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[CML 025916] 「安倍政権の泣き所は『経済政策』にあり」という「きまぐれな日々」ブログの論(2013.08.13付)に共感する
higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2013年 8月 15日 (木) 13:00:19 JST
http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-August/025840.html
「きまぐれな日々」ブログの標題記事をご紹介したいのですが、私は同ブログ主宰者の古寺多見(kojitaken)さんが標題記事で
指摘されている以下の部分が特に重要な指摘であるように思います。
「安倍晋三の政策で明らかに誤りなのは、生活保護の水準切り下げなどに典型的に見られる政府支出の切り下げ
を図っていることだ。(略)私は、自民党の財政政策が『国土強靱化』に偏重して、生活保護の水準切り下げに端的
に表れているような福祉・社会保障切り捨てを目指していることが最大の問題だと思う。」
「安倍政権の経済政策に対する批判はこの点に集中させるべきだと以前からずっと主張しているのだが、どういう
わけか左翼政党や民主党リベラル派(や生活の党w)はまず安倍政権の金融政策への批判から入りたがる傾向が
強く、この点に強い不満を持っている。そこを議論しても『神学論争』にしかならないと思っているからだ。しかし左翼
政党や民主党リベラル派や生活の党は、金融緩和やインフレターゲットの批判から入りたがる。これは、安倍政権
の「福祉・社会保障切り捨て」批判を自ら論点からそらす愚行だと私は考えている。」
私も上記の古寺多見さんのご意見にまったく賛成です。安倍内閣の経済政策について論じる「経済」論争はあれこれのメーリ
ングリストでもよく見かけるのですがまったくといってよいほど食指が動きません。だから、読み飛ばすことが多いのですが、
その理由は上記で古寺多見さんが「左翼政党や民主党リベラル派」への「不満」として述べている理由とほぼ同様のものです。
いま、国民の(「庶民」の、と言い換えてもよいのですが)の大多数は「潜在的」な意味で(といわなければならないところが悲し
いところであり、この記事を書いている眼目でもあるのですが)安倍内閣の「生活保護の水準切り下げ」に象徴される政治の
現状(「福祉・社会保障」切り捨て政策)に強い不満と大きな危機感を抱いています(いるはずです。「社会福祉」に縁のない人
などほんの一握りの富裕層にしかすぎません)。しかし、その大多数の国民の「不満」や「危機感」を拾い上げないで、もっぱら
金融緩和やインフレターゲット批判の議論に終始する。こういうことでは国民各層が持っているそれこそ「潜在的」なエネルギ
ーを分散、拡散(薄まり拡がる)させることには役立っても、そのエネルギーを結集させて「状況」を「大状況」に転換して大衆の
側に有利に展開させることなどとても覚束ないでしょう。このことについて古寺多見さんは「安倍政権は左派&リベラルの無策
と堕落に助けられている」とまで批判しています。この批判はまっとうすぎるほどまっとうな批判だと思います。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20130813/1376353997
私にもこの「左派&リベラル」の「愚行」は「社会変革」という大義を忘れてしまった「炭鉱のカナリア」の愚行としか思えません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%A2#.E6.AF.92.E3.82.AC.E3.82.B9.E6.A4.9C.E7.9F.A5
以下、「きまぐれな日々」(2013.08.13付)の論のご紹介です。
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安倍政権の泣き所は「経済政策」にあり(きまぐれな日々 2013.08.13)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1314.html
安倍晋三は11日間の夏休みに入った。8月15日の終戦(敗戦)記念日に安倍が靖国神社を参拝することはまずないだろう。
その代わりに稲田朋美だの高市早苗だののおばさま方やらその他の閣僚やら自民党やら維新の怪やら民主党やらの有象
無象というか魑魅魍魎というか怪しげな人間どもが靖国神社を参拝するのであろう。
安倍晋三は今年靖国に参拝しなければもう首相在任中の終戦記念日に靖国に参拝できる機会は二度とめぐってこないの
ではないかと思っている。それは、現在「安倍総理黄金の3年」などと言われている3年間を安倍晋三が大過なく過ごせると
は全く想像できないからだ。
先の参院選の選挙戦のほんの短い間だけでも、安倍内閣はずいぶん支持率を落として、20議席以上獲得できるとみられて
いた比例代表の議席は18にとどまった。これには安倍晋三のじきじきの要請によってワタミ(渡邉美樹)が参院選比例区の
候補に立てられたことと関連づけられるだろう。
今後の安倍政権に黒い影を落とすだろうと私が予想しているのは、労働問題と原発問題である。第2次安倍内閣発足から
