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2013年8月15日
68年前の8月15日、昭和天皇が読み上げた「大東亜戦争終結ノ詔書」が放送された。
しかし、日本が降伏文書に署名したのは9月2日である。
したがって、日本敗戦の日は正確には9月2日である。
したがって、敗戦の日をいつに定めるのかは再検討が必要である。
昭和天皇は1975年11月以来、靖国神社を参拝していない。
宮内庁長官だった富田朝彦氏による1988年4月28日の手控えには、
「親の心子知らずと思っている」
「あれ以来参拝していない。それが私の心だ」
などの昭和天皇の言葉が記録されていた。
2006年7月に日本経済新聞がスクープ報道した、いわゆる「富田メモ」だ。
靖国神社第六代宮司の松平永芳氏はA級戦犯の合祀を決断し、靖国神社は1978年10月にA級戦犯合祀に踏み切った。
上記の昭和天皇の言葉は、靖国神社によるA級戦犯合祀についてのものである。
日本は1952年4月28日発効のサンフランシスコ講和条約によって主権を回復した。
このサンフランシスコ講和条約は、A級戦犯を処分した東京裁判を受け入れることを前提として調印された。
これが戦後日本の出発点である。
オリバー・ストーン監督が8月6日に、広島の講演で述べたことを思い起こされる。
『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』(早川書房)
「第二次大戦で敗戦した2つの主要国家はドイツと日本だった。両者を並べて比べてみよう。ドイツは国家がしてしまった事を反省し、検証し、罪悪感を感じ、謝罪し、そしてより重要な事に、その後のヨーロッパで平和のための道徳的なリーダーシップをとった。
ドイツは、60年代70年代を通してヨーロッパで本当に大きな道徳的な力となった。平和のためのロビー活動を行ない、常に反原子力であり、アメリカが望むようなレベルに自国の軍事力を引き上げることを拒否し続けてきた。
2003年、アメリカがイラク戦争を始めようというとき、ドイツのシュローダー首相は、フランス、ロシアとともにアメリカのブッシュ大統領に“No”と言ったのだ。しかし、第二次大戦以来私が見た日本は、偉大な文化、映画文化、そして音楽、食文化の日本だった。
しかし、私が日本について見る事の出来なかったものがひとつある。それは、ただのひとりの政治家も、ひとりの首相も、高邁な道徳や平和のために立ち上がった人がいなかったことだ。いやひとりいた。それは最近オバマ大統領の沖縄政策に反対してオバマにやめさせられた人だ。
みなさんに聞きたいのは、どうして、ともにひどい経験をしたドイツが今でも平和維持に大きな力を発揮しているのに、日本は、アメリカの衛星国家としてカモにされているのかということだ。あなた方には強い経済もあり、良質な労働力もある。なのになぜ立ち上がろうとしない?」
小菅信子氏は著書『戦後和解─日本は〈過去〉から解き放たれるのか』(中公新書・第27回石橋湛山賞)のなかで、第二次世界大戦後のドイツと日本の戦後平和構築の方法について、
「敗戦国の国民を、戦争指導者や加害者と、彼らに騙(だま)されて戦争協力した一般国民とに分けて、その一般国民と、戦勝国の国民や被害者・戦争犠牲者との間の関係を修復して、最終的に和解へと導いていこうとする方法」
であったと指摘している。
東京裁判は戦勝国が「事後法」を用いて一方的に裁いたものだったから、多くの問題点が存在することは事実だ。
しかし、日本は敗戦国として東京裁判を受け入れることを決意し、そのことによってサンフランシスコ講和条約に調印し、国際社会への復帰を果たした。
これが「歴史の事実」=「歴史の真実」であることを忘れてはならない。
戦後日本の講和と主権回復=国際社会への復帰は、小菅氏が指摘するように、
「敗戦国の国民を、戦争指導者や加害者と、彼らに騙(だま)されて戦争協力した一般国民とに分けて、その一般国民と、戦勝国の国民や被害者・戦争犠牲者との間の関係を修復して」
成り立たせたものである。
これが、戦争で争った国の国民同士の和解をもたらす原点になっている。
本日、8月15日付の中日新聞=東京新聞社説は、次のように記述する。
「戦後日本の主権回復は五二年四月発効したサンフランシスコ講和条約によってでした。講和条約はA級戦犯を処分した東京裁判受け入れが前提であり、欧米中心の世界秩序に組み入れられることでもありました。
歴代首相のアジア諸国への謝罪や過去の植民地支配を反省謝罪した戦後五十年の村山談話もその延長線上です。A級戦犯合祀は東京裁判を、戦後の国際協調体制を、アジア侵略の事実を否定することになりかねないのです。
今年四月の参院予算委員会。安倍晋三首相は麻生太郎副総理ら三閣僚の靖国参拝に「国のために命を落とした尊い英霊に対して尊崇の念を表するのは当たり前。わが閣僚においてはどんな脅かしにも屈しない。その自由は確保している」と強い姿勢を示しました。」
安倍晋三氏の発言は、国際社会における戦後日本の新しい歩みを歪めるものでしかない。
戦争によって尊い命を落とした先人の霊を慰めることと、国際社会における歴史の総括とは切り離して考えるのが、外交に責任を持つ者の責務である。
感情論に働かけることによって、日本外交の歴史と道筋をなし崩しで歪曲しようとする姿勢に重大な問題がある。
歴史を見つめ、歴史を超克して和解の上に立つ世界平和を目指して進むのが日本の歩むべき方向である。
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