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アベノミクスの理論的背景になっているのが浜田宏一や竹中平蔵の考えだ。インフレ、デフレはモノと貨幣の量の問題で、貨幣の量がみモノより多いとインフレになり、少ないとデフレになる。インフレになると雇用が増え、デフレになると雇用が減るというフィリップス曲線を使い、人為的インフレを起こそうとする。
つまり、ノーベル経済学受賞者のクルーグマンの言うインフレターゲットだ。インフレ目標を2%として貨幣を供給すればインフレになり、デフレ克服が可能だという。
その考えは理屈としては正しいが、現実はそうではない。山に登るとき地図を見て、山の入り口から頂上まで一直線に線を引いて登ろうとするようなものだ。これは無理である。登れない。現実は、川あり谷あり崖ありで、紆余曲折を経て辿りつく。無理して強行すれば、がけから転落し大変なことになる。
貨幣を供給するだけでは、景気は良くならない。無理してやれば、賃金は上がらずインフレだけすすみ、生活はますます苦しくなる。今のところ、利益を得ているのは輸出大企業ある。これも経営努力や技術革新ではなく、円安によるものだ。中小企業や多くの庶民は円安による輸入原料、電気料金、食料価格の上昇で苦しむ。競争の激しい小売業は価格に転嫁できず経営が苦しくなる。
土木建設業や建築業は公共事業やインフレ予測で利益を得ているが、一時的なもので、公共事業が終われば、景気は悪くなる。波及効果が出ず、そっくり財政赤字になる。
アベノミクス推進派の中で消費税増税に反対するものは、まだ実体経済に波及していないからという。そういうこと自体、理論が誤りであることに気づいていない。理論が正しければ、円安、株高、消費増が速やかに実現するはずだ。余りに変動が激しい。
浜田、竹中、クルーグマンは理論としては分かっていても、現実を知らない。学者によく見られる欠陥だ。デフレの原因はモノと貨幣量の関係ではなく別のところにある。
すでに日銀は、この10数年、ゼロ金利政策や量的緩和政策を行ってきた。それでもデフレは克服できない。その理由は何だったのか。
それは銀行が企業に貸し出さないからだ。不良債権になるのが怖いのだ。またバブル崩壊を経験して慎重になっている企業は不安で投資しない。結局、銀行の金は安全な国債に流れている。国が潰れるのはまだあとのことだから、国債はとりあえず安全ということだ。
とにかく不安があって国債に銀行のお金が流れ、その国債を日銀が量的緩和で買い、銀行にお金をばらまく。すると銀行はまた国債を買う。これがこの10年続いてきたわけで、貨幣供給だけでは、デフレは克服できない。
企業も投資しても製品が売れる自信がない。だからお金を借りない。投資しない。内部留保によりため込んでいる。
浜田、竹中、クルーグマンには、なぜ企業に銀行が貸さないのか、企業は投資しないのかの分析がない。ゼロ金利でも投資が増えないという「流動性の罠」に気づいたのは良いが、その原因が何かの分析がない。
根本原因は国民がみんな不安に思っているからだ。雇用保険が充実していない。失業したら大変だ。生活保護法で絶対救わない。からお金を使わない。老後が心配だ。だからまたお金を使わない。現在、日本の貯蓄の約半分は老人のものと言われる。しかし老人はいつ死ぬかわからないから、使えない。
国民に安心を与えないと消費は増えないのだ。しかし安倍内閣は社会保障を削り、国民をますます不安に陥れている。消費が増えないのは当然だ。
現役世代や老人に安心を与え、さらに賃金が上がれば、すぐ消費が増え景気は良くなる。インフレターゲトなど格好つけなくても景気はすぐよくなる。雇用も増える。これが良いインフレだ。
インフレにには3つある。悪いインフレ、最悪のインフレ、良いインフレである。
悪いインフレは、賃金が上がらず、物価が上がるものだ。今のインフレがそうである。やみくもにお金をばらまけばそうなる。実体経済に波及しない。1973年のオイルショックのスタフグレーションがそうであった。中東戦争による石油価格上昇が原因だが、現在の状況は円安による価格上昇だ。原因は異なるが、結果は同じである。
つまり、アベノミクスはすでに失敗している。このような時、消費税は上げられない。
最悪のインフレは、戦争によっておこる。エコノミストは国債暴落により起こるというが、日銀が買い支えるからそれだけでは起きない。アベノミクスが失敗し、矛先を尖閣諸島と北朝鮮に向け、戦争に負けた時、起こる。生産設備と農地が荒廃し、供給が需要に追い付かないときに起こる。第1次世界大戦後のドイツや第2次世界大戦後の日本に起きた。ドイツは1000倍、日本は100倍のインフレとも言われる。
ただし、戦場にならず、戦争に勝てば、最悪のインフレにはならない。景気が回復した第2次世界大戦前後のアメリカがそうである。
しかし現在、戦争が起きれば、原発を持つ日本は壊滅する。原発を攻撃され日本は放射能の海になる。戦争になれば、道義はなくなる。勝てばよいのだ。とはいっても、核は使いづらい。原発なら攻撃しやすい。人ではなくモノだからだ。最悪のインフレどころではない。
アホノミクスと揶揄されるアベノミクスだ。戦争はするだろうが、ドアホと言うか、勝てるとでも思っているのだろうか。原発がある限り勝てない。それにしてもあまりにも単純だ。アメリカが味方すると思って、集団的自衛権容認に走っている。
アメリカは味方しない。魚夫の利を得るだけだ。幕末の時、フランスは幕府を応援し、イギリスは薩長を応援した。目的は内戦で壊滅させ、英仏で日本を2分割して支配することだ。それに気づいたのが、勝海舟であった言われる。だから江戸城は無血開城になった。
長州出身の安倍首相は、全くわかっていない。本人は国のためと思っているようだが、結末は日本壊滅である。
話しを元に戻すと、良いインフレは生活の不安をなくして、消費を増やし、景気を良くすることだ。そのあと、消費税を上げる。本当は、浜田やクルーグマンもそのつもりだろうが、現実がわからず理論でうまくいくと考えている。学者の欠陥が露呈して、地図を見て山に登っている。
現役世代や老人に安心を与え、さらに賃金が上がれば、すぐ消費が増え景気は良くなる。。インフレターゲトなど格好つけなくても景気はすぐよくなる。雇用も増える。これがよいインフレだ。
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