと考えられます。既出の青木理氏はこの点について次の
ように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
一般的に言えば、検察が不起訴とした処分に対して検察審査会
が「起訴相当」と議決するのは、当該の判断にあたった検察官
にとって「恥」と受け止められる。検察官の判断は誤っていた
と言われるに等しいからである。なのに東京地検特捜部はなぜ
わざわざ検察審査会の「起訴相当」議決を誘発するかのような
捏造報告書を作成し、提出したのか。答えはおそらく一つしか
ない。検察組織としては有罪に持ち込むのはムリだと判断して
起訴を見送ったものの、「市民目線」は小沢の訴追を求めてい
ることを示したかった。もっと言うなら、躍起になって繰り広
げた特捜検察の暴走捜査を「市民」は支持していたのだと満天
下にアピールしたかった。歪み切った暴走検事たちの思い上が
りだったが、東京第5検察審査会はその誤誘導にまんまと乗せ
られてしまった。 ──宮崎学・辻恵・青木理著
『政権崩壊/民主党政権とはなんだったのか』/角川書店
―――――――――――――――――――――――――――――
検察にとっては、最初の「起訴議決」が重要だったのです。そ
こでとくに検察が検察審査会に提出する捜査報告書の内容にこだ
わったのです。そのため、内容を「小沢=クロ」の印象になるよ
う捏造したのです。
このようなことが一検事にできるわけはなく、検察の組織的犯
罪であると見抜いた小川敏夫元法相は、指揮権発動を仕掛けよう
として、野田首相に罷免されています。これによって、検察は生
き残り、次の犠牲者が出かねない情勢にあります。議員はなぜ動
かないのでしょうか。今となっては誰も検察審査会法是正に動こ
うとしないのです。 ── [自民党でいいのか/36]
≪画像および関連情報≫
●小沢氏強制起訴に見る、検察審査会の危うさ/「誠」
―――――――――――――――――――――――――――
小沢氏自身はかつてこう語ったことがある。検察が2度にわ
たって起訴を断念したのだから「自分は真っ白」だと。しか
し検察の起訴断念と「真っ白」とは同義ではない。「黒であ
ることを公判で立証するのが難しい」ということが断念した
理由である。だからこそ検察審査会が2度にわたって起訴相
当とした。しかし検察審査会のあり方には強烈な違和感があ
る。個人を罪に問えるのは、国家である。だから国家組織と
しての検察庁が存在し、そこが組織としての判断に基づいて
人に刑事責任を問う(もちろん国家が、それだけの正統性を
もっていることが条件だ)。はるか昔には、小さなコミュニ
ティが罪に問うたこともあるが、およそ近代国家では人を罪
に問うのは国家に限られる。検察審査会とは一般市民から無
作為に選ばれた人々が、検察庁という司法機関の判断に対し
信用できないとか納得できないと異議申し立てをする機関で
である。2005年の法改正前は、検察審査会の判断に強制
力はなかった。検察は再度捜査した上で検察審査会の判断を
無視することもできたのである。しかし今では検察の判断を
超えて、起訴することが可能になった。これが強制起訴であ
る。 http://bit.ly/g0seV3
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