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★「天木直人氏の視点ー(2013/08/17)★ :本音言いまっせー!
きょう8月17日の各紙が書いていた。
松江市教育委員会が「はだしのゲン」について市内の全小中学校に
対して児童に貸し出さないように要請していたことがわかったと。
私が「はだしのゲン」のファンだから書くのではない。
この事件は、この国の行政の在り方を考える上で放置できない深刻な
問題を提起しているから書くのである。
制限した理由は、「描写が過激」だからだという。
しかしそれは理由にはならない。
残酷で過激な描写をともなった書籍はいくらでもあるはずだ。
松江市教育委員会がそれらをすべて規制しているとは思えない。
これは明らかに原爆反対、反戦の思想を子どもに植え付けることへの
警戒から来たものと考えるのが自然だ。
そのような判断を、しかも「表現の自由」と言う憲法上保障された
人権を規制するような重大な判断を、地方の教育委員会は与えられて
いるのだろうか。それは妥当か。
この機会に教育委員会の権限と役割について再考すべき必要がある。
教育委員会は地方自治法に根拠を持ついわゆる地方分権の一つの機関
とされている。
その委員が議会の承認により、首長によって任命されることからも
明らかだ。
だから今回の松江市教育委員会の貸し出し禁止も、基本的には松江市
の市長や市議会の問題であり、それを認める松江市民の問題であると
いうことになる。
しかし日本の地方自治は、その建前とは裏腹に、中央政府の方針に
逆らう事が出来ない仕組みになっている事を誰もが知っている。
しかも教育は安倍自民党右翼政権の最重要課題の一つである。
直接の指示があれば大問題だが、たとえなかったとしても、
松江市教育委員会が安倍政権の意向を汲み取って行なった判断であった
としても不思議ではない。
この事件を報じる8月17日の読売新聞は、
文部科学省は「こうした例は聞いた事がない」と言っているらしい。
この言葉の意味するところは深長である。
つまり安倍政権の前まではこのようなことはなかった、
今度がはじめてだと言っているのだ。
それにもかかわらず、地方自治を重視する立場から、文部科学省は
今後も松江市と松江教育委員会の判断には介入しないだろう。
これまでの自民党政権下であればまだ許せたかもしれない。
しかし安倍自民党タカ派政権の下で教育方針を地方に委ね続ければ
どうなるか。
タカ派方針の場合は地方分権を名目に放置され、安倍政権に
不都合なハト派の教育方針は、行政指導という名目で介入されかねない。
つまり教育方針が地方分権の名の下にどんどんとタカ派になっていく
おそれが出てくるのである。
その危惧は、今度の松江市教育委員会の「はだしのゲン」の貸し出し
制限が、これ以上の議論なく放置されるかどうかにかかっている。
「はだしのゲン」貸し出し制限という大きな事件がわずか一度の報道で
終わり、既成事実化されてしまえば、今後同様の制限が地方自治の名の
下にどんどんと進んで行くおそれがある。
だから松江市の市民の反応が重要である。
イジメ事件と同じように市民が教育委員会の監視、追及の手を
緩めない事が重要だ。
たかが漫画の規制だといって今度の事件がやり過ごされていけば、
どんどんと教育委員会は規制的になっていく。
今度の事件はこの国の教育が危うい方向に向かう分水嶺であるのかも
しれないと私は思っている。
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