8か月目に入り、参院選も難なく圧勝で乗り切ったが、経済政策に効果が出るかは未知数だ。
12日に4?6月期のGDP一時速報値が発表され、年率2.6%の増加で3四半期連続のプラス成長だと言っていたが、速報値は
予測を下回り、当日の日経平均株価は下がった。設備投資は依然として6四半期連続のマイナスで、GDPデフレーターも
「下げ幅を改善した」というもののマイナスだった。
少し前に、マスコミが消費者物価(コアCPI)が上昇に転じたと喜んでいたが、新聞記事に載っていたグラフを一瞥して、上が
ったのは主に円安によるエネルギー価格上昇の影響だとわかった。実際、この影響を除いたコアコアCPIと呼ばれる指数で
見るとまだまだ下がっている。つまりまだデフレを脱却できていない。エコノミストと呼ばれる人たちは、コアコアCPIも年内に
は上昇に転じる見通しと言っているが、本当にそうなるかどうかはまだわからない。
国の中央最低賃金審議会は先日(6日)、今年度の地域別最低賃金をまとめ、これによると最低賃金が3年ぶりに2桁引き
上げられることになった。結構な話である。しかし、安倍政権成立後、まだ実際に労働者の賃金が上がったといえる状況で
はない。実際に賃金が上がるかどうかは来年の春頃にならなければわからないだろう。そしてその時期に待ち構えている
のが消費税の増税である。早くも、消費税が増税されれば賃上げはしないぞと労働者を脅している経営者もいる。消費税
を予定通り来年4月に引き上げるかどうかは、安倍政権の命運を左右する事項になるだろう。
以上は一般的な話だが、安倍晋三の政策で明らかに誤りなのは、生活保護の水準切り下げなどに典型的に見られる政府
支出の切り下げを図っていることだ。私の見るところ、世のリフレ論者を粗っぽく分類すると、金融政策さえしっかりやって
おけば財政出動は削減できるとする論者と、金融政策と財政政策の適切な組み合わせが必要だとする論者とがいるが、
後者はさらに財政支出においてどの分野に重点を置くかで分かれる。自民党の政策は、公共事業に偏重した形での「金融
政策と財政政策の組み合わせ」を目指したものといえるだろう。
私は、自民党の財政政策が「国土強靱化」に偏重して、生活保護の水準切り下げに端的に表れているような福祉・社会保
障切り捨てを目指していることが最大の問題だと思う。安倍政権の経済政策に対する批判はこの点に集中させるべきだと
以前からずっと主張しているのだが、どういうわけか左翼政党や民主党リベラル派(や生活の党w)はまず安倍政権の金
融政策への批判から入りたがる傾向が強く、この点に強い不満を持っている。そこを議論しても「神学論争」にしかならな
いと思っているからだ。しかし左翼政党や民主党リベラル派や生活の党は、金融緩和やインフレターゲットの批判から入り
たがる。これは、安倍政権の「福祉・社会保障切り捨て」批判を自ら論点からそらす愚行だと私は考えている。なお、金融
緩和やインフレターゲットを嫌う点では朝日新聞や毎日新聞も同じだが、朝日や毎日は財政再建と消費税増税への指向
が強く、「経済極右」とでもいうべき論陣を張っている(呆)。
このような野党やマスコミの愚策やら堕落やらに助けられて、安倍政権の経済政策が世論に「信認」されているかのような
様相を呈しているが、私は世評とは大いに違って、安倍政権の最大の泣きどころは経済問題だと考えている。安倍晋三
は経済政策でポイントを稼いで、本丸の改憲へと突っ込みたいものとみられるが、経済政策への批判が改憲をも阻むの
ではないかと予想する次第である。
原発問題でも、参院選後すぐに報道されて今も世論の強い批判を浴びている東電の福島第一原発の汚染水垂れ流しの
問題がある。そもそもの最初の東電原発事故が起きた早々に核燃料がメルトスルーしてしまっていて、放射性物質は以
後ずっと垂れ流し状態だったのではないかと私は疑っている。
どうみても破綻している原発に惰性で頼ろうとする経産省や経団連などに安倍政権が迎合して、原発再稼働・推進政策
を続けようとしていることも、今後政権支持率を下げて政権を不安定にする要因になると見ているが、長くなったのでこの
点は尻切れトンボにしてひとまず記事を終わらせることにする。
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東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/
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【関連記事】
東本高志さんは追伸で、安倍内閣の「福祉・社会保障切り捨て」政策の非道、不義を逆照射として象徴してあまりある嫌忌すべき一例として次の記事をあげている。
「しんぶん赤旗」 2013年8月15日
安倍内閣 「追い出し部屋」にも助成金支給へ/「労働移動」で大企業のリストラ支援
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-15/2013081501_01_1.html
http://blog.livedoor.jp/gataroclone/archives/30756177.html
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